シャープペン プラチナ万年筆 PRESS MAN 0.9

0.9mmの替芯を探していて、プレスマン専用替芯を入手。音がキュッキュ鳴らないのが気に入ったので、その専用芯を使うプレスマンもついでに入手。長年売られ続けているロングセラーは、実用的で好みだった。


プラチナ万年筆株式会社
http://www.platinum-pen.co.jp/
PRESS MAN 速記用0.9mm芯(2B) MPS-200
1978年発売 34年間売られ続けている
定価210円 発売当初から価格は同じ(すばらしい)
芯 0.9mm
材質 軸ABS
セ-フテイスライド機構 (芯への負荷をやわらげるサスペンション)
サイズ 全長148 最大径9mm
標準重量 8.2g クリップを取ると7g
消しゴム ケシゴム-100G


プレスマンは記者などが現場でガンガン使うために作られたシャープペン。0.9mm芯なので折れにくく、鉛筆のように書くことが出来る。また安価なので、消耗品として使い倒すプロダクトだろう。気取ることなく、実用一点張りのところが気に入った。0.9mmという時点で折れにくいのだが、セ-フテイスライド機構というものがあって、芯を強く押し付けると、ばねで引っ込むようになっている。これでさらに折れにくくなっている。

昔の安価なシャープペンという雰囲気は意図的に作られたものではなく、1978年から、そのまま今日まで生き残っているだけ。高級な普遍的なものが残っているのなら分かるが、この手の廉価で大量に作られ、流行に左右されやすいものが、姿も値段もそのままで、今も売られ続けているのは驚きである。


クリップは着脱可能


クリップは邪魔なので取り外してみた。「P」と書かれている。たぶんプラチナのPだろう。


クリップを取り外したところ
これで、どんな持ち方でも手にクリップが当たらず快適になった。本体重量も軽くなり、8.2gから7gになった。鉛筆は6gぐらいなので、さらに近づいた。


ロゴはシルク印刷。刻印ではないので、使っているとはがれてしまうだろう。メーカー名って入っていないのね。クリップにある「P」だけ。ちゃんと主張したほうがよいと思うのだが。JAPANはいいね。日本製がますます減っていくので、応援しなくちゃ。

グリップ
昔の安価なシャープペンらしい処理。個人的には溝入グリップはなくてもいいぐらい。


成型時のウエルドライン
黒の艶ありは、どうしてもウエルドは目立つ。はじめ傷かと思った。ウエルドは樹脂を型に流し込むときに出来る場合がある。流れが二手に分かれて合流した後にどうしてもできる。例えば穴など。目立たせたくない場合は、シボや塗装でごまかしたりする。


先端は金属なので剛性感はある。芯との密着度はかなりあって、遊びがまったく感じられない。芯を出し入れしていると芯が削れていく。これぐらいぴったりしていると、書いたときも一体感があって、芯ホルダー並み。はめあい公差は中間ばめというところか。先端のパイプの長さは3mmで製図用に比べれば短いが、通常のシャープペンとしては長め。


キャップはPP製でABS製軸との一体感に欠ける
素材的にも滑りやすく抜けやすい。テーパーの問題もある。設計がちょっと甘い印象。PPのさわり心地も違和感がある。とても頼りないノック部。


消しゴム これは個人的には使わない。


ばらしたところ。最小限のパーツで構成されている。


先端部の構造
コイルばねがセ-フテイスライド機構を実現している。意外とシンプルな構造だ。


チャックはオーソドックス。ちゃんと金属製。


エンドキャップにテープを巻いてクリアランスを少なくする

ノックがふにゃふにゃして気持ち悪かった。軸の内径とエンドキャップの径にクリアランスが多すぎる。これがフニャフニャの原因。また素材的にも、構造的もフニャフニャ感を強調してしまっているように思う。そこで、とりあえず、エンドキャップにテープを巻いて様子を見ることにした。巻き数で調整して、そこそこまで追い込む。時間があれば、ABSの丸棒を削りだしてもいいかもしれない。ここの設計はやり直したほうがよいと思えた。他が良いだけにもったいない。

遊びが最小限になった
見た目がイマイチだが、しばらくこれで使おうと思う。


替芯 プラチナ万年筆 プレスマン専用 替芯 0.9mm 2B
そもそもこれが欲しかったのだ。普通の替芯よりも長く100mmもある。何よりも音がキュッキュしないのが気に入った。最近のポリマー芯とは違うような気がする。ちゃんとした資料は見当たらないが、粘土芯かな? そのためか鉛筆に近い書き味となっている。ただ、2Bにしてはちょっと硬めという印象。ケースもいろいろ再利用できそうな形状なので好み。



少し使ってみた印象
見た目は古臭いシャープペンシルだが、このレトロ感が気にっている。塗装レスというのもよかった。またシボなしでつるっとした面もさらによい。とても基本に忠実だと思う。妙な装飾に走らないところがいい。
使い心地は意外とよい。鉛筆に近い方が好きなので、軸の丸いプレスマンはどうかな?と思っていたが、意外と違和感はなかった。むしろ軸径がグリップ部で8.5から9mmと細めで、これが使いやすかった。コクヨのJunior Pencilは9mmの6角で最大径は9.7mmぐらいある。この差は結構あって、プレスマンは細くて好み。6角が好きではあるが、丸でも使えないことはないという結論。ただクリップをはずしたこともあって転がりやすい。多少の傾斜でも転がって落ちるので、対策しようかな・・・
あとは鉛筆に近い軽さは特筆すべきこと。個人的にはものすごい大きなポイント。

早速紛失 2012/09/27

転がることが原因で、そのまま帰らぬシャープペンシルになってしまった・・・ その直後にリラックマテプラを購入。なくしても帰って来る対策を実施することにした。

2年以上経って戻ってくる 2014/11/19

最近になって、紛失したプレスマンがある会社で使われていたところを発見。取り返してきた(笑)。 クリップをつけていないと、やたらと転がり落ちるので、転がり防止のためにクリップを取り付けて使うことにした。筆記のときに邪魔にならないように、なるべく上に取り付けてみた。

久しぶりに使ってみたら、プレスマンは、やっぱりいいわ。鉛筆的な使い方が向いている。ペンの重量、軸の太さ、0.9芯、剛性などのバランスがよいのだろう。この数年外出用の0.9はコクヨのCampus Junior Pencil 0.9を使っていたが、剛性のなさと軸の太さがよろしくないことを改めて感じた。プレスマンと比較すると頼りなさすぎた。ただプレスマンのノック部分(キャップ)のぐらつきは駄目すぎ。要改造だわ。
最近の常用ペンシルは0.5ばかり使っていたのだが、スケッチなどは再び0.9も使ってみようかと思う。

芯が折れやすいことに気づく 2015/3/22

先端パイプが微妙に曲がっていた。2年間の紛失時に曲がったようだ。この曲がりがあることで、芯が真直ぐに出ないで、常時ストレスがかかっているような状態。筆圧や角度の加減次第で芯が中で折れてしまう。この手の修理は不可能なので、これまでか・・・ パイプが長いシャープペンは扱いに気をつけないと駄目だね。

当面0.9が必要なときはガタが出てきたコクヨのCampus Juniorを使用する。新たにプレスマンを買いなおすほどの魅力は感じないため。やはりノックのグラグラが気持ち悪いのが最大の理由。0.9の用途は鉛筆とかぶるので、芯がなくなり次第、鉛筆に戻ろうと思う。