mechanical pencil シャープペンシル
ぺんてる KERRY ケリー P1035

ポケットに入れて持ち歩くような場合は、先端のチップが出入りするシャープペンを使うのが普通なのかもしれないが、あの手のシャープペンの多くはガタがあったり、剛性がないものが多く、どうも好きになれないし、大抵ポケットには長すぎる。現状ではぺんてるのビクーニャシャープを使っているのだが、あれは先端のパイプが出っ放しで、服に刺さるし、適当なところに入れると、先端へのダメージもあるので、なかなか難しかった。

そこでペン先を保護できるキャップ付きを探してみたが、ほとんど選択肢はなく、メジャーなケリーを買ってみた。やや高級感のある外観が趣味ではないのだが、ロングセラーで、ぺんてる日本製の安心感もあったので。

万年CIL(ケリー)黒 P1035-AD 仕様

定価 1500円(税別)
サイズ:15×12×125mm
重さ:22g (実測21.5g 本体15.25g キャップ6.25g)
材質:
軸:PC
ノック:ステンレス
クリップ:鉄
先金、ローレット:真鍮
キャップ:アルミ



キャップ式の利点

最大の特徴であるキャップ式。利点としては、携帯時にペン先を傷めないこと。またポケットなどに入れても、ペン先で服を刺してしまうこともない。

他に良い点としては、芯を引っ込める必要がないということ。普通のシャープペンでは携帯時は芯を引っ込めておくと思うが、ケリーはその必要性がない。書き始めの儀式としてはキャップを外すぐらい。芯を出す作業って割と繊細で、書くたびにやる作業としては、あまり好ましくないと思う。キャップ式は意外と気楽に扱えていいかもしれない。

キャップのギミック

取外したキャップは本体おしりにくっつけられる。

するとキャップのノック部が少し飛び出して、ノックができるようになる。

キャップを本体おしりに装着するとノック部が飛び出す。

飛び出したノック部は、指で摘めるようになるので、摘んでノック部を外すと消しゴムがある。

キャップを本体おしりにつけない状態でもノックはできる。このノック部を外すと芯を入れることができる。

やや重複した機能で、ギミック的な要素ではあるのだが、よくまとまっているように思う。こういう部分が好きな人も多いと思う。 ただ本体が短めということもあって、キャップを付けて筆記するとクリップがやや邪魔になる。先端から78mmぐらいのところからクリップがある。グラフ1000は102mmのところにクリップがあるので気にならない。 そういうこともあって、場合によってはキャップを取外して使っていたりする。でも転がりやすくなるので、気をつける必要があるが。


短い本体

キャップをした状態では長さが124mmしかなくポケットに入れておくには都合がよいサイズ。

キャップは65mm。
本体は105mm。

本体おしりにキャップをはめた状態で131mm。

キャップなしでも筆記は可能。本体だけでもギリギリの長さは保たれている。重さは15.25gになり、多少は扱いやすくなる。かなり短くかわいい感じになってしまうが。

口金の先端形状

通常の直線的なテーパーではなく、ホーン形状のような先端が特徴的。装飾的な意味かと思っていたけど、実は結構機能的。先端ガイドパイプが2mmとそれほど長くはなく、軸も太めなので、通常だと視認性が悪くなってしまう。でもこのホーン形状のおかげで視認性は悪くはない。製図用に迫る視認性を確保している。また割と先端まで持てる形状になっているのは個人的に歓迎。

口金は真ちゅう製で、艶消しめっき処理されている。艶ありにしなかったのは、照明の反射が目に入らないための配慮だろう。本当は艶消し黒が一番邪魔しないのだが、ケリーはカラーバリエーションもあるので、各色共通の口金ということで、この色にしたのだろう。

口金の中にある保持チャックはきつめで、しっかり芯を固定している。グラフ1000と同等。多くのシャープペンはもっとゆるゆる。

ぺんてる精度

安心のぺんてるの精度を誇る。1回のノックで0.45mm出てくる。ペンの向きに関わらず安定している。これはグラフ1000と同じ。剛性も申し分なく、不安定な要素はない。本体を振ると若干カタカタ音はするが、キャップ周りのギミックがあるので仕方ないところ。気になるほどではない。


個人的には重い

本体が15.25gで、キャップが6.25g。セットにすると21.5gとなる。グラフ1000が11gなのに対して2倍以上なので、やはり重いと感じてしまう。理想的には10g前後であってほしかった。とくにポケットに入れることを想定すると、軽ければ軽いほどいい。

高級感のある外観

ケリーのコンセプトしては、万年筆を思わせる高級感のあるシャープペン。個人的にはそういう高級感は面白くないのだが、価格は高級という価格帯ではないので、逆にはったりぽくていいかもしれない。

黒い部分はポリカーボネイト。キャップをすることもあって、キャップとの擦れで細かな傷が付きやすい。めっき処理された部分は真鍮を始めとした金属。

中央のグリップのような金属部は、装飾的な意味合いが強いかな。この部分は一見太く見えるが、実測すると直径11mmだった。多くのグリップは11mm以上あるのが普通なので、比較するとケリーって実は細いペンだったというオチ。指で持つ部分は8~10mm程度なので、グラフ1000ともそれほど変わらないようだ。短いから相対的に太く見えていただけなのね。

キャップをカチッと、はめるために120度ごとに引っ掛けがある。この辺は価格なりの処理になっているが、精度はさすがぺんてる。気持ちよく適度な力でキャップの取り外しができる。


想定内の使い勝手

キャップ式&本体が短いケリーはポケットに入れておくには都合がよかった。 キャップをはずす手間は、座って書くようなシーンではほとんど問題にならない。屋外でガンガン使うにはキャップを落としたりする可能性もあるので不向きかもしれない。 まぁそういう場面ではノック式ボールペンを使うかな。 ケリーは多少使うシーンを選ぶが、携帯時にペン先を確実に保護できる安心感が、他のシャープペンにはない強みだろう。