パソコン IBM ThinkPad T42 2373 9ZJ

機種の選定
パソコンの必要性に迫られてThinkPadT42を買うことにした。パソコンとの付き合いはかれこれ15年ぐらいだろうか。10年以上マックユーザだったが、この5年ぐらいは、WinとMacを両方使い、希望とは裏腹にWinを使う頻度が増えている。仕事では何かとWinの方が都合がよい場合が多い。個人的にはマックをずっと使っているし愛着もあるのだが、もう、こだわるような時代ではないように思えてきた。仕事で使っていくことを前提にするとやっぱりWindowsマシンになる。

デスクトップかノートか? コストパフォーマンスでは、いつの時代もデスクトップに軍配があがるが、配線でごちゃごちゃしないノートPCにする。ここ数年はノートPC、デスクトップを常に複数台使って作業をこなしてきた。台数にすると5~10台。一見不必要に多い気もするが、用途ごとに使い分けが必要だったので、こんな台数になってしまった。これからはあまり贅沢もできないし、本来は1台にしたい。台数が増えるとデータ管理の難しさで常に頭がパニック状態になるからだ。スペア機として同じマシンをもう一台という選択はあるかもしれないが。

重量
1台でこなすとなると、オールインワンのノートPCになるのだが、普通は重量が3kgになってしまい、持ち運びには苦労する。実際3kg台のノートPC(DELLのハイエンドやSONYのハイエンドなど)を出張で持ち歩くと死にそうになった。疲れて思考がとまるという状態に陥る。そこで、なるべく軽いオールインワンノートを探す。量販店では山のようにノートPCが並んでいるが、スペックや筐体の出来を見ていくと、購入したいと思えるものは意外に少なかった。IBMのハイエンドマシンに決定。なるべく軽いもので、そこそこの機種を選んで、このThinkPad T42 2373 9ZJにした。この上の15インチなどもあるが、高解像度は魅力的だが、ちょっとバランスが悪く思えた。

ここ数年のノートPCは、CPUがアップしても、普通の作業をやる分にはあまり差は感じられず、用途によっては3年前の機種でも十分実用だったりする。機種が新しくなるたびにスペック的には確実にアップするものの、それ以上に最新のノートパソコンは軽さを重視する傾向にあるみたいで、よくPCを持ち歩く人間にとってはありがたい。サブノートは1kgぐらいが多い。(実際TOSHIBAのSSシリーズも使っているが、最近のサブノートPCの中ではバランスがよい方に思える。お勧めかも。筐体のデザイン、つくりにはイマイチ魅力を感じないけど・・・)オールインワン機種も3kgから2kg台へと軽量化しているようだ。今回買ったT42シリーズも2.28kgで、DVDをはずせば2.09kg となり、持ち運びが可能な重量だ。このスペックで、この重量は3年前ではありえなかったので、ちょっとうれしい。

価格
10年以上前と比較するのもあれだが、安くなった・・ 自分で始めて買ったパソコンはApple PowerBook100だが、あれって40万以上した記憶がある。その後1、2年おきにパソコンを消耗品として買いかえてきた。えらい投資だ・・・ スキャナやプリンタの周辺機器も当時は高かった。10万~という設定だった。メモリは32MBで10万円という時代が結構続いたのも記憶している。これからは1台をなが~く使っていこうと思う。最近のマシンならそれも可能だ。T42は26万ぐらいだった。26万でこのスペック!。これからPCに触れる世代は幸せかも。

ファーストインプレッション
IBMのThinkPadはS30というサブノートを一時期使ってえらく印象が悪くなった。品質が悪く思えた。それ以前にも何かと使う機会があり、基本的にはThinkPadは信頼していたのだが、S30で一気に崩れた。デザインは未だに最高だと思うのだけど・・・ それ以降のThinkPadもあれ?というものがリリースされていたと思う。それでも変わらぬアイデンティティなどは共感できるし、そういう何かを貫くメーカーが不在なので、そこだけは評価したい。

トラックポイントは好きなほう。というかトラックパッドが好きではない。VAIO C1というモデルも持っているが、あれを買った理由はトラックポイントがあったから。実はトラックボールなどが好きだったりするのだが、そういう機種はパナソニックを最後に姿を消したようだ。それにしても入力デバイスは基本的に進化しないなぁ。仕事でもいろいろ入力デバイスの開発に関わったけど、マウスに変わるようなデバイスは未だに出てきていない。話を戻してトラックパッドについて。パッドのよくないのは、個人差はあるが、指先が汗でベタつくと、使い勝手が変わるから。トラックポイントの方がそういう意味で指先のベタベタ変化に影響を受けにくい。ついでに持論であるがマウスのよさは手そのものを自由に使って操作できる点にあると思う。5本の指+手の平、手首、腕などを使って操作するので、はるかに自由度があり、疲れも軽減できるし、コントロールのダイナミクスも広いと思うのだ。トラックパッドやトラックポイントは指先、しかも1本指でコントロールしようとするところがまずいと思う。ということでマウスに変わる入力デバイスもあるところで提案しているのだが、日の目を見ることができるかな?
ThinkPad T42はおせっかいにもトラックパッドが付いている。実はこれのせいで、T42にするべきかどうか結構悩んだ。今まで使ってきたDellのInspironもトラックポイントとトラックパッドが付いていた。実はこのDELLの図面も仕事で見ているのだが、やっぱり日本人とは違う思想に思えた。あっちの設計方針はよくわからない。ちなみにThinkPadは日本IBM大和事業所でデザイン設計されている。以前仕事を一緒にしていた人は、ここの出身だったのでThinkPadの開発についてはあれこれ聞いていた。実際の開発の話を聞くとThinkPadは安心感があるのだ。
正面
開閉のボタンが以前の2つから1つに変更されている。正面には変にヘッドホン端子などなく、すっきりしていてよい。
背面
バッテリーが占有している。あとはパラレルポートと電源。個人的にドングルを使うのでパラレルは必須。
右即側面
DVDドライブにRGBコネクタとHDDのカバーとなっている。RGBコネクタはプレゼンする際には必須。サブノートはアダプターをつけるタイプがあるが、あれはいただけない。
左側面
コネクタ関係はほとんどこちらにある。よくLANのポートにカバーを採用している機種があるが、そういうものは一切なくひじょうによい。あの手のカバーは壊れたり、使い勝手が悪くなるだけ。逆にPCカードスロットにはちゃんと開閉できるカバーがあるので好感が持てる。最近はスロットにカバーがなく、代わりにダミーを入れるという変な仕様の機種も多い。
トップはすっきりいつものThinkPadというかんじ。多少きらきらした塗装が施されている。
裏面も機能的になっている。特に下の写真のように、ねじのサイズを明記したり、各ねじ穴は、どのねじを使って、何を固定しているかをアイコン化して示している。分解派にすばらしく親切。
ねじのサイズを明記!

ACアダプタ
やっぱりこの手の出力になるとでかい。それでも以前よりは小さく軽くなっている。本体290g+ケーブル64g。ACケーブル(コンセント側)が邪魔なので、新たにACアダプターを買おうと思ったが、代わりになる小さくて軽いACアダプターはなかなか見つからない。PtoGO PLS16I IBM ThinkPad用 75W 高出力ACアダプターはあるが、220gとそれほど大きな違いはないので見送る。

DVDマルチ ウルトラベイ・スリム・ドライブ
かなり薄いドライブで196g

DVDドライブの代わりに挿すウェイトセーバーベゼル。重さは14g。

バッテリー 314g

キーボード
違和感を感じるのはCtrlの位置。多くのWindowsマシンは左下隅なのにThinkPadは、そこがFnになっている。まぁマックユーザからすれば、Ctrlがコマンドキーのような位置に相当するので、使い勝手に問題はないが。

上カーソルキーの両サイドにある「前に戻る」「次に進む」キーは使ってみたら結構便利だった。

IBMは以前からキーが多いと思っていた。そろそろファンクションキー周辺のキーも使ってみようか・・・ 上の例のように便利に思えてくるかもしれないから。

ThinkPadの独自キーは少なく好感が持てる。Access IBMボタンと3つの音量ボタン。

CPUというかハードディスクの負担になる作業を長時間行うと、やや熱くなる右パームレスト。この下にはハードディスクがある。しかしApple PowerBook G4 12inchと比べればまったく問題ないレベル。PowerBookは左パームレストで目玉焼きができるのではないか?というすごい熱なので。

●トラブル1
気になったのはキーボードがペコペコする。右側のカーソルやEnterを使うとペコペコ。おかしいなぁ?と思って、とりあえず分解。どうもキーボードが浮き気味なのが原因。とりあえず、両面テープで応急処置。ペコペコは解消した。

●トラブル2
左パームレストに手の平を乗せているが、キシキシいう。ケースが手の重みでたわんで、中の金属と接触している。まぁそれほど気にならないので、暇をみて分解して直すことに。

●リカバリCDがないのは・・・
S30もそうであったが、HDにすべて入っている。リカバリCDをなくしてしまう心配からは開放されるが、いろいろいじるには面倒な話になる。またCドライブだけなので、パーティションを切ってドライブを増やしたいと思っても、お手軽ではない。それなりにテクニックが必要だ。パーティション作業は面倒なので、Cドライブオンリーで使っていくことにするが・・

060127
将来的にHDDの交換を考えてリカバリCDでも作っておく必要がある。簡単に終わるかと思って手軽にはじめたらはまった。
2時間近くかかった。ディスクはCDともDVDディスクともわからず、DVDディスクを入れたら、焼いてくれたが、わずかに焼いて次のディスクを入れろという指示。つまりCD-ROMしか使えないようだ。一体何枚入れればいいのだという終わりの見えない作業にイラつく。はじめに何のディスクを何枚使うのかぐらい言えって!結局7枚焼くハメになった。不親切極まりないIBMだった。はじめからリカバリCDかDVDを同梱してくれた方がよかったと思う。

後日さらに調べてみると、1枚目の起動ディスクはCDで、2枚目はDVDでもよいようだ。こうすることでリカバリディスクはCD,DVDの2枚で済むようだ。

●堅牢なThinkPad?
T42はちょっとあやしい。本体を薄く軽くするために犠牲になったのは堅牢性だろう。なんとなく頼りない筐体である。

●ちょっとリカバリしてみる
購入して起動すると、おせっかいにも環境を勝手に作ってくれる。注意していてもT42が何をしたいのかわからないので、ウィザードに従ったら、あれれ・・・意図しない環境ができてしまった。そこでリカバリをして環境を作り直すことに。どちらかというと、アプリケーションをインストールする前にリカバリを試してみたかっただけなのだが。さて、リカバリ作業は、起動時にF11を押して画面にしたがって作業を進めればOK。簡単だ。しかし時間はかかった。約2時間だ。その後、必要なアプリケーションをインストール。PCの環境作りって半日作業だ・・・ この環境で2年は使ってみるつもりだ。Win2000以降は安定していて、OSの入れ替えなんてほとんどしなくても大丈夫。ちなみにMacOS7では2ヶ月に1回、OS9では半年に一回というペースでOSを入れ替えていたから、それを思うとずいぶん楽になった。

●XP起動時間
XPは起動が早い。T42では1分50秒で完全に立ち上がる。DYNABOOKはもっと早くて1分少々で立ち上がる。(後日秒数を計ったら、40秒だった!) とにかくWin2000に比べれば段違いに早い。こういう改善はありがたいが、あのセンスのない画面は相変わらずだ。マックを真似するなら、センスも真似てもらいたい。(ちなみにPowerBookG4の起動時間は1分50秒だが、はじめに、りんごマークだけを約1分半見せられるので、体感時間は長く感じる。)

040912
起動時間を短縮するために必要のない常駐ソフトを止めた。起動時間は1分切るようになったので、まぁまぁかな。でも普段は休止モードを多用。休止からの起動なら20秒というところかな。

●本体の重さ
T42の選定は、多少は持ち運びを考慮したつもりだが実際にはどうか?
IBMからの情報では本体2.29kg で、DVDドライブをはずして、ウェイトセーバーベゼル装着時で2.09g。付属のACアダプタは本体285g にコードが50gとある。
実測値は以下のとおり。

本体(バッテリー、DVDほかはずした状態) 1806g
バッテリー 314g
DVDドライブ 196g
ACアダプタ本体とDCケーブル 290g
ACケーブル 64g
ウェイトセーバーベゼル 14g

本体 2290g(カタログ値) → 2316g(実測値) (+26g)
本体ウェイトセーバーベゼル装着時 2090g(カタログ値) → 2134g(実測値) (+44g)
ACアダプタ 335g(カタログ値) → 354g(実測値) (+19g)

予想通り、すべて増加傾向にある。多分うちのはかりがおかしいのだろう。
実際に出張するときはDVDははずしていくので、本体+ACアダプターで2488gとなる。結構重いぞ。これって・・・

●IBM ThinkPad T42 オフィシャルサイト
http://www-06.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpt42/tpt42a.shtml