シャープペンシル Campus Junior Pencil 0.9

Campus Junior Pencil 0.9mm コクヨ 定価157円
発売日 2011年1月
軸径9mm 長さ139mm
重さ 約6g(実測)
チップスライド
材質: 軸 ABS+TPE、ノック部 ABS
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/juniorpencil/

そもそもシャープペンシルは好きではない。子供のころからほとんど使っていない。社会人になって一時期、製図用で0.3mmと0.5mmを使っていた時期もあったが、1年少々でおしまい。その後は完全にCADへ移行したので、シャープペンシルはまた使わなくなった。シャープペンシルは削る必要がないので便利なのは理解できるが、それ以外は全く評価できない。とにかく折れやすく、表現力に欠けるという印象。個人的にはほとんど鉛筆か芯ホルダーを使っているので、シャープペンシルには全く興味なくリサーチもしていなかった。

景品でもらってきたシャープペンシルがこれ

よくシャープペンシルとボールペンはもらう。今回もシャープペンシルか・・・と思ったら、クリップがない! これは好印象。クリップはいつも邪魔だと思っていて、愛用の芯ホルダーもクリップを取り除いて使っているぐらい。クリップが邪魔な理由はペンを回転しながら書くから。そうすることでペン先を常に一定の形状に保っている。最近は構造的に回転させるものがあるけど、あれの手動版というところ。回転させたときに手にクリップがぶつかってしまっては不快なのだ。そのクリップがはじめからない。

芯の太さが0.9mm

普通のシャープペンシルと違って芯が太い。0.9mmだそうだ。芯ホルダーの2mmにはかなわないが、0.9mmなら削る必要もないので、手軽に使えるよさがある。それでいて、なめらかな書き味は0.5mmとは別次元。鉛筆に近い感覚で扱える。

特に譜面を書くときなどには、音符を塗りつぶしたりするので、この太さは具合が良いし、やや離れて見たときの視認性が抜群によい。0.5mmと比較すると効率が全然違う。譜面に限っては鉛筆よりもよいかもしれない。また木工細工などをするときにも便利。0.5mmでは繊細すぎて使えないし、鉛筆だと削る手間がかかるので、0.9mmは最適かもしれない。

最近の流行?

ここまで書いてから、コクヨのホームページを見てみる。2011年1月から発売されたようだ。他にも1.3mmがあるのね。説明によると、0.9、1.3mmは小学生用で、中学になったら0.5mmを使ってねという感じ。一般的には今でも0.5mmがスタンダードなのね。ちなみに大人向けに2012年2月から「鉛筆シャープ」というものも発売されている。でも軸断面が3角形になってしまっているし、妙な装飾と配色が気に入らない。ジュニアの方がポップでオシャレに思う。
コクヨはそもそも筆記具のメーカーではないので、おそらくどこかのメーカーに委託して企画販売をコクヨが行っていると思う。そういう商社的な部分が残念ではあるのだが、プロダクト自体は気に入った。

ディテール

クリップがないことで随分すっきりした印象。小学生向けということで、ポップなカラーリングは大人から見てもステキなバランスです。もう少し色のバリエーションがあると良いのだが。

6角形の断面は鉛筆ライクでいいが、軸径は鉛筆径(約7.5mm)よりも太く9mmもある。この差は結構違う。やはり個人的には鉛筆の太さに近いほうが好み。また6角形のエッジRがやや大きいのもマイナス。

個人的に残念な点がもうひとつあった。軸先のジョイント部分が邪魔。やや特殊な持ち方をするという理由もあるのだけど、用途によって持ち方をコロコロ変えるため、つなぎ目に指が当たってしまう場合があった。ビックのオレンジボールペンは、この点優れていて、まったく邪魔することはない。

チープでポップで安価。高級感を出した筆記具は好きではない。こういうお気楽なプロダクトは大好き。それでいてポイントはしっかり押さえているので、大きな問題はない。必要最小限でうまくまとめている印象。こういうまとめ方の文具って意外と少ないのだよね。意味のない装飾が大抵入っている。

軸のグリップは滑り止めのような塗装がされている。耐久性のないラバー塗装かと思ったら、エラストマー樹脂(TPE)のコーティングらしい。耐久性は不明で、汚れは目立つ。軸部の材質はABSなので、そのままにしてもらいたかった。

軽い。測ってみると約6gで、鉛筆と同程度。軸も内部もプラスチックメインで、金属が使われているのは先端部ぐらい。耐久性で難はあるものの、この軽さはよい。ちょっと力を入れて書いてみると先端がグラグラするわ。長期間使うとおそらく壊れるわ。

ペン先の金属は収納できるようになっている。ペン先が引っ込まないと、ペン先にダメージを与えたり、他を傷つけたり、ひっかかったりするので気楽に携帯しやすい反面、可動部が多いと剛性で不利になりやすい。

エンドのキャップは取れない。はじめ無理に取ろうとしたら、あれ?という感じ。小さい子供用ということで、誤飲を防ぐ目的のようだ。そんなことよりも消しゴムなしが気に入った。キャップには穴があって、そこから芯を入れる仕様。4本以上入れないようにとパッケージに注意書きがある。ということは上限3本ということか?

バラしてみると構造がよく分かる。

チップスライド機構。書いていくと、ペン先の金属が徐々に引っ込んでいく構造。結果的に1回のノックで、かなり書けますということらしい。構造は簡単で金属部がロックされていないだけの話。個人的にはない方がいい。むしろ少しでもガタが起きにくい構造にしてもらいたい。
2年以上使ってみて、やっぱりチップスライドは不要と判断。定規などで線を引いていたりすると、何かの拍子でチップが引っ込んでしまうことが多い。こういう機能はいらないわ。

内部

とてもシンプルでよく出来ている。この限られたスペースの中で工夫を凝らしているのがわかる。

後日ピンクを買ったので、それをばらしてみる。

金属を使っているパーツはごく一部で、耐久性ではやや不安が残る。

チップ。

3つ割チャックはプラスチック製。金属に比べてホールド感は弱そうに見えるが、意外としっかりしている。

2014.6.16
2年以上使ったら、チャックの具合がおかしくなってきた。プラチャックが真鍮リングに食い込みやすくなり、ノックすると引っかかる感じ。単純にノックが重くなって不快になった。シャープペンとしての機能はまだ大丈夫。 このシャープペンの使用頻度はそれほど多くはないので、耐久性難アリという感じ。

芯は15mm残る

シャープペンシルは構造上、芯を最後まで使えない。このシャープペンシルの場合は15mmぐらいで使えなくなった。通常60mmの長さなので、なんと1/4も無駄になるわけだ。なんともお馬鹿な感じがする。そういう意味では長いプレスマン芯は良心的に思える。

まとめ

かなり気に入りました。シャープペンシルを少し見直したという意味では、それなりのインパクトがあった。鉛筆に取って代わることはないけど、シーンによっては鉛筆を削ってられないこともあるので、そういうときには便利かも。


替芯 0.9mm について

替芯についてはこっちのページ


120831

新たにピンクを購入

青は子供のものなので、自分用にピンクを購入した。用途はもっぱら試作現場用。そういう場所では鉛筆でマーキングすることは多いのだが、削るのが手間なので、このシャープを代用しようと思ったのだ。このシャープペンがなくなっても、それほどショックはないので気楽に扱えるよさもある。

コクヨとしては男の子は青で、女の子はピンクということなのだろうけど、実はピンクは実用的。ゴチャゴチャとした現場では、目立つことが重要なので、ピンクは異質な色でよく目立つ。本来は黄色が一番目立つのだが、黄色はツールにありがちな色。青は結構溶け込んでしまって探すのが手間だったりする。全体的にピンクで目立つのだが、暗い場所では軸のピンクは沈んでしまった。先端とエンドの明るいピンクは視認性抜群なので軸も同じ色だったらよかったのに。ちなみにギターのピック JIM DUNLOP Delrin 500 Standard 0.71mmと同じ色だったわ。でも、あまりピンクばかり使っていると、そういう趣味かと勘違いされるので、ほどほどにしておきたい。


131022

エラストマーのラバー塗装を剥がす


1年以上使っていると、やはり軸表面の軟弱なラバー塗装が剥がれてきた。ラバー塗装はホコリや汚れも付くし、あまりよくないと思う。みすぼらしいので、綺麗に剥がすことにした。まずは自分専用のピンクから。下の写真がラバー塗装を剥がしてツルツルになった状態。





このシャープペンの使用頻度は少なめで、外出時の一時使用ぐらい。まだ壊れてないが、やはり軸の軟弱さは気になる。ノックも重たくなり、チャックの劣化が疑われる。芯ホルダーや鉛筆の安定感とは程遠い。