Lubuntu に Vim7.4 をソースからインストール
コピペの問題 -clipboard
vi(ヴィーアイ)は昔からあるテキストエディタで、大抵どのunix,linuxにもはじめからインストールされている。現在はviから派生したvim(ヴィム)を使うことが多いと思う。Lubuntuに標準で入っているviはvim-tinyというもので最小限の構成。これでは不自由なのでバージョンアップしてvim7.3.429にした。ただ困ったことにvimからテキストをコピーしてクリップボード経由で他のアプリケーションにペーストができない。$ vim --version |grep clipboardというコマンドで調べると-clipboard となっていて、これが原因らしい。+clipboard になれば癖はあるもののコピペができるようだ。これを解決するにはソースからビルドしてインストールするしかないようだ。ちなみに他のアプリからコピーしたテキストをvimにペーストする場合はINSERTモードで Ctrl+Shift+v もしくは Shift+Insert でできる。
vim 7.4インストール作業
インストール手順は以下を参考にした。http://vim-jp.org/docs/build_linux.html
まずビルドするために必要なパッケージ等をインストールしておく必要がある。以下のコマンドはすべてのパッケージなので無駄が多そう。本当は必要なものだけチョイスしてインストールすればよいのだが、あれこれ試行錯誤する手間が惜しいのでこのまま実行。インストールには約10分かかった。
$ sudo apt-get build-dep vim |
vimのソースをダウンロード。保存先はカレントディレクトリ/vim。約5分間。
$ hg clone https://vim.googlecode.com/hg/ vim |
ここからの作業は~/vim/src内で行う。srcはSource codeの略。まずインストールする内容をオプションで設定する。下記がCUI版vimのインストールで+clipboardにするための設定。(実際は改行しない)約3分
$ ./configure --with-x --with-gnome --enable-xim --with-features=big --enable-multibyte --enable-fail-if-missing |
ビルド 約7分
$ make |
インストール 約10秒 保存先は特に指定していないので、/usr/local/share/vim/ に各種ファイルが収納され、/usr/local/bin/vimが実行ファイルとなる。サイズは2.1MB。
$ sudo make install |
最後に確認してみる。
$ vim --version |grep clipboard |
下のように表示されればインストールは成功。
+clipboard +iconv +path_extra +toolbar +eval +mouse_dec +startuptime +xterm_clipboard |
$ vim -v でバージョン確認。
最後に~/.vimrcファイルに下記内容を書き込む。
set clipboard=unnamedplus |
これでヤンクしたデータはクリップボードに送られる。具体的な方法は、visualモードで範囲指定してyを押すなどしてコピーし、他アプリでペーストする。
Lubuntuで使うエディタについて
vimにはCUI版とGUI版があるが、個人的にターミナル上で作業をしたいのでCUI版をインストールした。使用マシンがしょぼいのでメモリを節約したいということと、キビキビした動作が期待できるから。試しにGUIもインストールしてみたが、20MBぐらいメモリを食っていた。動作もやや重く感じる。CUIは3MBしかメモリを食わず比較的省エネ。ちなみにubuntuの標準エディタである gedit は30MB以上メモリを食う。高速なマシンではサクサク動いて気に入っていたのだが、遅いマシンでLubuntu上だと、画面がおかしくなったりするので使えそうもない。エディタにしては重すぎるという結論。Windowsで使っていた Emacs(Meadow) も重量級なので、遅マシンには辛い。ということでサクサク動くCUI版vimが適任。
ubuntuには、もうひとつ標準でnanoというターミナルで使うエディタがインストールされている。vimよりもさらにメモリ食わずで、操作もvimほど癖がない。ただ機能はvimには遠く及ばないし、どのマシンにも入っているとは限らないのが弱みかな。さらに最小のエディタとも言える ed も面白い。これもLubuntuにはじめから入っていた。どうもUNIX,Linuxにはすべて入っているようだ。非常用エディタという位置づけだろうか。edはラインエディタなので、文書作成には向かないが、ちょっとした設定ファイルなどの修正なら、頭の体操として使ってみてもいいかもしれない。