鉛筆 三菱鉛筆 No.9800


三菱鉛筆の普及タイプの鉛筆がNo.9800。ホームページを見ると1946年発売とあるから、今から60年以上前から売られていることになる超ロングセラー。12本(1ダース)入りで定価504円(1本42円)と比較的安価。実売は400円前後。家の近くのビバホームでは325円で売っていた。1本当たり27円。また、この鉛筆は入手しやすく、スーパーやホームセンターでも大抵扱っていると思う。それだけ定番商品といえよう。

三菱鉛筆 No.9800 主な仕様

http://www.mpuni.co.jp/
長さ175mm 径約7.3mm 重量約6g
定価 42円/本(税込)

粘土:ドイツ・イギリス産
黒鉛:中国・ブラジル・スリランカ産
芯は粘土と黒鉛を混ぜて、1000-1200度で焼き上げ、油を染み込ませてすべりをよくしている。割合はHBの場合粘土30%で黒鉛70%とある。黒鉛の割合を増やすとやわらかくなる。
木:インセンスシーダ(ヒノキ科)米カリフォルニア産(シエラネバダ)色は若干赤めに染められていると思われる。

本質的なことではないのだが、削らない状態の鉛筆の姿が好き。未加工の素材のような印象があり、ワクワクするものがある。最近のものには鉛筆の軸にバーコードが入るようになったのが残念。これは使っていると消えてくるのだが、妙に目立つ存在だ。上がバーコード付。中がバーコードが薄れた状態。下がちょっと前のバーコードがない9800。


パッケージは古臭いまま健在。それがいい味出している。パッケージの裏には「初級の製図用として最適の鉛筆」とある。今の時代鉛筆(シャープペンを含む)を製図に使うことはなくなっていると思うが、昔は製図に使える鉛筆というのがひとつの基準だったのかも。

ゴールドで書かれた文字は耐久性があって、使っていても消えたことがない。三菱鉛筆は、三菱グループと同じだと思うだが、実は三菱鉛筆は三菱グループとは関係ない。下記の三菱グループホームページに書いてある。
http://www.mitsubishi.com/j/group/about.html
「 三菱鉛筆株式会社は三菱グループ企業ではありません。三菱鉛筆株式会社については同社のホームページ(http://www.mpuni.co.jp/)をご覧下さい。」
紛らわしいのはシンボルマークまで同じだというところ。どうも三菱鉛筆の方が先に使っているようだ。

昔はJISマークが付いていたと思ったのだが、最近はJISが付かなくなった。鉛筆においてはJISで保証する必要性がなくなったということなのだろう。

エンドは平らなので、鉛筆の連結をするときには都合がよい。

個人的に各メーカーの様々な鉛筆を使ってきたが、鉛筆はこのNo.9800で十分だというのが結論になっている。比較すると品質差は確かにあるのだが、繊細な使い方もしなくなった現在では、これ以上の品質は必要ない。そして、入手しやすく、安価なのだから、これに落ち着いてしまったというわけ。
ちなみにBを常用している。2Bも好きなのだが、丸くなるのがやや早くなってしまう。削ってからのトンガリを維持できるという意味でBは使い勝手がよい。HBになると個人的には硬過ぎてしまう。


鉛筆のよさ

何よりも使いやすいと思っている。軽さと適度な太さ、軸形状、それなりの耐久性など。そして重要なのが、各社ほとんど統一されていて、同じように扱うことが出来る点が他の筆記具との違い。

シンプルな形状なので、持ち方の自由度が大きい。個人的には持ち方をかなり変化させて使うので、鉛筆は具合がよい。芯の形状も自由にできるので、どんな用途にも適応できる柔軟性がある。製図とデッサンと文字を書く場合の形状は全く違う。

複数本を用意して、先端形状や硬度をそれぞれ用意することも簡単。絵や製図では複数本使い分けるのが基本となっている。自由度では鉛筆の右に出るものはないのではないかな。逆に使い手によって大きく変化してしまうとも言える。

鉛筆で書かれたものは保存性がいい。長期保存したいのなら鉛筆は候補のひとつになる。紙にちゃんと定着させれば、数百年持つのではなかろうか。さらに色が変化することもない。また水にも強くにじまない。油性ペンや染料系のインクを使ったペンは紫外線に弱く、さらしておくと色が簡単に飛んでしまう。水性は当然水には極端に弱い。

さまざまな環境下でも安定して使用することができる。気圧や温度の変化、重力にもほとんど影響を受けないので、ボールペンやペン類のようなトラブルは皆無。真夏の車内に放置しておけるのは鉛筆ぐらいではなかろうか。

コストパフォーマンスが高い。1本当たり30円を切り、長さは175mmある。0.5mmのシャープペン芯と比較しても割高感はほとんどなく、芯の太さ、シャープペン本体などを含めて計算すれば、鉛筆はかなり安価である。

鉛筆は削ってなくなってしまうので、気に入らなかったら、使い切ってしまえばよい。他のペンと違って、ジャラジャラ使わないものがあふれることがない。


鉛筆を削る

鉛筆削りも使うが、必要に応じて下のように手で削っている。ゴミ箱の上ではなく、専用の容器を用意して卓上の明るいところで削っている。ナイフはNTカッターのVM-600GPを使っているが、替え刃せずに研いで使っている。よくカッターナイフを使って削っている人がいるが、薄くしなる刃は不適当。