Audacityで多重録音できない Windows10

Windows10を導入したので、徐々にソフトウェア環境を整えているのだが、Audacityをインストールして、多重録音しようとしたら、躓いたという話。

状況

PCはWindows10で、ロースペックなマシン。Audacityは最新の2.2.2。オーディオインターフェイスはTASCAM UH-7000。この状態で、録音しようとすると、初めのトラックは問題なく録音できるのだが、新しいトラックに多重録音しようとすると録音できずに止まってしまうというもの。Audacityがフリーズしているわけでもなく、停止ボタンを押せば、次の作業はできる。

解決手段

試行錯誤したが、結果的にはWindows10のサウンド設定で解決した。

AudacityのDevices設定を以下のようにした。

また、QualityはUH-7000に合わせて24bitとし、サンプリング周波数は48000Hzとした。

次にWin10のサウンド設定。タスクバーのスピーカーアイコンを右クリックして再生デバイスを選択し、サウンド設定のウィンドウを開く。再生タブでUH-7000を既定のデバイスとした。

次にUH-7000を選択してプロパティボタンをクリック。詳細タブをクリックして以下のように24bit,48000Hzに設定し、Audacityの設定と合わせる。

次は録音タブをクリックして音声入力の設定をする。UH-7000を既定のデバイスとした。

同じようにライン入力のプロパティで、詳細タブを以下のように設定。

上記の設定で、AudacityとWin10のサウンド設定のマッチングができ、無事、多重録音ができるようになった。それにしてもWinXPまでは、こんな設定不要だったし、Win10でもほかのソフトでこんなことをする必要はなかった。はじめAudacityの不具合かと思ったし、TASCAM UH-7000のドライバ問題かとも思った。

別問題浮上

これで一件落着かと思ったら、レイテンシーの問題が出てきた。WinXPではレイテンシーは一定なので、AudacityのPreferences>Devices>Latency>Track shift after recordを設定すれば問題なかったが、Win10ではレイテンシーが録音毎に変化するので、この設定だけでは、数十ミリsecのズレが常に起きてしまう。 設定のHostをMMEからWindows DirectSoundにしても状況は同じ。 WASAPIは、多少はマシで、10msec以内にばらつくようだ。

どちらにしても困ったWin10。多重録音をまともにやる場合は、この問題は深刻。AudacityがASIO対応になってくれれば、解決しそうなのだが、現状のスタインバーグのライセンスでは盛り込めないらしい。MP3や、AACみたいにユーザーが後から、簡単に組み込めるようにしてもらえたらよいのだが。 現状ではコンパイルからすればASIO対応にできるみたいだが、環境を整えるだけでも苦労するのでやってられない。 WASAPI排他モードでいいから対応してもらいたいところ。

多重録音に関しては、とりあえずAudacity以外の手段を考える必要がある。とりあえずオーバースペックではあるが、無償になったSONARであるCakewalk by Bandlabを使うことにした。


AudaityをASIO対応にしてみた

その後、コンパイルしてASIO対応にしてみた。 記事はこちら。