オーディオインターフェイス
Focusrite Scarlett 2i2

オーディオインターフェイスを検討

この数年で各社から比較的安いマイク2inputのUSB2.0オーディオインターフェイスが出てきている。各社マイクプリアンプを売りにしていて、低ノイズで高音質が期待できる。またバスパワーで動くのでセッティングが簡単なのも魅力。機材の省スペース&シンプル化ということで検討することにした。

その中で候補は以下の Focusrite Scarlett 2i2、Roland DUO-CAPTURE EX UA-22、Steinberg(YAMAHA) UR22 の3機種。

Focusrite Scarlett 2i2 (11910円)

マイクプリで有名なFocusrite社。最小限の機能を提供しているオーディオインターフェイス。発売が2011年11月と3機種中で一番古く、不具合も修正されていると思われる。YouTube等でも結構使われていて、ユーザーレビューが豊富。音質の評価は高くマイクプリが魅力。

Roland DUO-CAPTURE EX UA-22 (16800円)

発売は2012年12月。3電源方式で電力不足の対策が施されているのが魅力だが、電源部はコストがかかる部分。そのためか他社よりも高価になっている。コンデンサーマイク2本使わなければバスパワーで問題ないだろうから、個人的にはオーバースペックだわ。iPadとかでも使える(使わないわ) 。MIDIもついている(使わないわ) 。この上位機種のQUAD-CAPTURE(23800円)はすごく売れているようだ。音質やノイズレベルが同等であれば、かなり期待できる基本性能を持っている。残念なのはOUTPUTボリュームつまみがひとつで、ヘッドフォンとラインアウトが共通な点。サンプリング周波数が48kHz、44.1kHzだけなのも他社に比べ見劣りするけど、宅録で96KHzなんて必要ないかも。

Steinberg(YAMAHA) UR22 (14350円)

3機種中最も新しく2013年2月に発売された機種。サンプリング周波数が192KHzまで対応しているのが売りみたい。個人的には、そこまでいらないわ。Rolandと同じくMIDIがついている。自社でMIDI機器を多く製造しているから省くわけにはいかなかったのかな。パネルのつまみ数は3機種中一番多く、配置を含めて、使い勝手がよく考えられている。全体としてはシンプルで質実剛健な印象。
(後日これの下位機種のUR12を中古で安く買ったが、マイクプリのノイズが多かった。UR22も同程度と予想されるので、買わなくて良かった。)

結局、機能的に一番シンプルで、自分の使い方に合っていると思えたので、Focusrite Scarlett 2i2 に決定。あとマイクプリへの期待もある。デジタル部はチップ化が進むと差がなくなるが、マイクプリのようなアナログ部は設計ノウハウが勝負。マイクプリで定評のあるFocusriteなので、イメージダウンにつながらないためにも、手は抜いていないと思われる。
Roland、YAMAHA は国内メーカーなので安心感はあるのだが、個人的に使わない機能が入っているのと、価格が Scarlett 2i2 よりも高かったので、購入には至らなかった。
Focusriteの価格は大きく変動していて購入後すぐに17000円まで上がってしまった。ドル高円安傾向なので、輸入品の底値時期は終わったのかな。

Focusrite Scarlett 2i2仕様

公式ページを元に下記のようにまとめたが、主に英語版を参考にした。日本語版は明らかな間違いがあったりして信用できない。また数値も違ったりしているので、マイナーチェンジで密かに変わっているのかもしれない。

2INPUT/2OUTPUT USB2.0 オーディオインターフェイス
価格:オープン(実売価格 11910円)
中国製
発売時期:2011年11月

Focusrite マイクプリ×2
PCM録音/再生(最大96kHz/24bit/2ch)
ASIO(Steinberg)、Core Audio(Apple)対応
アナログ入力ダイレクトモニター機能

アナログ-デジタル変換
A/Dダイナミックレンジ:
  105dB A-weighted (全入力)
  Converter chipset A-D dynamic range 114dB
D/Aダイナミックレンジ:
  104dB A-weighted (全出力)
  Converter chipset D-A dynamic range 114dB
サンプリングレート:44.1KHz, 48KHz, 88.2KHz, 96KHz
クロック・ソース:Internal clock only(2i2内臓クロックのみ利用)

アナログ入力
アナログ入力:Neutrik コンボジャック(XLR & TRS) x2
  マイク(XLR)、ライン(TRS)、楽器入力(TS)
  マイク/ライン切替 自動。XLR接続の場合はマイクとして認識し、
  TRSフォンおよびTSフォンの場合はラインもしくは楽器として認識
ライン/楽器切替:フロントパネルスイッチ操作によって切替
ファンタム電源:+48Vスイッチ(入力1と2連動)
ゲインコントロール:入力1と2独立
インプットメーター:
  リング LED緑色 -24dBFS 検知時
  リング LED赤色 0dBFS オーバーロード時(1秒間ホールド)

マイク入力
周波数特性:20~20kHz ±0.1dB
高周波歪み率THD+N:0.002% (minimum gain, -1dBFS input with 20Hz-20kHz filter)
ノイズレベルEIN(Equivalent Input Noise 入力換算ノイズ):-120dB: measured at maximum gain with 150Ω termination (20Hz-20kHz filter)
ゲイン レンジ:-4dB to +46dB
最大入力レベル:+4dBu
入力インピーダンス:2kΩ

ライン入力
周波数特性:20Hz~20kHz ±0.1dB
高周波歪み率THD+N:0.002% (measured at minimum gain with -1dBFS input and 20Hz-20kHz bandpass filter)
ノイズレベル:-90dBu (22 Hz/22KHz bandpass filter)
S/N比:100dB
入力インピーダンス:10kΩ
ゲイン レンジ: -21dB to +29dB
最大入力レベル:+20dBu

インストルメント入力
周波数特性:20Hz~20kHz ±0.1dB
高周波歪み率THD+N:0.005% (measured at minimum gain with -1dBFS signal and 20Hz-20kHz bandpass filter)
ノイズレベル:-87dBu (22Hz/22kHz bandpass filter)
ゲイン レンジ: -4dB to +46dB
最大入力レベル:+4dBu


アナログ出力
アナログ出力:TRSジャック x2(アンバランス出力対応)
最大出力レベル:10dBu バランス
周波数特性:20Hz ~ 20kHz ±0.2dB
高周波歪み率THD+N:-100dB (measured with -1dBFS input 20Hz-20kHz filter, un-weighted)
150Ω時 出力:15mW
50Ω時 出力:30mW
出力インピーダンス:10Ω(? 普通50~100Ωだと思う)

ヘッドフォン端子:TRSジャック x1
出力インピーダンス:10Ω以下(? もしヘッドフォンのことなら SONY MDR-CD900ST(63Ω)を駆動するには適当)

その他の端子
USB2.0 タイプBコネクタ x1

サイズ重量
サイズ:175mm x 45mm x 100mm
重量:532g(実測)

動作条件
Macintosh
・OS: Mac OS X 10.6.5 以降 (Snow Leopard)
・CPU:1.5 GHz以上 (Intel/Dual 1.5 GHz以上推奨)
Windows
・OS: Windows 7 (64/32bit) 、Windows XP SP3(32bitのみ)
   ※Vistaは非対応
・CPU: Pentium or AMD, 1.5 GHz以上 (Dual 1.5 GHz推奨)
共通
・RAM: 1GB
・USB 2.0ポート
・DVDドライブ
・画面解像度:最低1024 x 768 / 1280 x 1024 推奨

付属ソフトウェア(付属DVD内)
Focusrite USB 2.0 Driver
Scarlett plug-in suite (Compressor, Reverb, Gate, EQ) VST/AU/RTAS
Ableton Live Lite 8 (DAW)


パッケージ

小さい箱(235x160x95mm)に入っている。

裏面にはスペックが書かれている。本体の他にプラグインエフェクトやDAWが付属している。



梱包内容

箱を開けてみる。発泡スチロールではなく、紙の緩衝材でちょっとエコっぽい。

中身は本体、DVDと簡単なガイド、USBケーブルと最小限の内容。説明書などはDVDの中にPDFファイルで入っている。日本語版はホームページでユーザー登録を行ってからダウンロードして入手。

DVDおよびGuide

付属USBケーブル

付属USBケーブルの長さは1mだった。しなやかさはAmazonベーシックUSBケーブルに比べて固く細い。結局長さが若干足りなくて、Amazonベーシックのケーブル1.8mを使うことにした。Amazonケーブルでも問題なく動作している。

本体概観

外側の赤い部分はアルミ押出し成形で、側面や底面にもつなぎ目はなく、ひとつのパーツ。アップルのiPodの影響だろうか、見た目重視のデザイン設計。表面はアルミヘアラインに赤いアルマイト処理で、ややザラザラした質感。アルミサッシやiPodとは違って、渋い感じにはなっている。

天面はFocusriteのロゴだけ。シンプルでかっこいいわ。

底面はゴム足と銘板。銘板にはシリアル番号が書かれている。この番号でユーザー登録するので、モザイク入れてます。

正面のパネル面はプラスチック製。外周が盛り上がっていて、製造面では何かと無駄な苦労が多そう。どうもデザイナーのエゴが強い筐体で、組み立てにくく、組み立てトラブルも多そうだわ。耐久性も当然難がある。

INPUTはノイトリックのコンビネーション入力端子で安心感がある。GAINのつまみはプラスチック製でラバー塗装がされている。個人的に塗装は歓迎できない。とくにこういう部分は使っていくとボロボロ剥げてくるぞ。つまみのトルクは適度で、軽すぎず、軸もしっかりしているので操作は、それほど問題ない。

モニター出力およびヘッドフォン出力つまみはプラスチックに塗装か、めっき処理。これも剥げてくるなぁ。デザインに凝るのは悪くはないが、耐久性も考えてくれよ。プラスチックにギザギザつけただけの塗装レスで十分。

裏面のパネルもプラスチック製で難あり。ネジはここにしかない。ネジを見せたくなかったのね。ネジ穴はすでにバカになっていた。この構造はちょっとトルクをかけるともう駄目になる。

OUTPUT 基本的にはTRSフォンでバランス接続だが、TSフォン、アンバランスでも接続できるとある。6角ナットはなんとプラ製。ありえない。いろいろ不安のある設計だわ。

USB B端子およびKensingtonセキュリティースロット

全体的に外観は感心できない。まず実用性を優先して設計をしてもらいたい。見た目重視で設計されると、使い勝手が落ちてしまう。

チップ

内部を見てみると、心臓部のUSBコントローラはXMOS社のXS1-L1というもので、型番をデータシートに照らし合わせると XS1-L01A-TQ128-C5 のようだ。500MIPS(1秒間に500万回)と高速動作する。USBオーディオクラス2.0用で有名なチップ。従来ハードで開発していたことを、このチップを使うことでソフト処理できるので、ハードよりも安価で柔軟な開発ができる。チップは高価な部類であるが、それほど販売数が見込めないオーディオインターフェイスでは、専用チップを作ることもできず、こういうチップを利用する場合が多い。
調べてみて思ったのだが、
GT1244L1 C5
という型番がやや不思議。Manufacturing Date Code が
USMMYYL1 QS(Qualification/Speed)
という形式で印刷されてるのだが、始めの2桁は生産国だろうか? USは普通ならUSA生産ということだろう。他にSKと書かれたSlovakia生産もあるようだ。でも実際に印刷されているGTは国名コードから推測するとGuatemala生産? 謎だ。XMOS社はイギリスだが、自社で製造はしていないので、生産国はバラバラなのだろう。MMYYはデータシートによると製造した月/年ということらしいが、どうも違うね。始めの2桁は年だと思われる。この場合は2012年製造だろう。次の2桁は週の可能性が高い。44週目ということだろう。普通に考えると11月ということになる。L1は固定のようだ。 C5はQualification/Speed。CはCommercial 0度 to +70度とあり、5は500MIPSで動作することを示す。これだけ分かれば、チップの仕様も特定できる。 2行目はLot Codeなので気にすることも無い。

もうひとつ重要なチップであるDAC/ADCは、Cirrus Logic社のCS4272-CZZを使用していた。メーカーによると「最大192kHzまでのサンプル・レートで、24ビットまでのシリアル値でステレオ・アナログ/デジタル及びデジタル/アナログの変換を行う。」とある。

これらのチップ開発が進むたびに、安価で高性能なインターフェイスが各社から出てくる。

ソフトウェアのセッティング

ドライバは必須。他には、おまけのプラグインとDAWがある。とりあえず全てインストールしてみた。何かと英語での対応になるので、慣れない人には敷居が高いかも。ちなみに以下は来年サポートが切れるWindowXP環境で作業を行っている。

USB2.0ドライバの入手

Focusrite社の本国ホームページからドライバをダウンロード。
http://global.focusrite.com/
現在のバージョンは以下のもので、DVDに入っていたものは古かった。ちなみにドライバは誰でもダウンロードおよびインストール可能。
Focusrite USB 2.0 Driver Win 2.5.1 (09/04/2014)
Focusrite USB 2.0 Driver Win 2.4 (21/03/2013)
セットアップを実行してインストール。その後再起動して本体をUSBで接続するという流れ。個人的にはAudacityで使うのだが、ドライバの設定がすごく少なくて、あららという感じ。

そもそもASIO対応が前提なのかもしれない。Audacityは通常版はASIO非対応なので、MME経由でScarlett 2i2に接続することになる。チャンネルもサンプリング周波数も設定することはできなくて、Audacity側の設定だけを頼りに使っている。96KHzに設定すれば96KHzになると思うのだが、本当にそうなのか聴いたぐらいでは分からない。

下はAudacityのPreferences画面



MMEで96kHzの録音を確認

簡単な方法で試してみた。まず、AudacityのQuality設定を96000Hz, 24-bitにする。そしてDeviceをScarlett 2i2 USBにする。そしてGenerateのChirp Generatorで10KHzから48KHzまでのチャープ信号を作る。2i2本体はラインアウトからラインインをつないでループさせる。そして、再生しつつ録音を行う。これでサンプリング周波数96kHzで送受信されていれば、チャープ信号は最後まで録音されるはずだ。ただ録音サンプリング周波数96KHzにおいてはPlaybackをScarlett 2i2 USBに設定すると録音できなかったので、他の方法で試した。その結果は以下のようになった。

問題なく48kHz付近まで録音されている。またサンプリング周波数48kHzも試してみたが、ちゃんと24kHzまで録音され、後は無音になった。とりあえずAudacityの設定通りに動作していると思われる。

下はオリジナルのサンプリング周波数96KHzチャープ信号

サンプリング周波数96KHzで録音。ナイキスト周波数に近づくとレベルが落ちていくが、まぁこんなもんだろう。

サンプリング周波数48KHzで録音


ドライバをFocusrite USB 2.0 Driver Win 2.4へアップデート 150503
気のせいだろうか? 音が少しよくなった気がした。あとはインターフェイスの認識率が上がった。以前はUSBケーブルの挿すタイミングによっては、認識しなかったときもあった。そういう不具合が解消されたのかな? 設定は相変わらずバッファだけの簡素なもの。

日本語マニュアル

付属DVDに英語マニュアルがあるので、それで十分なのだが、公式ホームページでのユーザー登録ついでに、日本語マニュアルも入手してみる。ユーザー登録は本体裏のシリアルナンバーを使う。すぐに登録完了メールが来る。その後日本語マニュアルのダウンロード手順が書かれたメールが送られてくる。マニュアルは14ページのあっさりしたもの。英語マニュアルとほとんど同じだけど、用語解説がプラスされていたりする。


Scarlett plug-in suite のインストール

付属DVDのプラグインは99ドルで売られているもので、Compressor、Reverb、Gate、EQとなる。形式はVST, AU(MacOSX), RTAS(ProTools)版がそれぞれある。個人的には、はじめての有料プラグイン。このプラグインはデモ版も商品版も同じでFocusrite社のホームページからもダウンロードできる。セットアップを実行すれば、インストールは完了する。手続きはプラグインを起動してから行う。デモなら何も手続きしなくても使える。

Compressor

Reverb

Gate

EQ

手続きに必要なのはDVDケース裏に貼られているコード番号。起動したプラグイン上でコードを打ち込んでOKを押すとブラウザが起動して英語で手続きを行う。必要事項を入力するとライセンスファイルがすぐにダウンロードされる。同時にメールが送られてくる。そこに手順が書かれている。VSTから直接ライセンスファイルを指定すれば完了。

さて、気になる有料プラグインの実力なのだが、まだちゃんと評価できていない。Reverbは今まで気に入ったものがなくて、自作も考えているぐらいなので、気になるところ。少しいじってみた感じでは、処理も軽く、音の印象もやわらかめで悪くはないが、金属的な響きはやっぱりあるなぁ。

Ableton Live Lite 8 (ドイツ)のインストール

おまけのDAW(Digital Audio Workstation)。Ableton Liveの機能限定版。これも使用するにはシリアル番号を使ってネット経由の手続きが必要。シリアル番号はDVDが入っているケース内のカードに書かれている。DVDに入っているLiveのバージョンは8.2.4で最新版ではなかった。オフィシャルから最新のLive Lite 8.4.1を入手してから手続きをしたほうがよい。容量が大きいので、ダウンロードもインストールもそれなりに時間がかかる。

インストール後起動してみると日本語対応になっていた。またASIO対応ソフトなので、Scarlett 2i2の設定も普通にできた。でも個人的にはAudacityで十分なので、このDAWは使わないと思う。ドライバの確認のためにインストールしただけなので、すぐ削除するつもり。使わないのに1GBもHDDを占領されるのはよろしくないので。



Focusrite Scarlett 2i2 の使用感

用途はSM57, 58を使った録音と、PC内の音楽再生になりそう。

USBバスパワーでセッティングが楽チン

目的のひとつでもあったのだが、セッティングが楽でよい。また小電力ということもあって筐体は熱くならない。とくに夏場はありがたい。バスパワーって何かと貧弱という印象はあるけど、ダイナミックマイクを使っている範囲では問題はなさそう。

PCから再生してみる

モニタースピーカーFostex PM0.4に接続して鳴らしてみる。耳あたりがよく、ボリュームを上げても痛くないという印象だが、特別音が良いとも思えない。ややソフトよりな音。

ヘッドフォン出力

PCの音声ファイルを再生してみると、まぁまぁ心地よい音で聴くことが出来た。モニタースピーカーと同じで全体としてソフトで痛い音がないという印象だけど、ボケているわけではなくクリアな感じ。ただダイレクト・モニターの音が小さい。でも感度の悪いSM57で小さい音を入力した場合なので、気にするほどではないが、バスパワーの貧弱さが出ているのかも。

DIRECT MONITOR スイッチ

これをONにするとアナログ入力された音をそのままヘッドフォンに返す。ミキサー的には当たり前という感じなのだが、DTM的にはPC経由でモニターに返す方が普通のようだ。そうなるとレイテンシーとの戦いだわな。個人的にはモニターもしないシンプルな使い方なので、あまり関係ないという感じ。またONにするとPCから入力した音は音量が下がる。
ヘッドフォンには1chも2chもセンター定位(モノラル)で返ってくる。つまり1chと2chをセットにしてステレオ扱いでモニターすることはできない。また1chと2chの音量バランスはGAINで決まってしまう。
PC側は設定にもよるけど、MMEの場合はステレオしか対応できないので1chはLで、2chはRとなる。ASIO対応ソフトだと選択可能。

アウトプットとヘッドフォンのボリュームつまみが独立

スピーカーとヘッドフォンの音量調整を別々に出来るよさがある。モニターのつまみは大きく微調整しやすくなっている。プラ製なので貧弱だが、軸はブレがないので不安定さはない。

ポップノイズ

USBケーブルをPCに挿しっぱなしにすると、起動時にヘッドフォンから何度もポップノイズが出るので、ヘッドフォンをはずすか、PC起動後に挿したほうがよさそう。またPC起動後に挿してもポップ音は出る。抜くときも同じく出る。ということで抜いたほうがヘッドフォンにとってはやさしいけど、それほど気にすることもないかも。

INPUT

XLRでつなげるとマイクと認識される。コンデンサーマイクを使う場合はファンタム電源の48Vをオンにする。1ch, 2chの両方に適用される。 フォンでつなげる場合はLINEとINST(エレキギターなど)を選択する。ラインでバランス接続をしたい場合はTRSフォンを使う。

GAINコントロール

GAINつまみの周りがLEDで光るようになっている。-24dBFS以上で緑に点灯し、一瞬でも0dBFSになると赤く1秒点灯する。見た目的には洒落ているのだが、音が入力されているかどうかの確認にしか使えない。入力レベル調整はAudacityで行っているので問題はないが。

LINE OUTPUTS

TRSバランス出力はにモニタースピーカーFostex PM0.4につなげるために使用。
Fostex PM0.4はTRSバランス接続可能。後継機種のPM0.4nにはTRS端子がなくなってしまった。



マイク録音 ノイズと音質は?


サンプル音源はギターのコード弾き。SM57でモノラル録音。加工なしでドライのまま。第一印象はクリア。低ノイズで、高域の分解能が高く、ギターの細かなニュアンスがそれなりに再現されていると思えた。おそらくFocusrite社のカラーなのだろう。趣味で使う分には不満は無い。

全体の印象

低ノイズでクリアなマイクプリアンプが一番評価できる点。出力音に関しては、痛くないソフトな音色という印象で、モニターとして使うには、やや役不足かもしれない。 ドライバはASIOしか念頭に無いような作りで、MMEで使う場合は、ちょっと扱いにくいが大きな問題はない。 現在Thinkpad X61と接続して使っているが、音が途切れたりするトラブルも無く、とても安定している。 この価格で、この性能であれば十分満足。

GNU/Linux Ubuntu,Lubuntuで動作確認

ALSAで2i2を自動認識した。動作もとくに問題はなく、正常に録音再生が可能。ただAudacityで利用する場合、録音再生のたびに接続をするのでプチプチと音が出る。


Steinberg UR12と比較してみた 150502

実家の母用に中古でSteinberg UR12を買ってみた。 再生音はScarlett 2i2よりも音の輪郭がはっきりしていて好みだった。改めて2i2はやわらかい感じの音だということが判明し、ややがっかり。

次にマイクプリアンプの性能が気になったので試してみた。 下の録音はUbuntu上でScarlett 2i2とUR12を比較したサンプル。つまりYAMAHAのドライバを使用していないので、本来の性能は発揮していない可能性がある。それでも Scarlett 2i2 と同じ条件なので比較してみた。 マイク入力レベルを最大にして、低感度のSM57でギターを録音。しかもギターとマイクの距離は60cmぐらい離れている。その状態では、UR12は音が小さすぎるので、Audacityで録音後に音量を上げて2i2と同じレベルにしている。はじめに2i2の音で、次にUR12という順になっている。

UR12はノイズがひどく、録音条件が悪いと使い物にならないと思う。逆に言うと2i2が非常に低ノイズ。1万円台のインターフェイスのマイクプリとしては、やはり優秀かも。

UR12のレビューはこちらのページに書いてみた。


3年使って、TASCAM UH-7000へ乗換え 160918

割と気に入っていた2i2だったけど、もう少しグレードが上のTASCAM UH-7000へ乗換えた。