小学生のギター 練習その記録 1週目

はじめに

子供(小学生)のアコースティックギター練習の記録。随分前にもチャレンジしたのだが、続かなかったので、改めて挑戦というかんじ。実際まともにギターも構えられないところからスタート。もちろんコードも押さえられないし、ジャカジャカとかき鳴らすこともできない。これから半年ぐらいかけて簡単な曲が弾けるようになれば、まぁまぁかなと思っている。実際にやった練習内容などをここに残しておこうと思う。一番重要な本人の「やる気度」は、弾けるようにはなりたいが、努力はあまりしたくない。というところだろうか? それほど積極的とは言えない状態でスタート。

方向性

当面の目標は、コードを一定のリズムでフラットピッキングを使って鳴らすこと。これに集中しようと思う。単音弾きは後回し。可能な限り毎日30分以上は練習する。とくに、はじめの数ヶ月間は練習量がものを言う。
練習は何かの教材を元にやるのではなくて、以前独学したときの経験とメモを活用。多くの教材は内容がてんこ盛りで、いろいろ学ばせようとしているので、目移りしてしまう。ここではなるべくシンプルに基本的なことだけを練習していくつもり。目標は狭めて、それをきっちり出来るようにした方がよいと思う。
また弾く練習と並行してコードのしくみや進行、メロディとの関係など理論的なこともやっていくつもり。

練習スタート1日目

CとG7のコードだけを使って、ひたすらジャカジャカ練習。コードのフォームは以下のように以前自分で作ったものを使用。本にあるようなコードダイアグラムに不満があったので、●の代わりにコードの構成音を書いている。こうすることでコードの理解が格段に高まると思う。コードはダイアトニックスケールをひとつおきに並べた和音が基本。この理解があれば応用が効くし、コードのダイアグラムを暗記するという感覚はない。ローポジションのスケールさえ知っていれば、コードを自分ですぐに構築できる。
C

G7

今日はダウンストロークの4分音符のみ。下の譜面をループ。5線の下に書かれているマークがダウンを意味する。
さて、実際にやってみるが、ゆっくりやってもコードチェンジは難しいようだ。思うようにチェンジできず、止まってしまう。ピックもたまに落とす・・・サウンドホールの中に落とす・・・はじめはこんなもんだよなぁ。



姿勢

椅子に座って弾くことにした。理由は長時間でも疲れないから。でも椅子が高めなので、太ももが下がってしまってギターが置けない。そこで右足を踏み台に乗せて調整。これでギターが足に置けるようになった。また、はじめストラップをつけていたのだが、途中で取り外してしまった。ストラップなしでも安定して持てるようにしたいため。実はしゃんと長時間座ってられないので、かなり不安な部分ではある。弾いていると姿勢が崩れていく・・・ 初心者にとってはギターを弾きやすい姿勢で持つ続けるということが結構大変なのね。うちの子供だけか?

右手の重要性

とにかくギターは右手のピッキングが一番重要。初心者は左手のコードを押せる方が難しく感じるようだが、左手は練習量で何とかなるもの。それに対しては右手のピッキングは奥が深く、個人差が出やすい。音は右手で決まる。

練習2日目

2日目も同じようなメニュー。ひたすら4分音符弾き。メトロノームも使って合わせてみた。聞きながら弾くというのは重要なので。テンポは遅すぎても速すぎても難しくなってしまうので、110から120程度が一番自然のようだ。また下譜面のようにアクセントもつけてみた。アクセントの位置はドラムだとスネアの位置。多くの楽曲で自然な位置。


音は鳴ってないけど、それっぽくなってきた。2日目でこれなら上出来? やっぱり子供は上達が早いかもしれない。

右手の動き

右手のピッキングをやや論理的に考えてみる。医学的に手首の動きは大きく分けて3つの動きがある。
橈屈(とうくつ)/尺屈(しゃっくつ) チョップ?の方向
掌屈(しょうくつ)/背屈(はいくつ) 猫招きの方向
回内(かいない)/回外(かいがい) 手首の回転
ギターのコード弾きで主に使うのは、回転と橈屈/尺屈で、個人的には回転が7割ぐらいを占めているように思う。実際にはひじからの動きや指先の屈伸運動もあるので、かなり複雑な動きとなっている。多くのスポーツで手首の重要性は指摘されている。手首をうまく使えるかが鍵のようだ。手首ばっかり使っているギターは言うまでもない。

練習3日目 8分弾き

ダウンアップのストロークは基本でありながら、応用範囲が広く便利なもの。これがしっかり出来れば、パターンを変える事で、いろいろな曲の伴奏が可能。単音弾きの基礎もここにある。フラットピッキング奏法においては、すべてにおいて、このダウンアップ(オルタネイト)が効いてくる。まずはアクセントなしで、ひたすらダウンアップの繰り返し。譜面上のアップ表記はvマークを使う。
やらせてみると、意外とアップがスムーズにできているなぁ。



次にアクセントをつけてみた。



コードチェンジ

コードチェンジがスムーズにできるようになるには数ヶ月かかりそうだ。ポイントとしては、コードが移る直前は、コードが鳴っていなくても気にならないので、手は移動中でよいということかな。もしくはコードトーンが一部鳴っていれば十分という考え。うまくごまかすことを考えればよい。

練習4日目 難関Fコード

Fコードは初心者にとって、壁ではあるのだが、このコードを避けていては先に進めないので、さっさとこれにトライすることにした。結局コツをつかむまで、それなりの時間がかかるので、早めに取り掛かったほうが、早く使いこなせるということ。
Fにトライする前に、ギターのセッティングがちゃんとされているか確認する必要がある。買ってきたばかりのアコースティックギターは弦高が高めの場合が多いので、ある程度低く弾きやすくしておく必要がある。弾きにくいギターでは、Fを押さえることはできない。
F


実際やらせてみると、案の定、すぐには音が鳴らなかった。それどころかフォームがおかしい。CとG7は握りこむフォームだったので、Fとは随分違う。数分かけて、なんとか格好だけはまともになってきた。コツとしては、ひじを体に寄せて、人差し指の側面を使ってセーハさせる。親指と人差し指でがっちりとネックを挟み込むイメージ。他の指はオマケのようなもの。後は、人差し指の間接をうまく使う。しっかり押さえられない箇所もあるので、多少指の位置を上下させてよいポジションを探す。こられを完璧にコントロールして瞬時に押さえるには、やっぱり1ヶ月ぐらいはほしいかも。当面は6弦は押さえ切れなくても、1、2弦だけ押さえられればFには聴こえるのでよしとしたい。

今日はF以外は新しいことはなくコード弾きの反復練習。音の粒はバラバラだが、1週間もやれば見違えるほどよくなると思う。途中The Beatlesの「Michelle」を弾けるようになりたいと言い出す。渋いのが好きなのね。ちょっと難しいけど、弾きたい曲があるというのは良いもんだ。ちゃんとコピーして楽譜作っておきます。

練習5日目 スリーコード

C,G7,Fとやってきたので、コード進行について簡単に説明。Cが安定した響きで、G7が不安定な響き。Fはそれらをスムーズにつなげるためのコード。実際に弾いて聞かせる。C-F-G7-C という流れで、最後に不安定から安定になることで、終わったという印象になる。終止形という。ついでにキーを変えていろいろ終止形を弾いて聞かせる。音の高さの違いはあるが、響きの印象は似ていることを感じてもらう。
C-F-G7-C
D-G-A7-D
E-A-B7-E
F-Bb-C7-F
G-C-D7-G
A-D-E7-A
B-E-F#7-B
こんな感じ。多くの曲はこの3種類のコードを元に作られる。実際には、コードを差し替えたり、コードとコードをつなぐコードを追加したりして、やや複雑になる。実際の曲でそれらを説明してみる。やや理屈っぽい説明になってしまったが、大まかなコードの役割は理解できたようだ。初心者が自分でスムーズにこれらのコードを弾くには時間がかかるので、弾いて聞かせてしまうのが手っ取り早い。

空ピックありの8分弾き

空ピックを入れたパターンの練習に入る。よくある実践的なパターンだ。


譜面を見ながら弾くと「あれ?」という感じでうまく弾けない。タイの意味がよく分からなかったようだ。とりあえず手本を見せたら、次の瞬間にそのまんま弾き出した。空ピックもちゃんと出来ているし、何よりも安定して弾いている。譜面も大事だけど、これなら感覚を優先して教えたほうがよさそうだわ。いままでのじれったさが消えて、一気にうまくなっている。子供の上達早すぎ。5日目にして1段上がった印象。本人もうまく出来たという実感があったのだろう。ギターが楽しくの仕方ないという表情になってきた。調子が出てきたのでガンガン先に行くことにした。

コード進行の解説

T(トニック)-SD(サブドミナント)-D(ドミナント)の解説に入る。
C、F、G7以外のコードも教える。
Am、Em、Dmなど。あっという間に押さえられるようになった。F以外は簡単なのね。これでキーがCのときのダイアトニックコードの説明に入れる。今回はBm-5は使用頻度が少ないので省く。ダイアトニックコードはダイアトニックスケールの各音をルートとしたコードのこと。キーがCの場合は、ドレミファソラシそれぞれから始まる7つのコードがある。コードはスケールをひとつおきに並べたもの。シンプルなコードは3~4和音から作られる。

曲を構成するコード進行はTとSDとDで作られているという説明をして、ダイアトニックコードのそれぞれがどのグループであるかを説明する。押さえ方や響きからして、CとAm、Emは仲間だとすぐに分かったようだ。これがTであり、安定した響きの主和音である。FとDmはSDというTとDをつなぐ役目を果たすコードど説明。Dは今の段階ではG7だけ。

実際に組み合わせて聴かせてみる。Tだけのコード進行では起伏の乏しいつまらない進行になる。次にSDを入れてみると、変化したという感じになる。Dも加えるとさらに変化する。これらを組合わせて曲のコード進行が作られているわけだ。さて、やらせてみると上記のパターンで自在に弾き始めた。習得すごく早くないか? そのうち勝手にコードも作り始めた。適当なコードを押せているが、響きで判断できるらしい。理論的な説明と名称をつけてやった。いくつか気に入ったコードが出来たようだ。教科書的な学習ではないが、これはこれでありだなぁ。感覚優先でOKだわ。

Beatlesの「Michelle」を中途半端にだがコピーしたので、弾き方を見せながら聴かせた。下手くそな手本を見て、もっと巧く弾いてやるぞと思ってくれればいい。ソロパートはちょっと難しいが、この調子なら、2ヵ月後ぐらいには、それなりに弾けるようになるかもしれない。今日は、いままでで一番充実した練習ができた。これから先の上達振りが楽しみになってきた。

練習6日目

今日は、お腹が痛くて、ちょこっと復習しておしまい。

練習7日目 ドミソシレファラド/ドラファレシソミド

覚えておくと便利な並び。ドレミファソラシドは学校でもやるが、ドミソシレファラドは普通やらないと思う。この並びはドレミファソラシドをひとつおきに並べたもので、コードの構成音になる。例えば
Cコード ドミソ
Fコード ファラド
G7コード ソシレファ
が瞬時に頭に浮かぶようにしておくといい。代理コードであるほかのコードを考えてみると、構成音が分かっていれば、その関係も理解できる。Cと同じトニックはAmラドミとEmミソシであるが、ラドミソシとしてしまえばAm、C、Emが含まれていることになる。常に構成音を意識しておくと何かと便利だという話。
後は、ひたすらコード弾きの反復練習。随分安定してきたなぁ。