2007/11/01

ポータブルCDプレーヤー Panasonic SL-CT352

最近、街を歩いていると、iPodなどのメモリ、HDDタイプのポータブルプレーヤーを使っている人を多く見かける。CDを持ち歩かないので、オリジナル音源を破損させないという安心感はあるし、小型で、振動に強いのは魅力だが、個人的にはCDの音源をわざわざパソコンを使って変換してから、プレーヤーへ転送させるのは面倒に思えてしまうし、屋外で聴くことはないので、まだまだ普通のCDプレーヤー(MP3も再生できない)でいいですってかんじ。でも、これだけメモリタイププレーヤーが主流になってしまうと、各社PCDP(ポータブルCDプレーヤー)は、明らかに力が入っていない。(2007年12月にPanasonicのホームページをチェックしたら、PCDPはすべて生産終了じゃん。もう作らないのか?)

そんな時代と逆行して2005年にPCDPを6000円で買った。パナソニックのSL-CT352という廉価モデル。音はその価格に似合わず、デジタルアンプとやらの効果か、音がクリアでびっくりした。以前使っていたものが、16年以上前のソニーのディスクマンD-101(これも廉価モデル)だったのでモコモコの音から、すっきりはっきりした音へのギャップは大きい。このPCDPのよいところは操作性。表面に操作ボタンがあるので楽。最近のPCDPは、どれもコストを下げるために、操作ボタンが横あるいは底面にあったりする。持ち歩いて聴くことを前提に割り切ったのだろうが、私みたいに卓上で使うニーズからすれば、使いにくいだけ。単4電池x2で駆動。持ちは悪いが汎用型なので専用バッテリーよりマシ。本当は、本体が厚くなっても単3電池が使えるとよかった。付属の外付け電池ケースがあって、これには単3電池x2を入れるようになっているが、こんなブラブラするようなケースは使いたくない。

裏面には銘板が貼られているが、凹みが浅すぎ、さらにシール位置がずれている。組み立てが雑。銘板には2005年製と書かれている。裏面には足がなく滑りやすい。バッグなどに入れて使うことを想定しているのかもしれないが、机上で使う場合は、滑り止めがないと落下事故が多発する。個人的には滑りにくいシートの上に乗せて使っているので問題はないけど。

表面は細かな溝がある。おそらくデザイン的処理だろう。Panasonicのロゴはわざわざ貼られている。おそらくアルミプレート。この部分だけ作りが凝っていてアンバランスに感じてしまう。

Panasonic SL-CT352 主な仕様
公式ページ
実売価格6000円前後
発売開始 2005年2月
中国製
D-SOUNDエンジン搭載
CDR/CDRW再生可能
周波数特性(JEITA)(Hz) 20~20,000(+0.5dB~-7dB)
電源 DC4.5V
付属ACアダプター消費電力
使用時(耐振機能ON) 0.5W
電源「切」時 0.1W以下(ACアダプターの待機時消費電力)
電池持続時間:
単4形アルカリ使用時 26時間
ニッケル水素充電式電池 16時間
4本使用時(本体内蔵&外付乾電池ケース) 76時間
ヘッドホン出力レベル 最大6mW 16Ω負荷(可変)
重低音回路 S-XBS+/S-XBS
本体寸法(幅×高さ×奥行)(mm) 136.7×21.5×136.7
質量(付属充電式電池または乾電池を含む/含まず) 約180g/約157g
付属品:
ステレオインサイドホン
6キーリモコン
単4形パナソニックアルカリ乾電池×2本
外付乾電池ケース
専用ACアダプター


ACアダプタ RFEA427J-M DC4.5V

単3形電池用外付乾電池ケース RFA2666-H

ヘッドフォン端子とDC入力。丸い方はACアダプタ用のDC入力で、四角い方は外部バッテリー入力用。

ディスクを入れる面に電池ボックスがあるのはいただけない。ふたをしっかり閉め忘れると、CDに傷を付けてしまう・・・(泣) 電池にアクセスするにもCDを取らないとならない。使い勝手悪すぎ。


付属インナーフォン
付属のインナーフォンはリモコン付き。便利そうだが、個人的に屋外では使わないので不要なもの。インナーフォンの音質は残念な印象。自宅ではモニターヘッドフォンやスピーカーを使う。

リモコン(N2QCBD000010) 大きすぎ。

リモコン用に4つの接点がある。

ステレオインサイドホン(LOBAB0000186)



耐震機能 ANTI-SKIP SYSTEM POS1 / POS2
振動を受けた際に音の途切れを抑える耐震機能だが、高音質のPOS2(10秒)と耐震重視のPOS1(45秒)の切替が可能。切替方法は停止状態でMEMOを押す。表示がPOS2などと出て切り替わる。

擦れ問題
そういえば、重大な問題があった。輸入盤の何枚かが再生できないという妙な現象が起きたのだ。再生しようとすると擦れる変な音がしたので、どこが擦れているのかチェックしてみたら、ディスクの記録面と中心部の間にあるわずかな凸が、プレーヤーのピックアップ部周辺と擦れているのだ。これの問題で、回転がうまくいかずに、途中で止まってしまうこともしばしば。国内盤のCDは、この凸がほんのわずかなので、擦れることはないが、輸入盤の数枚は同じように見えても若干凸が大きいようだ。Panasonicさんには、PCDP本体を薄くするのもいいが、もう少しクリアランスをあけてほしかった。他のプレーヤーではこんなことはなかったのに。メカを削るか、問題のあるCD数枚の凸を削るか悩ましいところだ。

上記擦れ問題の対策
輸入版以外でも擦れるCDが何枚も見つかった。このままでは気持ち悪いので、対策をとることにした。クリアファイルをドーナツ状に切って、下記のように取り付けることで、CDとの距離が適正になり、擦れはなくなった。

調子が悪い 071111
最近、SL-CT352が音量などを記憶していない。 再生を押すと常に初期設定と思われるレベル10になっているので、毎回ボリュームを下げる必要がある。そして、ついに電池で駆動しなくなる。CDを入れて再生ボタンを押すと、CDがまわり出したところで停止してしまう。でもACアダプタでは問題なく動作する。さらに外部バッテリー端子から電圧を4Vまで上げて入れてやると駆動する。3年近く使ってはいるが、ちょっと壊れるの早くないかい? 使用頻度はちょっと高かったかもしれないが。

分解はかなり楽だ。中のねじを4本取り外して、ケースを密着させている爪をはずせば簡単に取れる。この手の機器で、簡単にバラせるのはありがたい。爪もどこにあるか親切に見えるし。(製造上そうなったのだが) 中の基板やピックアップユニットなどもシンプルな構成で、いじりやすい。


では何が問題か? わずかな電気の知識を総動員すると、電源の安定化部分の問題と推測。症状としてはCDが回りだしたあたりで止まるので、モーターが回り出す瞬間に電圧が一時的に低下して、ICを駆動できなくなってしまうように思える。電池駆動だと高くても3Vなので普通に考えてもパワー不足だ。そのため安定した電圧を保つために安定化回路などがあるのだが、その部分が劣化していれば、安定した電源供給はできない。で、回路の中で劣化しやすい部品の代表は電解コンデンサー。温度条件に大きく影響されるけど数年から10年で劣化が普通。問題は基板に並ぶコンデンサーのうち、劣化したものを特定すること。電気屋さんが見れば一発なのだろうけど、私にはちょっと能力不足だ。いっそのこと全部取り替えてしまうのも手だ。コンデンサーは音への影響が大きいので、オーディオ用といわれるコンデンサーに取り替えれば、音も改善されて楽しいというもの。もともと付いているコンデンサーはコストダウンのため安価なものなので、ちょっとよいコンデンサーにするだけで改善の方向になるだろう。PCDPで使うコンデンサーなんて数十円~100円程度なので手軽である。

新たに購入するコンデンサーの候補としては、オリジナルの高さ5mmと同等サイズが理想だが、オーディオに適したコンデンサーは、やや大きめというか標準。まぁ寝かせれば入りそうだ。(その後隙間を測ってみたら約6mmのスペースしかない。辛い・・・直径5mmのコンデンサを寝かせるしか手はなさそうだ。高さ5mmのコンデンサも入手困難だし。) 候補はSANYOのOS-CON、RubyconのBlack Gate、ニチコンのMuseなどかな。もしくは容量の小さなものは電解コンデンサーをやめて、フィルムコンデンサにしてもよい。いろいろ付け替えて音がどう違うか試すのも面白いかも。

だが暇がない。コンデンサーを買いに行くのが一番の問題。コンデンサーを売っているお店が名古屋のどこにあるのか?大須のアメ横あたりにあるかもしれないが、目当てのコンデンサーがあるとは限らない。通販という手もあるが、数十円の買い物に手数料と送料が1000円以上というのも、なんとも馬鹿げている。やはり何かのついでに購入することにしよう。それまでは外部バッテリーとACアダプターでしのぎつつ、知識の補充でもしておこうと思う。

駆動実験をしていて思ったことがある。電池駆動とACアダプター駆動では音が違うのだ。オーディオマニアでもないので、あまり微妙な差は気にしないのだが、比べると明らかに違った。これを知ってしまうとACアダプターでの駆動は避けたいところ。ACアダプターの音は、曇った印象を受ける。解像度が悪いというかんじ。細かな部分が濁るというか・・・ 電池駆動はすっきりとしていて、細かなニュアンスもはっきりと聞き取れてしまう。比べれば誰でもわかるレベルですな。驚き。こういう世界に魅力を感じるのも分かる気がする。


付属ACアダプターは、スイッチング電源。とにかく軽い。出力4.5Vとあるが、電圧を測ってみると4.1V。オーディオ機器はノイズを嫌ってトランスが多いのだが、音の悪い原因はスイッチングにもありそうだ。

Panasonic SL-CT352 修理開始 071117
バッテリーを使うと再生できないという症状のため、怪しい昇圧回路のコンデンサから手をつける。まずは、それらしきコンデンサをひとつ交換して、それでダメなら考え直すことにした。

怪しいコンデンサは、昇圧用コイル(青い筒状の101と書いてある)の近くの比較的容量のデカいコンデンサであることは間違いない。となると、松下製の4V 470μFが2つ並んでいる。パターンをたどっていくと、上の写真で一番左端っこのコンデンサと判断。まずはこいつを抜いてしまおう。

あやしいコンデンサ2つ。
上の写真が抜き取った状態。裏を見ると汚い半田のカスがあるところ。はんだごてで強引に取ったので、コンデンサは死にました。

下の写真が抜き取った松下製4V 470μF。

下が新しい日本ケミコン製6.3V 470μFの電解コンデンサ。4Vは入手困難だったので、6.3Vにしてある。またサイズが一番の違い。部品を入れられるスペースは6mmぐらいしかない。オリジナルは5mmの高さなので問題ないが、KMG6.3VB470Mは、11mmもある。直径も6.3mmあるので、寝かせて入れるにしても不安である。日本ケミコンにした理由は、以前一緒に仕事をしていたからなのだけど、コンデンサーの信頼性からみても世界トップクラスだと思うよ。

日本ケミコン
KMG6.3VB470M
6.3V 470μF
105℃
サイズ直径6.3*高さ11mm
価格 \60

この狭いスペースにコンデンサーを入れる。スペースの高さは約6mm。 オリジナルパーツ高さは5mm以下で構成されている。

基板上の回路を推測するときはパターンを追いかけていくのだが、部品で隠れていて正確に追えないこともよくある。今回も適当に推測して交換している。

コンデンサは標準品だったので、2つのコンデンサを並列にしてESR値を下げていると思われる。そこでパターンを追い、並列であることを確認した。どうもそのようだ。2つとも交換することにする。

下が交換後の姿。他のコンデンサーは、きれいに並んでいるのに、この取り付けは強引な感じだ。リードをあまり伸ばすのは昇圧回路としては好ましくないようだけど、無理やりいれるにはこれしかない。ケース内にも何とか納まった。

結果は見事正解でした。何事もなく電池駆動が出来るようになった。このコンデンサのために電池駆動できないということでした。めでたし。めでたし。この部分は電池駆動を繰り返していくと、わりと早く死ぬようなので、また3年後に交換することを覚悟しておこう。修理代は60円 x2と、かなり安いので苦ではない。でも日本ケミコン製でスペックも上になったので、5年は持つかな?


130430

接点不良修理

購入から8年ぐらい経過。6年前に交換したコンデンサーも問題なく使えている。ただSTOPボタンを押しても停止しなくなったので、接点のクリーニングを行う。まずは分解。内側からネジを取ると下のように基板が現れる。

押した感触はタクトスイッチなのだが、中身は接点付きフィルムを貼っているだけ。耐久性がない構造だ。フィルムは接着されていて、剥がすと元に戻りそうもない。部分的にクリーニングすることで、接点不良は回復することができた。こういう修理しにくい構造は歓迎できないのだが、安価な製品なので致し方ないか。