オーディオインターフェイス
Steinberg(YAMAHA) UR12
自分用ではないが、中古で Steinberg(YAMAHA) UR12 を買ってみた。オーディオインターフェイスは Focusrite Scarlett 2i2 を所有しているので、その比較をしてみようと思う。
特にマイクプリアンプ周辺の違いが一番気になるところ。
中国製
発売日 2014年12月
動作環境
OS X 10.7.5 / 10.8 / 10.9 / 10.10
Windows 7 (SP1) / Windows 8 / Windows 8.1
iPad 2 以降、 iOS 6 以降
Class-A ディスクリートマイクプリアンプ「D-Pre」搭載
ループバック機能(ソフトウェア切替)
「Cubase AI」ダウンロード版付属
DIRECT MONITORスイッチ
量子化ビット数: 24bit
サンプリングレート: 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192kHz
接続端子:
MIC(XLRコネクタ)×1 +48Vファンタム電源
最大入力レベル +0 dBu
入力インピーダンス 4 kΩ
Gain範囲 +10~+54 dB
Hi-Z ×1 主にエレキギターなどのハイインピーダンス入力
最大入力レベル +8.5 dBu
入力インピーダンス 1 MΩ
Gain範囲 0~+40 dB
LINE OUTPUT(RCA) ×2
最大出力レベル +6 dBV
出力インピーダンス 600 Ω
PHONE ×1
最大出力レベル 6mW+6mW,40Ω
USB2.0端子×1
5pin microUSB端子 USB電源用5V
サイズ・質量:
159W × 46H × 144D mm ・ 850g
上記スペックには周波数特性とか、SN比などの記載がないのね。ヤマハは民生用になるほどスペックを伏せていく傾向にある。公表するほどのスペックは備えていないという意味なのだろう。豊富なラインナップと圧倒的な販売力を持つヤマハは、価格ごとに、しっかり差をつけるので、低価格な商品は要注意だ。
3つのつまみ形状は共通でローコストにしているが、表面にはギザギザもあり、適度な直径で扱いやすい。配置にも気を使っているのがわかる。こういう部分はヤマハはさすがだと思う。というか見た目ばかりを気にする他メーカーも、使い勝手を優先してもらいたい。
裏面は、RCAのライン出力とUSB端子。ファンタム電源のスイッチ、補助用電源とそのスイッチとなっている。パネルは金属製で安心感がある。
底面の4本のネジを外すと分解できる。構造的にも無理がなく素直な作りといえる。 おそらくネジを目立つところに配置したくないということで、こういう構造にしたのだろう。 何かとアップルを意識しなくてはいけない時代という気がする。
インプットはマイク(バランス)とギターやベースなどのハイインピーダンスのみ。かなり割り切った設計だ。
アウトプットのボリューム調整は1個のみで、ヘッドホンもライン出力も共通。上位機種のUR22が独立しているので、ローコスト化で犠牲になっている部分。
底面のネジを外すと、内部にアクセスできる。ひじょうに扱いやすい構造は歓迎。基板も眺めやすい。
マイコンはNXP社のチップ。DAC/ADCは Cirrus Logic社の CS4270-CZZ で Focusrite Scarlett 2i2 に搭載しているCS42702-CZZよりもワンランク下のチップ。SN比が若干悪い。
サンプルは、はじめに2i2の音で、次にUR12という順になっている。
Scarlett 2i2と比較するとUR12はプリアンプのノイズがすごいある。またゲインを最大に上げても2i2のように増幅出来なかった。 ヤマハ自慢のD-Pre自体は悪くはないと思うのだが、総合的な問題なので、結果的にノイズが多いと残念な印象になる。 試しにマイクを接続せずに、マイク入力のノブを3時以上にすると、やはりノイズがいきなり出てくる。感度の低いマイクは使わない方がよさそうだ。
マイク入力のインピーダンスが4kΩというのも気になる。ヤマハの業務用ミキサーは3kΩなので、自社と比較しても高く、まるでカラオケマイクを意識したような仕様だ。内部回路の設計にもよると思うが、マイクのインピーダンスに対して、5~10倍が適当のような気がする。SM58は150Ωなので、10倍なら1500Ω程度が適度ではないだろうか。 電圧伝送という意味では高ければ高いほどよいという話もあるが、高すぎるとノイズ面で不利になり、音色的には高域が強調され、低域はやせてくる。
ノイズの原因としてはバスパワーからの電力不足の可能性もある。UR12に安定した電源を供給したいところだが、手持ちの機材では無理なので保留。
残念ながらUR12を使って、低感度、ローインピーダンスのダイナミックマイクで、ギターアルペジオのような、小さい音を録音するのは現実的ではないという結論になってしまう。 まぁ今回は、歌用に使う予定だし、SM57よりは高感度なマイクなので問題はないだろうと思う。
Steinberg(YAMAHA) UR12 主な仕様
実売価格 10,800円 Amazon中国製
発売日 2014年12月
動作環境
OS X 10.7.5 / 10.8 / 10.9 / 10.10
Windows 7 (SP1) / Windows 8 / Windows 8.1
iPad 2 以降、 iOS 6 以降
Class-A ディスクリートマイクプリアンプ「D-Pre」搭載
ループバック機能(ソフトウェア切替)
「Cubase AI」ダウンロード版付属
DIRECT MONITORスイッチ
量子化ビット数: 24bit
サンプリングレート: 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192kHz
接続端子:
MIC(XLRコネクタ)×1 +48Vファンタム電源
最大入力レベル +0 dBu
入力インピーダンス 4 kΩ
Gain範囲 +10~+54 dB
Hi-Z ×1 主にエレキギターなどのハイインピーダンス入力
最大入力レベル +8.5 dBu
入力インピーダンス 1 MΩ
Gain範囲 0~+40 dB
LINE OUTPUT(RCA) ×2
最大出力レベル +6 dBV
出力インピーダンス 600 Ω
PHONE ×1
最大出力レベル 6mW+6mW,40Ω
USB2.0端子×1
5pin microUSB端子 USB電源用5V
サイズ・質量:
159W × 46H × 144D mm ・ 850g
上記スペックには周波数特性とか、SN比などの記載がないのね。ヤマハは民生用になるほどスペックを伏せていく傾向にある。公表するほどのスペックは備えていないという意味なのだろう。豊富なラインナップと圧倒的な販売力を持つヤマハは、価格ごとに、しっかり差をつけるので、低価格な商品は要注意だ。
外観
無難な外観。表面パネルはプラ製で、銀色部のカバーは、一見アルミに見えるが鉄製。そのため結構ずっしりしている。また電機的な面でも、コストの面でも鉄は有利だと思うので、鉄にするのは普通の決断だと思う。アップルを意識しすぎたアルミ製はうんざり。でも、このUR12の見た目はアップルを意識しまくりだけど。3つのつまみ形状は共通でローコストにしているが、表面にはギザギザもあり、適度な直径で扱いやすい。配置にも気を使っているのがわかる。こういう部分はヤマハはさすがだと思う。というか見た目ばかりを気にする他メーカーも、使い勝手を優先してもらいたい。
裏面は、RCAのライン出力とUSB端子。ファンタム電源のスイッチ、補助用電源とそのスイッチとなっている。パネルは金属製で安心感がある。
底面の4本のネジを外すと分解できる。構造的にも無理がなく素直な作りといえる。 おそらくネジを目立つところに配置したくないということで、こういう構造にしたのだろう。 何かとアップルを意識しなくてはいけない時代という気がする。
インプットはマイク(バランス)とギターやベースなどのハイインピーダンスのみ。かなり割り切った設計だ。
アウトプットのボリューム調整は1個のみで、ヘッドホンもライン出力も共通。上位機種のUR22が独立しているので、ローコスト化で犠牲になっている部分。
底面のネジを外すと、内部にアクセスできる。ひじょうに扱いやすい構造は歓迎。基板も眺めやすい。
マイコンはNXP社のチップ。DAC/ADCは Cirrus Logic社の CS4270-CZZ で Focusrite Scarlett 2i2 に搭載しているCS42702-CZZよりもワンランク下のチップ。SN比が若干悪い。
ドライバ
Windows XPでは動かなかった。Windows7以降でないとUR12を利用することはできないようだ。上位機種のUR22はXPでも動くのに・・・ LinuxのUbuntuではドライバーを入れなくてもUR12を認識し、すぐ使えた。再生音
第一印象はかなりよい。解像度が高く、各音がはっきりと聞き取れる。Scarlett 2i2よりも好み。マイクプリアンプ
気になるマイクプリの性能。下の録音はUbuntu上で Scarlett 2i2 と UR12 を比較したサンプル。つまりYAMAHAのドライバを使用していないので、本来の性能は発揮していない可能性がある。それでも Scarlett 2i2 と同じ条件なので比較してみた。 マイク入力レベルを最大にして、低感度の SHURE SM57 でギターを録音。しかもギターとマイクの距離は60cmぐらい離れている。その状態では、UR12は音が小さすぎるので、Audacityで録音後に音量を上げて2i2と同じレベルにしている。 UR12のゲインは2i2の +46dBよりも高く+54dBも上げられるのに、実際には2i2に及ばないのは、ちょっと解せない。 ひょっとしてUR12は壊れているのか? という気にさえなってくる。サンプルは、はじめに2i2の音で、次にUR12という順になっている。
Scarlett 2i2と比較するとUR12はプリアンプのノイズがすごいある。またゲインを最大に上げても2i2のように増幅出来なかった。 ヤマハ自慢のD-Pre自体は悪くはないと思うのだが、総合的な問題なので、結果的にノイズが多いと残念な印象になる。 試しにマイクを接続せずに、マイク入力のノブを3時以上にすると、やはりノイズがいきなり出てくる。感度の低いマイクは使わない方がよさそうだ。
マイク入力のインピーダンスが4kΩというのも気になる。ヤマハの業務用ミキサーは3kΩなので、自社と比較しても高く、まるでカラオケマイクを意識したような仕様だ。内部回路の設計にもよると思うが、マイクのインピーダンスに対して、5~10倍が適当のような気がする。SM58は150Ωなので、10倍なら1500Ω程度が適度ではないだろうか。 電圧伝送という意味では高ければ高いほどよいという話もあるが、高すぎるとノイズ面で不利になり、音色的には高域が強調され、低域はやせてくる。
ノイズの原因としてはバスパワーからの電力不足の可能性もある。UR12に安定した電源を供給したいところだが、手持ちの機材では無理なので保留。
残念ながらUR12を使って、低感度、ローインピーダンスのダイナミックマイクで、ギターアルペジオのような、小さい音を録音するのは現実的ではないという結論になってしまう。 まぁ今回は、歌用に使う予定だし、SM57よりは高感度なマイクなので問題はないだろうと思う。