マイクスタンド TAMA MS205

3年前に買ったTAMAのマイクスタンド MS205。結構しっかり作られていて、マイクをセッティングしても、使用中にアームが下がったりすることもなく使い勝手がよい。今回構造の勉強がてらバラしてみた。

TAMA Boom Stand MS205
http://www.tamadrum.co.jp/
定価9240円 実売4800円
高さ(Min-Max) : 960 - 1600mm
ブームの長さ : 830mm
重量 : 3.2kg
マイクホルダー取付部先端: 3/8”
付属品: 3/8”→ 5/8”変換アダプター
中国製

このスタンドはパーツごとに追加購入することもできるが、結構高めの価格設定。各パーツの名称は以下の通り。

1 MS205-1脚部(1pc) 1,575円
1-1 JBMS2脚棒取り付けブッシュ(ボルトナット付)525円
1-2 205-RF脚ゴム(1pc) 105円
2 BSMS2ベース部一式 1,890円
2-1 205-NB1ベース用ナイロンブッシュ 315円
2-2 IN8インサートナット(M8) 52円
2-3 205-TBベース用Tボルト(M8x14mm) 315円
3 MS205-2下段パイプ一式(グリップ部除く) 2,100円
4 205-PR1締付プラスティックリング(1pc) 315円
5 205-GPグリップ 840円
6 205-BBゴムクッション 210円
7 MS205-3上段パイプ一式(ティルター受部付) 2,625円
7-1 205-PRB振れ止めリング(下方) 210円
7-2 205-PRA抜け止めリング(上方) 210円
8 205-RWラバーワッシャー(1pr) 840円
9 205-BPブームプレート 630円
10 205-HDS締めハンドル一式 1,050円
11 205-BHブームホルダー一式 1,575円
11-1 205-NB2ブームホルダー用ナイロンブッシュ 315円
11-2 IN6インサートナット(M6) 52円
11-3 205-NNラウンドスクリュー 157円
12 MS205B-1ブームパイプのみ 2,100円
13 205-LNロックナット(3/8") 210円
14 AD58Eアダプター(3/8"→5/8") 420円


分解

上のパーツからバラす。

BHブームホルダー一式。このパーツが一番興味深いところ。

まずはブームパイプを抜いた状態。

反対側からみたところ

中心のプラ製ブームホルダーを左右から金属パーツで挟んで回転しない構造。写真では繊維状に見えるラバーワッシャーというパーツがポイント。

ブームホルダーが取り外された状態。こちら側のブームプレートはパイプに圧入されていて、取り外すことはできない。もう一方は取り外し可能。

BHブームホルダー本体はプラ製。ねじはM6

本体にはプラ製ブシュが入っていて、ブームパイプを固定する。

ブシュを取り外したブームホルダー。内径はプラ成形ということもありテーパーがある。遊びもまぁまぁあるのだが、ブームパイプのスライドをロックするためのものだから、この程度で十分。

ブシュ。やや貧弱な印象。実際ネジに負けている感じ。

謎素材のラバーワッシャー。これが優秀なので、マイクの重量に負けずに、ブーム角度を維持できる。

下記はちょっと新しいMS205のRWラバーワッシャー。繊維が露骨に出ている。

同じく新しいもの。プラ部と接する面は繊維は少なめ。

金属製ブームプレートに組んでみたところ

HDS締めハンドル一式。ねじはM8。

ブームパイプの外径は15.9mm。その先端ねじ部は圧入されているので取り外すことはできない。ねじは3/8インチ16山。LNロックナットはアルミ製。マイク用のねじ規格は混沌としているためこちらのページに整理してみた。



垂直2重パイプ部

上段パイプ(内側)を抜くとストッパーやブシュがある。溝にはまっているだけ。これでガタをなくし、スムーズな引き出しを実現している。上段パイプ外径はブームパイプと同じく15.9mmで鉄製。一番太い下段パイプ(外側)外径は22.2mmで鉄製。

22.2mmの下段パイプ下部。このストッパーでパイプが上へ抜けないようになっている。中に見えるものは上段パイプが下がったとき、手を挟まないようにするためのラバースペーサー。

そのラバースペーサーを取り出してみる。かなり変形している。

一番太い軸部の先端はブシュが入る溝と、ロックするためのねじが切ってある。

ブシュとロックのための金属グリップ。

プラ製ブシュ拡大。



脚部



軸を抜いたところ。この部分をベース部という。ダイカスト製。

8TBベース用Tボルト(M8x14mm)

脚部ベース部を裏からみたところ。

足を1本抜いてみた。プラ製ブシュとパイプ共にM5ボルトでベース部に固定する。各足はグラグラしないようにかなりきつめになっている。抜くのもセットするの大変。

足のパイプは一番シンプルな構造で回転用の穴しか加工はない。外径19.1mmで肉厚は1.8mmの鉄製。

RF脚ゴムは適度な硬さで床からの振動をカット。また脚パイプへのセットも比較的簡単にできる。


まとめ

このスタンドを2台所有しているのだが、1台は2010年に購入したもので、もう一台は中古で入手したもの。同じ中国製なのだが、微妙にサイズも仕様も違ったりする。めっき処理もそれほどよいとは思えない感じで、やや曇りがさびに移行しそうな部分もある。考え方によっては中国製にしては品質は申し分ないというところ。設計はなかなかよいと思う。なるべく標準品を使っていて、ユーザーも手を加えやすいところがよい。脚パイプなどは錆が気になりだしたら、ステンレスパイプをホームセンターで買ってきて比較的簡単に交換も可能。(やらないけど)

使用上のことだが、使わないときは各ねじを緩めた方がよいと思う。そうしないとブシュやワッシャーの消耗が早くなる。最悪なのはマイクなどをセットしたまま、力任せにネジを締め付けて放置という状態だろう。

今年になって、実家用にマイクブームスタンド CLASSIC PRO MSB 1600円 を買ったのだが、あれは駄目だった。ブームパイプの固定があまく、グラグラするし、マイクをセットしても頼りなさすぎた。ブーム利用は不安定だったので、結局ブームパイプをはずして、ストレートで利用することにした。ストレートならば大きな問題はなかった。改めてTAMAのしっかり感はレベルが違うという印象。価格も違うけど。