デジカメ FUJIFILM FinePix40i

2004年現在では、デジタルカメラはあくまでもメモカメラとしての位置付け。そうなると自ずと携帯性が重視される。余計な機能はいらない。ズーム機能すらいらない。高解像度である必要もない。そこで購入したのがFUJIFILM FinePix40i。と言っても3年以上前の話。このデジカメ以前にも会社のものなども含めて10台ぐらいデジタルカメラは使ってきたが、どれも過渡期のものなので、いろいろ問題多しというところだ。

FinePix40iを3年以上ほぼ毎日使ってきて、いろいろ問題も出尽くした感じがするので、今後のデジタルカメラに期待を込めて所感を思いつき程度に書いてみたいと思う。


発売当時の特徴としてはMP3プレーヤーとしても使えるデジカメとうものだったが、余計な機能でどうでもよかった。むしろ、この機能があることで、他のカメラにしようと思っていたほどだ。シンプルな単機能の方が個人的には嬉しい。ちなみにMP3プレーヤーとしては一度も使ったことがない。

耐久性について
3年間で修理は3回。多いか少ないかはクエッションだ。壊れるポイントは決まってきたので、わざわざ修理に出して高い修理代を払うよりも、自分で直すことにしている。他のプロダクトと同じく可動部におけるトラブルが多い。とくにレンズカバーの開閉のトラブル。それ以外には一度ストロボ部分の透明カバーが破損したことがあるが、これはちょっと特殊。個人的にはレンズカバーなどいらないのだが・・・ 初代FinePixが出たばかりのころ、富士フイルムの開発の方と話をしたことがある。初代FinePixはレンズカバーがなかったのだが、ユーザからはレンズカバーが欲しいという要望が強いという。それ以降はレンズカバーがデフォルトになったと思う。3年以上毎日酷使という使い方で、レンズカバーがおかしくなったのは10回以上。何度も自ら修理したが、結局レンズカバーを外してしまった。レンズカバーの開閉を認識するためにスイッチがあるのだが、常にレンズを開いているように認識させてしまうことで、問題なく作動するようになり、トラブルもなくなった。他に耐久性の問題があるとしたら、カメラ/再生/動画を切り替えるためのダイヤル部分。これはデザインの問題だ。人差し指一本で操作するようになっているが、使っているうちにゴリゴリと筐体と擦れて気持ち悪い感触なってくる。こういうダイヤルはつまんで操作するが基本。とくに軸がしっかりしていない部品を使う場合は絶対だ。


使い勝手
富士フイルムのデジカメはこなれているという印象だ。撮影とそのモードの選択、ストロボのON/OFFなど割とスムーズに操作が行える。個人的にはストロボを使うというのは稀で、デフォルトはストロボOFFだ。しかし普通のカメラの場合はストロボONがデフォルトだったりする。この場合、毎回ストロボOFFの操作をする必要があってわずらわしい。FinePix40iの場合は、ストロボモードを記憶してくれるので、次回起動してもストロボOFFが維持される。これは評価したい部分。また撮影したファイルを通し番号で保存ができる点もよい。PCへ数回に分けて同じフォルダに転送してもファイル名が重なることがない。

購入当初から過酷な持ち運びが予想されたので専用ケースも買った。しかし専用ケースは、あまりの使い勝手の悪さに数回で出番はなくなる。以後本体を鞄に直接入れたり、服のポケットに入れたりして持ち運ぶ。


自ら分解して修理している様子。分解するときは、組み立てを間違えないようにデジカメで撮影しながら、作業を行っている。一度分解すると、なぜか愛着がわくもの。今までに5モデルぐらいバラバラにしてきた。構造も知らずに分解していくので、かなりリスキーな作業である。当然保証も得られない。自信がない人は絶対真似しないように。


スイッチのレイアウトは結構よいと思う。少ないボタンで複数の機能を操るのだが、なかなかよく出来ている。また基本的に片手で操作が可能となっている点もマル。耐久性があるタクトスイッチ(プチプチ押すボタンスイッチ)が基本なのもよい。ダイヤルだけは部品セレクトの問題もあるのだが、いただけない。操作系は全てタクトスイッチの方がよいと思う。電源のスライド式はマル。ボタン式だと不用意に押してしまうからだ。また評価したい部分として、シャッターレリーズが円形である点。これは押しやすい。というか、長いカメラの歴史で、これに落ち着いたのに、最近では薄型を実現するためにシャッターレリーズの形状が変なものも見かける。


バッテリーは汎用の単3形乾電池であり、専用電池でないところが素晴らしい。数年後でも手に入るという意味で安心して使える。ちなみにニッケル水素電池を常に6本用意してローテーションで使っている。電池の駆動時間は1年も使っていると目に見えて減ってくる。この3年間でトータル12本使ってきた。

ついでにメディアはスマートメディア。この手のメディアのデファクトスタンダード争いはどうなったのか・・・ あまり意味がなくなってきたようだ。だいぶ前のことだが、富士フイルムの人もその都度採用するメディアは決めていくと、かなり割り切った発言をしていた。


パソコンへのデータ送信。普段はUSBケーブルを使って行っている。USB1.0なので、転送速度は遅いが、転送は頻繁に行い、一度の送信容量も大きくはないので特にストレスは感じていない。むしろ問題なのは、専用USBケーブルであること。おそらく小型化するために規格もののコネクタの採用はやめたのだろう。ケーブルが破損したら、専用ケーブルを買いなおすことになる。売っていればの話だが・・・それもあやしい。手に入らなければ、メディアから直接落とすことになる。それもでいいのだが、環境によっては、ケーブルは便利なのだ。


画質
富士フイルムはその社名からしてカメラよりもフイルム。つまり画像処理のメーカーだ。デジカメにおいては箱、CCD、レンズ、画像処理まで、自社で開発できる力を持っている。フイルムの圧倒的なシェアから見ても画像処理技術は高く、他のデジタルカメラを製造しているメーカーよりも明らかにノウハウは蓄積されている。フイルムではベルビアというものが有名。発色が派手で本来の色よりも鮮やかに演出する傾向がある。デジカメでも同じように忠実な再現よりも、より鮮やかにという方向で処理されているようだ。とくに人の肌の色は、ややピンク色で鮮やかに再現される。好みもあるが、個人的にはメモデジカメに画質はそれほど求めていないので、極論を言ってしまえば何でもいいのだ。ひどくなければ。そうそうデジカメの画像をHP等で使うことが多いのだが、今のところ640×480ピクセルの解像度で充分。そこで以前SONYのデジカメを使っていたときは、この解像度で撮影して、撮影枚数を優先させていた。画質も良くはないが、悪くもなかった。しかしFinePix40iで640×480ピクセルで撮影するとSONYよりも悪いのだ。はっきり言って使いたくない画質になってしまう。結局もう一段解像度を上げて使用している。こうなるとSONYよりも画質も発色も良くなる。あと周辺光量は結構落ちる。


総評
他のデジカメもいろいろ使っているのだが、メモデジカメとしてはなかなか良いと思う。今後もデジカメを求めて購入していくだろうが、まだまだ過渡期のプロダクトという印象で、数年ごとに買い換えるというスタイルになりそうだ。


内蔵充電池劣化 110807
久しぶりに電源を入れようとしたら、電源が入らなくなった。どうやら内部がもうダメらしい。こういうときは内蔵充電池がまずあやしいので分解してみる。

カバーをはずしてみると、ボタン電池のようなものがバッテリーの間にある。これをまずチェックする。

電圧は1.2V出ていた。普通のアルカリボタン電池? どうも違うようだ。
型番は、MS621 3.3V リチウム2次電池  直径6.8mm 厚み2.1mm
このSIIの電池。普通には手に入りそうもない。


とりあえず、他から3Vを供給して駆動させてみた。正常ではないが、動き出した。どうも充電池は大きな原因のようだ。充電池の入手が困難なので、しばらく放置することにした。