ハクキンカイロ(白金懐炉) PEACOOK

はじめに

ハクキンカイロ(白金懐炉)は1923年(大正12年)発売の古いカイロ。今年で90年目となる超ロングセラー。最近は使い捨てカイロが主流だが、昔はこれが主流だったとか。個人的には子供のころから使い捨てカイロだったので、ハクキンカイロは逆に新しく感じてしまう。かなり強力な発熱をし、エコっぽいので買ってみた。

ハクキンカイロ
http://www.hakukin.co.jp/
定価3150円(実売価格2480円)で、燃料となる専用ベンジンが定価710円だった。

なんともレトロなパッケージ。昨年取ったGマークが不釣合いなぐらい。

箱裏

内容

カイロ本体、注油カップ、袋、説明書。

本体

おそらく真鍮製でクロムめっき処理。サイズは68×101×15mm。

フタには空気孔があり、酸素を取り入れ、炭酸ガスと水を出す。空気孔のデザインは孔雀。

本体は、タンク、フタ、火口のパーツで構成。



タンクの口。内綿が見える。


火口

写真は未使用状態。繊維状のものがカイロ心臓部のプラチナ触媒。ガラス繊維にプラチナ粒子を担持させている。火口は消耗品でプラチナ触媒が劣化したら、交換する必要がある。通常の使用で2、3年のようだ。実売価格は651円。

火口 クローズアップ

火口 裏

使用中はプラチナ触媒が赤くなっているのが確認できる。ただ明るいところでは確認は難しい。


ベンジン

500ml入りで定価710円。プラスチック製の容器。ハクキンカイロは25mlで24時間発熱するので、単純計算で480時間。丸々20日間発熱することができる。仮に1日6時間使うとしたら、80日使えるので一冬は持ちそうだ。

この容器の注意点としては、注ぐときに蓋を半開けするのだが、止まる位置まで回さないとベンジンが余計なところから漏れ出してしまう。

発熱

発熱温度は外気によって違うものの70度程度と高く、それがベンジンがなくなる直前まで維持する。外気温が高いと発熱温度は高くなるようだ。ハクキンカイロは触れている部分が温かいというレベルではなく、服の中に入れておくと、服の中全体が暖かくなるぐらい。袋に入れずに触ると低温やけどする。感覚としては熱いコーヒーをカップに入れて、そのカップに触れているようなもの。使い捨てカイロに比べかなり強力な発熱。

におい

使用中は結構気になるかもしれない。臭いを多少でも少なくする工夫をした方がいいかもしれない。

ベンジンの量について

付属の注油カップには目印があり、一番上の線まで入れると12.5mlで外気0度のとき12時間。半分の線のところでは約6mlで6時間。カイロ本体に入る最大量はカップ2杯分25mlで24時間。実際にその時間以上発熱している。説明書によると、外気温が高いと持続時間が短くなるとある。

注油カップを90度ひねると、本体にベンジンが入っていく仕組み。使い勝手が結構よい。


点火方法

ライターを使っているが、炎を3~5秒近づけるだけで反応が始まる。慣れれば簡単なのだが、反応が始まったかどうかの判断がやや難しかった。暗いところでは赤く見えるのだが、始めはそれほど赤くならずに、点いたのかどうか微妙だったりするので、触媒から水蒸気が出ているかで判断するほうが確実。

マッチが最適だわ

ライターだと火が大きすぎてハクキンカイロの火口のサイズには合っていない。マッチだと火口との距離を最適に保てるので、確実に着火できるようになった。下は北海道に行ったときにラーメン店で貰ってきたもの。


消す方法

普通は使用する時間に応じてベンジンの量を調整するのがよいと思う。ただ使用中でも火口をはずせば、反応しなくなるので、発熱をやめることはできる。火口は100度近いので、ちょっと触っただけでもやけどするので、フタを使って取外せばよいと思う。

ハクキンカイロは高温になるので裸だと危険。今のところ付属の袋に入れて使用している。早速紐がボロボロしてきたので、交換しようかな。