マイクホルダー SHURE (シュアー) ねじ規格について

SHUREのダイナミックマイクSM58、SM57には同じマイクホルダーが付属している。ホルダーにはマイクスタンドに取り付けるための、ねじが切ってあるのだが、、この手のねじ規格は混沌としているようだ。

SHUREのねじ規格はNS 5/8インチ27山というもので聞いた事がない。一般的なユニファイとは少々違っていて英国向けのアメリカ規格のようだ。かなり特殊で日本では普通見かけないと思う。

一方、持っているTAMAのマイクスタンドは 3/8インチ16山というもの。大型カメラ用三脚ねじと同じだと思うが、カメラはISOではUNCというユニファイ規格だ。TAMAのマイクスタンドは特に規格の明記がない。もう少しネットで調べてみると、信頼できそうなSONYのサイトには一般的なマイクスタンドとしてW3/8インチとあった。これは?? イギリスのウィット規格なのか? 疑問に思い始めた。改めてカメラの規格も調べたりしてみたら、ウィット規格で書かれている方が多い。ここからは予想だが、同じ3/8インチ16山でも、ねじ山角度がユニファイは60度で、ウィットは55度。雄ねじがウィットであれば、問題なく機能してしまうということだろう。実際工具はウィットが入手しやすかったりするので、このようなことが起きているのか、使い勝手からなのか謎である。

ホルダーがNS 5/8で、スタンドがUNC(W?)3/8なので、そのままでは取り付けできない。そこでSHUREのホルダーには変換ねじが付属している。下の変換ねじはNS5/8のホルダーをUNC(W?)3/8に変換するためのもの。

ホルダーに変換ねじを取り付けると下のようになる。これでマイクスタンドに取り付けることができる。

マイクスタンドに取り付けたところ。

マイクホルダーのねじ規格は予想通り、複数存在していて、どれも現役という非常に厄介な状態のようだ。各社バラバラに採用していて、統一しようという気配が全く感じられない。SONYのサイトによると主に4つの規格があるようだ。

PF1/2(BTS規格)14山 20.955mm
NHKが制定したもので、2001年に廃止されたにも関わらず、現在でも生き延びている。国内では標準だったりして、たちが悪い。

NS 5/8"27山 15.875mm
普及率が圧倒的なSHUREが採用しているので、規格はマイナーでも消えることはない。でも3/8インチの変換ねじを付属しているところからみて、3/8インチへ移行する意思が伺える。

W 3/8"16山 9.525mm
雌ねじはUNCのような気がする。大型カメラ用と同じにすることで、現代の汎用標準仕様ということにしたいところだが、上記の規格を完全になくすことは不可能なようだ。

U 5/16"18山 7.938mm
これもそれなりに普及しているようだ。

UNC 1/4 20山 6.35mm
ついでに一般カメラ用三脚ねじ。マイク用には使われることはない。雄ねじはW 1/4だったりするし、それでも問題ないどころか、推奨されている気配すらある。軽く締められて、使い勝手がよいということか?


自転車と同じように一度普及してしまった規格は、なかなか止めるわけにもいかず、ダラダラと使い続けるようだ。ミリとインチが混在する設計は厄介で、トラブルの元になるし、製造面でも嫌がるところ。ユーザーもこれだけあると混乱すると思う。狭い業界なのだから、世界共通規格で足並みをそろえてもらいたい。個人的にはインチ廃止を強く望むが、インチがスタンダードな現状では無理な話のようだ。