腕時計 CASIO F-84W-1


価格

今まで使っていた機械式時計が不調なため、修理しようと思ったら2万円近くかかると言うので、とりあえず思いっきり安価なデジタル時計を購入してみた。カシオのF-84Wというもので定価は3675円だが、実売はアマゾンで980円。

機械式時計は電池が必要ないところと、大事に使えばかなり長く使えるなど、趣味に合っていたのだが、数年ごとにオーバーホールが必要で、何かと手間と費用がかかることが分かって、自分でオーバーホールまでしようと思いつつも放置状態。機械式のメンテをやってしまったら、絶対にハマると思うのでなかなか手が出せないでいる。

最近の個人的な傾向は、高価なものを長く使うから、安価なものを改造&修理して長く使うという姿勢にシフトしているので、この時計もその一貫。貧乏人と地球に優しくエコノミーでエコロジーがポイント。

デジタル時計

今までアナログ時計しか使ったことがなかったので、デジタル時計はちょっと違和感がある。若いころはデジタルは嫌いだったのだが、今となってはこだわりはない。でもデジタルに不慣れでアナログのように使いこなせていない。アナログでは図形的に読み取ることができるので、後何分とか、数時間後は何時かなど、直感的に読み取れるのだが、デジタルではアナログ時計を思い浮かべるか、数字を計算するかという方法になってしまう。このワンクッションがちょっとわずらわしい。それでもデジタルのよさは何かないかと探していたら天体観測はわりとよかったかもしれない。特にISS(国際宇宙ステーション)を秒単位で追うときなど。頭の中にある数字との比較なので、デジタルは相性がよい。このF-84Wは精度も高いので、秒単位で信頼が出来たのも大きい。あとライトがありがたかった。持っている機械式は当然ながらライトがないので。


デザイン

廉価なデジタル腕時計が発売されたわりと初期のころからあるデザインで、マイナーチェンジしながらずっと作られている腕時計。かれこれ30年ぐらい続いているのかな。そう思うと、ただの安いだけの時計には見えなくなってくる。カシオはデジタル腕時計をわりと初期に作ったメーカー。はじめに作ったメーカーはハミルトン。その数年後に計算機のノウハウをデジタル時計に応用して時計市場に参入したと何かで読んだ記憶がある。またカシオの腕時計といえばGショックが有名だが、どうもゴツいのが好きではない。軽くて薄くて安いF-84Wは気に入った。昭和のハイテクという雰囲気。今ではレトロなおもちゃという感じだろうか。悪くない。

時計としての機能

時計表示(12/24H)とカレンダー表示(月なし)。1/100秒ストップウォッチとアラームが使える。ライトもある! 今まで、もっとシンプルな時計を使っていたので、個人的には、もっとも高機能な腕時計となった。
カレンダーは、オートカレンダーで月の表示はないものの内部的にはしっかりあるようだ。その証拠に設定の際には月もあわせる必要がある。調整は4年に1回の、うるう年のときだけ。便利だなぁ。でも、ほとんどいじらないから、いざ調整とのき、やり方がわからないという欠点もあるが・・・。

精度

メーカー公式の精度は1ヶ月プラスマイナス30秒とあるが、ちょうど1ヶ月使ったので調べてみたら、なんとプラス1秒しかズレてなかった。これはすごい精度。

パッケージ

安いだけあって、らしいパッケージ。時計も適当に入っています。送られてきた状態で、すでに時計は動いていて、いつから動いてるのだろう? という疑問が出てしまった。工場出たときから動いているのかな? ちなみに Made in Thailand


謎のリチウム表示

アマゾンで買ったのだが、下の写真のように「リチウム」とでかく表示がされていた。上の方から、そういう指導があったのかな。ついにリチウム電池というだけで警戒されるようになったのか? もしくは時計がはじめから動作していたので、リチウム電池通電状態のものには、このような注意ラベルが貼ってあるのかもしれない。


電池交換

時計の電池交換は、今まで時計店で交換していたが、まともな時計店以外では交換しない方がよいと思う。時計を自分でバラしてみたら、電池交換の際に傷つけられた時計がなんと多いことか。裏蓋にはパッキンがあるのだが、そのパッキンもちゃんとセッティングできない時計店も多いようだ。パッキンがねじれて閉められた時計もあった。これでは生活防水も台無しだ。ということで、最近は時計店は使わず自分で電池交換するようにした。電池代も100~300円程度で安くなるし。また信頼できる時計店は遠く、毎回そこに依頼するのも面倒なので。

このカシオのF-84Wは、専用工具なしで、なんとプラスドライバーで裏蓋をオープンできてしまう。電池は CR2016 リチウム電池 3V で7年間持つという。
電池交換するわけではないがバラしてみた。裏蓋は通常の時計と違って板金のペラペラステンレス板というところが安っぽくてなかなか。とりあえず裏蓋は簡単にはずせるが、これ以上の分解は繊細な作業が必要なことが判明。内部は1枚の薄い複雑な板金であれこれ保持しつつ、スイッチなども機能させているので、電池交換の際には壊さないように慎重な作業が必要。誰でも簡単に電池交換というレベルではなさそうだ。明らかに電池交換を想定していない腕時計だ。素材を含めて7年以内で使い捨てという印象。



素材

本体カバーおよびベルトはポリウレタン製で、経年劣化を考えるとイマイチの素材だ。扱いが悪ければ、2年程度で劣化して切れたり、ボロボロと崩れてくる。耐久性では金属製がよいのだが、軽さなどポリウレタンもありかと思う。個人的には見た目のおもちゃっぽさが気に入ったのだけど。幸いベルトは交換可能なので、切れたりしたらベルトだけ交換するつもり。でも下手すると本体よりも高価なベルトになりそう。幅も17mmなので、あまり選べそうもないな。

ポリウレタンは加水分解を起こすので、なるべく通気のよい保管が重要。腕時計の場合腕に直接つけるので、塩分、水分、油分、汚れ、温度と悪条件が揃ってしまう。ステンレス製の時計でもクリーニングしなければ錆びて穴まで空くほどの過酷な環境だ。そこにあえてポリウレタンを採用しているカシオのコンセプトは3年で新品を買ってくださいというところか。このF-84Wは980円だから、消耗品は納得できるが、高価なGショックとかも大胆にポリウレタンを採用しているのはちょっといただけない。あくまでも消耗品扱いのようだ。経年劣化を知らないで買った人はショックだろうな。

使い勝手からするとベルトがポリウレタンというのは、なかなか優秀に思えた。時計本体も軽いこともあって、腕にゆるめにつけるだけでも安定している。軽さとラバーの滑り止め効果が大きいようだ。重い時計をつけていると、気になってはずすことも多かったのだが、この時計は作業中でも気にせず身につけていられる。

ちなみに、使用後はベルトを水洗いしてよく乾かすようにしている。使い方を気をつければ、まともなポリウレタンなら10年以上は使えると思うのだが、いつまで持つかな? 問題が起きるまでこの時計を使い続けてみようかと思う。



6年以上使ってみて 160930

ベルトを留める遊環が切れてしまった。それ以外は特に問題なし。トラブルもなく安定して優秀だと思う。



このままでは、ビロビロして使い勝手が悪いので、とりあえずタイラップで留めることにした。 見た目的に微妙だが、機能的には何ら問題ない。


7年以上使ってみてベルト切れる 170924

ついにベルトが切れ始めた。こうなると、腕時計としての機能は果たせなくなる。ベルトを交換するという手もあるが、ベルト代で同じものが一個買えてしまうので、それはない。ということで、新しい時計に買い換えを検討することにした。

電池は、メーカーいわく7年持つとあるが、実際にはもっと使えそう。このまま放置して何年動くかチェックしようと思う。