「ダビング10」に合わせて地デジ化
SONY RDZ-D700

3年後の2011年7月にはアナログ放送は廃止されるので地デジ化は避けられない。でも、もうしばらくアナログ放送でがんばろうと思っていたけど、7月4日の「ダビング10」スタートに合わせて、所有しているHDDレコーダーSONY RDZ-D700が地デジの電波を使って一定期間(2008年7月4日~2008年7月27日)アップデートされることになり、そのタイミングで地デジ化することにした。

今までは、CATVを通してアナログ放送のみ受信可能で、地デジはまともに見れない状態。(実際にはNHKだけ見れないという変な仕様になっている) そこで地デジ用アンテナを自分で設置する必要があるのだが、幸い家からは瀬戸デジタルタワーも見えてしまうぐらい近いので、小型の室内アンテナで十分と判断。八木アンテナのUwPAを買う。 3,864円。上の写真のようにHDDレコーダーの上に無造作に置いただけでアンテナレベル60を達成。40以上あれば、安定して見れるということなので、十分な感度と思われる。実際すべての局がちゃんと受信できた。室内アンテナ式は30年以上昔に戻ったようなかんじだ。コンセントがあればどこでも見れるという手軽さは意外といい。

さて、HDDレコーダーSONY RDZ-D700のアップデートだが、自動でソフトをダウンロードして、勝手にアップデートされる仕組みらしい。何もしなくてもいい反面、何が起きているのかさっぱり分からない状態は個人的に好ましくない。数日経ってもアップデートされないと、さらに疑問が出てくる。

そもそもRDZ-D700の挙動がおかしい。冷却ファンが常時回りっぱなし。また起動時間は本来イライラするぐらい遅いのにもかかわらず、最近は瞬時に起動する。つまり内部は待機状態のようだ。 「高速起動モード」にしているわけでもないのに不可解だ。マニュアルにはダウンロード中に録画などが入ると、次のダウンロードまで待機状態になるとあるが、何日もそうなるというのは考えにくい。おそらく1ヶ月以上待機常態だった気がする。原因は他にありそうだ。

関係ないがソフトウェアのアップデートの履歴を見ると妙な気がした。バージョンは009からはじまって、011、013と奇数でアップして、今回7月4日から015バージョンとなっている。そのくせSONYのお知らせには014以下のバージョンをアップデートすると書いてあるので、014なんて存在していないぞ?という疑問が出た。謎の偶数バージョンは何を意味するのか? ダウンロード以外では偶数バージョンも存在するのかもしれない。普通に考えると奇数が安定バージョンで、偶数は次の奇数バージョンの評価版ということろかな。

とりあえず内部の掃除を兼ねて分解。待機状態がかなりの期間続いたためか、HDDはかなり熱くなっていた。常時回り続けていたのか? おそろしい。HDDは温度で寿命が決まるようなものだから寿命がかなり縮んだような気がする。ホコリは1年以上使い続けた割りにはきれいな方かな。でも1年に1回ぐらいはホコリ除去はした方がよさそうだ。

その後リセットボタンを押して再起動させてやると、冷却ファンは止まることが判明した。しかし、1日5回の電子番組表(EPG)の取得後は、かならず冷却ファンが回りっぱなしになる。そのたびにリセットボタンを押すほどマメにはなれない。もうアナログ放送は見るつもりはないので、すべてのチャンネルを削除し電子番組表の取得が出来ないようにした。これで冷却ファンが回ることはないだろう? たぶん。・・次の番組表取得時間にRDZ-D700は準備を始めてしまった。でも時間になってもダウンロードできないので困った様子だ。当然冷却ファンは回りっぱなし。おそらくあらかじめ設定されてた時間がまだ消えていなかったのだろう。総合的にみて、電子番組表(EPG)の取得に失敗して、そのまま待機になっていると考えるのが素直かな。

アップデートの仕組み
公共の電波を使って民生機器をアップデートする。なじみがないため違和感を感じてしまう。それに今回の「ダビング10」などでは、各メーカーかなりの種類の機器があるはずだ。1機種に対して毎日数回送信をすることになるはずだが、機種が増えたり、今回のように時期が重なると具合が悪くなるはずだ。どんな仕組みなのか調べようとマニュアルやSONYのホームページを見たが、はっきりと書いていない。データ送信も「原則毎日決まった時間にデジタル放送からアップデート用データが送信されます。」 とあるだけで、何でそんなことができるのか?とか、一体何時に送信するのか?とか、特別なチャンネルで送信するのか? 等の根本的な疑問が残る。ネットでもなかなか思うような情報が見つからない。さらに検索するとまぁ満足行く情報にようやくたどり着いた。
社団法人デジタル放送推進協会
http://www.dpa.or.jp/es/index.html
ここを見ればアップデートの概要程度は理解できる。アップデートのような送信(放送)は、ES(エンジニアリングサービス)というもので、このデジタル放送推進協会が管理している。各メーカーが希望を出して、送信日、時間を決定して地デジ(NHKデジタル総合・教育)もしくはBSデジタル(NHK-BS2)で送信する仕組みのようだ。またデータを送信する前に、あらかじめ機種とそのダウンロード開始時間とを告知情報(SDTT)として、一定の周期(おそらく3分ごと)で各局のテレビ放送に含めて送信し、その後、各機器が自分用のデータを決められた時間にダウンロード(電波を受信)するという流れ。
なかなか面白い仕組みだが、知りたかった機種ごとの送信時間までは見つけられなかった。地デジは各放送所で管理するから地域ごとに異なっている可能性もある。でもBSデジタルなら全国同じ時間に送信されるはずなので、公表してもいいと思われるのだが見つからない。そもそも自動だから、そんな情報は必要ないということなのだろう。その後、他メーカーでダウンロード時間を明記しているケースもあった。その時間は電源を切っておけということなので、とても分かりやすい。SONYも時間まで公開してほしいところだ。

SONY RDZ-D700ようやくアップデート完了 080710
7月10日の朝にアップデートが完了してメールが届いていた。残念ながらアップデート中の点滅は見れなかった。10日の0:00から地デジ番組表取得で動きっぱなしだったのは確認している。どうもその後に更新されたらしい。これでダビング10に対応したのだが、利用することはなさそうだ。買ってから一度もDVDにダビングしたことすらないので。 アップデート後もファンが回りっぱなしになる挙動は続いている。これが正常か異常かもよく分からん状態。とにかく内部的にやたらと起動して電力を消費するのが気に入らない。

アップデートができない理由を探っているときに、地デジのNHK総合だけが031、032の2チャンネルしかないのに気づく。放送所などを見ても031、032、033のセットでひとつの放送を行っているはずなのに033がない。民放やNHK教育はちゃんと3つのチャンネルで構成されているのに。 033の受信が失敗しているのだろうか?もしそうならNHK総合そのものが見れないはずだ。でもちゃんと見れている。NHKのホームページにも、とくに何も発見できなかった。ネット検索すると、唯一ウィキペディアで、「NHK総合では現在011と012=地域により031と032のみで行われており、013=地域により033は使用されていない。」とあった。こういう情報って、放送局にしっかり告知してもらいたいところだ。チャンネルひとつあたり、4セグメントなので、NHK総合は8セグメントを利用した放送しかできない。どうも総務省あたりで調整したのではないだろうか。公共放送として電波をどこまで使うかという議論も以前からあるので。8セグメントあればハイビジョン放送は可能なようだが、フルハイビジョンは無理。ちなみにNHKのフルハイビジョンはNHK BShiなら放送できるようだ。それにしてもハイビジョンの定義は混乱を招く。一口にハイビジョンと言っても放送されているものだけで数種類は存在する。解像度だけみると1366×768や1024×720が一般的なハイビジョンで、1920×1080がフルハイビジョン。さらに万博で公開していた7680×4320のスーパーハイビジョンなんてのもある。


一度は行きたい瀬戸デジタルタワー、一度でいいよ瀬戸デジタルタワー
080712

家のTVも地デジ化したことだし、その放送所である瀬戸デジタルタワーを家族で見てこようと思う。瀬戸デジタルタワーは、近場にある有名なタワーであることは間違いないが、誰かが行ったという話を聞いたことがない。街のあちこちから、その姿は確認できるのに、ある意味謎のタワー。自ら確かめに行きたい。家から近いので自転車で散歩程度の気持ちで。

車を避け、途中まで香流川に沿って走り、長久手町側から瀬戸デジタルタワーを目指す。田舎道を山登り。ルートはあらかじめマップで調べているが、どんな道かは行ってみないと分からない。

途中で舗装道路がなくなり砂利道に。自転車にはきつい。タワーは目の前に見えているのに、なかなか近づけない。GoogleやYahooの航空写真では砂利道か舗装道路かは判別できないことを知った。それでも想定内。

上の写真は今回の難関であった場所。砂利道というだけでなく、道いっぱいにダンプカー、ミキサー車が次々に走る。しかもこの場所は山頂なので急勾配。ダンプが通ると粉塵で周りの景色は真っ白になる。人が通る道ではない。土曜日は工場が休みだと思ったのが甘かった。

突然、瀬戸デジタルタワーの前だけは舗装道路になる。 地獄のダンプカー、砂利道、急勾配、粉塵から開放された瞬間。妙な安堵感が漂う。

ようやく瀬戸デジタルタワーを真下から拝むことができた。高さは245mもあるらしいが、なめらかな形状のためか圧倒されるかんじではなかった。間近で見てもインパクトはそれほどない。

タワーの横には、デジタルリサーチパークセンターという施設がある。中にはセミナーなどが出来る研修室があり多目的に使える施設になっている。他にもインターネットコーナーなどがあり、自由に使うことができる。でもこの立地で有効活用するのは難しそうだな。この日もインターネットの使い方のようなセミナーはやっていたが、それ以外の人は皆無だった。施設はきれいで、設備も何に使うの?というようなゴージャスな機器が並んでいる。この手の施設にありがちな、とりあえず最新機器そろえましたという印象だ。

せっかく来たので、ここでしかできないことをしようと何か探す。子供が喜びそうだったので、カメラを操作するコーナーをやってみる。これはタワー上部に設置されたカメラを、ジョイスティックで操作し、モニターでタワーからの景色を眺めるというもの。でも解像度低すぎてイマイチ。子供の反応は「つまんない、来た意味がない。」という手厳しいもの。

瀬戸デジタルタワーに、このままダラダラいても私の評価が下がるだけなので、さっさと退散する。とくに途中の道が悪すぎたので、「苦労して来たにもかかわらず、コレかよ」という評価だ。はじめから期待して来たわけではなく、十分承知していたはずだが、それでも酷評だった。瀬戸デジタルタワーは地元のランドマークで、どこからでも見えて気になる存在。役割も地デジの放送所なので、日々の生活に直結している重要な施設。やはり一度は行ってみたくなるもの。でも、一度でいいよ。