ボールペン Bic Orange Midium 1.0mm
このボールペンは、ヨーロッパへ行くとホテルの部屋に無造作に置いてある普通のボールペンであり、大抵ホテルの名前なんかが印刷されている。あちらではかなりポピュラーなボールペン。日本では、大型文具店、ロフト、ハンズなどで取り扱っているが、実は100円ショップが一番安い。値段は2本で100円。一本当たり50円という安さ。場合によってはビックボーイストラップまで付いている。
このボールペンはフランス製。フランス=「おしゃれ」という印象があるが、実際にプロダクトも「おしゃれ」なものが多いように思う。
Bicのロゴとビックボーイというボールペンのボールをイメージしたキャラが刻印されている。そのとなりの墨入れされた部分にも同じマークがあり、普通ではありえないレイアウト。こういう部分が、もうひとつのフランス製らしさが出ている。つまりアバウト。
このボールペンを長年使っている理由はいくつかある。
鉛筆に近いフィーリング
鉛筆と同等の太さで、直径は約7.5mm。断面形状も鉛筆と同じ6角形。エッジも鉛筆に近く、持った感じがかなり近い。国産のボールペンは、太かったり、グリップ部分に滑り止めなど細工があるものが多くダメダメ。鉛筆好きとしては、鉛筆に近いフィーリングが重要な要素であり、近ければ近いほど自在に操れるようになる。また重量も大切な要素。鉛筆は新品の状態で6g前後と軽いのだが、このビックのオレンジも約6gで鉛筆と同じで軽い。こういう視点で見ると鉛筆を意識しまくったボールペンに思えてくる。軸の処理
特に気に入っている点は、軸と先のジョイント部分。軸がすぼまっているのだが、個人的にここがすごく重要で、どんな持ち方をしても、触れるのは軸だけで、ジョイント部に触れることはない。普通のボールペンは、ジョイント部がもっと上で、持ち方によっては指がジョイント部に触れてしまう。こうなると、違和感があってダメなのだ。鉛筆と比較すると、形状の処理が類似しているのがわかる。ボール径1.0mm
ペン先ボール径1.0mm。国産のボールペンはボール径が小さい(0.5~0.7mm)ものが主流で、小さい字、しかも漢字を書くには適している。ビックのオレンジは、1.0mmと太めであり、小さい字を書くには厳しいが、その代わりスラスラ書ける。実は個人的に文字を書く以上に絵を描くことを重視しているので、太目のボールペンの方が都合がよい。国産にも1.0mmはあり、ペン先の精度はビックよりも高く、高性能だが、軸が鉛筆とかけ離れているため、結局使っていない。カラー
色はネーミングそのままのオレンジ色。個人的にこの色が重要で、ゴチャゴチャの作業現場でペンを探しやすくしてくれる。黒っぽかったり、透明ぽい色では本当に探すのが大変なのだ。国産の透明でインク残量が確認できる面白さも捨てがたいが、実用面では目立つことの方が重要。軸のエンドはシンプルにキャップがあるだけ。Bicオレンジには他の色もあるが、軸部分はすべて共通の色で、エンドキャップとキャップで色を区別している。
キャップはポリプロピレン製で、国産の事務用ボールペンと同じようなもので着脱式。なくなることもしばしば。こういうやや複雑な形状になると、デザインされた時代が反映されはじめる。