事務用はさみ DAHLE Super 50008

DAHLE Super 50008
ドイツ ゾーリンゲン製
ステンレス
全長 210mm 刃渡り 93mm
重量 90g
定価4400円 販売価格3000円
http://www.dahle.co.jp/

はさみは「大は小を兼ねる」が当てはまる。はさみが大きければ、厚い紙や、大きい紙も、ザクザク切ることが出来る。逆に小さいものを切るときはどうだろうか。意外と大きいはさみのほうが安定して、きれいに切ることができる。個人的には、小さいはさみの用途は、線を切ったりするときに使うものであって、紙を切るような場合は、ある程度の大きさが必要だと思っている。このDAHLE50008よりも小さいものは切りにくく感じる。

刃の素材はステンレス製が使い勝手がよいと思う。適当に扱っていても錆などが出ることことはない。これが重要。以前KRETZERの鋼製はさみを使っていたが、日本の湿度で錆が出てしまった。ヨーロッパのめっきされた製品の多くは日本の湿度には弱いという印象がある。

パッケージ




刃の先端の形状が変わっている。下の刃は大きなアールになっている。これにより先端に行くほど遅く閉じることになる。先端で切る際のコントロールがしやすい。ストレートな刃だと、先端を使って切ろうとすると、コントロールが難しくなって失敗するので、通常は先端を使わないが、50008はすべての位置でコントロールできるので、刃渡りをすべて有効利用できる。先端での細かな作業は他のはさみを圧倒する。

ちょっと驚いたのは、下の写真をよく見ると分かるのだが、刃の内側の研磨の方向が、刃がクロスしたポイントに対して、きつめの角度になっていること。これはおそらく、挟んだものに食いつくような配慮だろうか。他のはさみでこの角度は見たことがなかったので、ちょっとした発見。確認のために紙を切ってみるが微妙かな・・ 効果大とは言えない感じだが、微妙に効いているようにも思える。

回転軸はネジで調整できるようになっている。購入当初は好みよりも固めだったので、ゆるくして使っている。ゆるくしてもムラのない一定の抵抗感を維持している。はさみは使っていると調整が必要になってくるので、このネジは必須だと思う。安価なはさみはこの調整ができないので、使っているとガタガタになってしまうか、はじめから遊びが多すぎるものが多い。

裏面にプラスチック製ナットがある。ネジとのかみ合いを常に一定に保たせているのが分かる。その代わり無理すると、すぐに壊れる。

はずした状態。

本体はナット側は四角い穴になって回転を阻止。


ステンレスの厚みは2.4mmで、思ったよりも厚くない。見た目は結構厚く見えるのだが、エッジの面取りがされていないだけの話。ステンレスの板材を加工して作られた安価な作り方のはさみではあるのだが、グリップ部を無理に曲げ加工をしていない分、精度が有利に思える。

グリップはプラ製で大きめ。手によくフィットする。安定して扱えている。

総じて工作精度がひじょうに高いと思う。ゆるくもきつくもなく、一定の感触で最後まで切ることができる。それが長続きする。問題があっても修理、調整が可能な設計がされている。はさみは強引に使うと使えてしまうところがあるので、安物を無理に使っているケースをよく見かける。それでよしとしてしまうと買い替えのチャンスがなかなかやってこないもの。どうせ買うなら、しっかりしたものを選びたい。