2018/12/31

VSTi TAL U-NO-62
(Roland Juno-60 アナログシンセ)

アナログシンセの構造を少し理解しておこうということで、なるべくシンプルな操作性のフリーVSTiを探す。 KVRサイトを眺めてもアナログ系は膨大にあるので、選択に迷うところ。 以前Moog系を試したので、今回は違うポリフォニックのものにしたい。 条件としては、Cakewalkで使うのでWin64bit限定。またSynthedit、SynthMakerなどではない独自に作られたもの。パラメータをMIDI(cakewalk)でコントロールできることなど。

とりあえず実機があるシンセに絞り込み、ポピュラーなものということで、TAL社(スイス)のU-NO-62というものにしてみた。 RolandのJuno-60(1982年)をモデルとしていて、パラメータが少なめなのがいい。 音は今風シンセと違って、80年代初期という感じの古い電気楽器的な音。チープな感じが逆に新鮮。Rolandからマニュアルもダウンロードできるので、パラーメータの動きも理解できると思われる。

U-NO-62はTALのフリーシンセとしては古いもので、今から10年前の2008年で開発も終了している。 サポートもないし、マニュアルもない状態。本当は開発が継続している同社のNoiseMakerを使った方が無難なのだろうけど、操作が簡単そうという理由から、今回はこちらを使ってみた。


TAL(スイス) U-NO-62 主な仕様

dll size: 1499KB
DL size: 327KB
VST2
32bit/64bit
https://tal-software.com/products/tal-u-no-62
Polyphonic (6 voices)
Bandlimited oscillators
One syncable LFO with five different waveforms
24 dB lowpass filter with self oscillation, non-resonant high-pass filter
Fast ADSR envelopes
Smooth cutoff changes (also with midi controllers)
Velocity sensitive filter envelope
Midi learn for all potis
Supports all sample rates
20 Presets.


TALにはマニュアルがないんで、Roland Juno-60のマニュアルを参考に、いじりながら動きを確認してみた。 U-NO-62は、実機と比較するとアルペジオなどの機能は省かれている。 ソフトウェア音源ということで多少パラメータも違うようだ。 実機は知らないが、音は結構忠実に再現されているらしい。 有料のTAL U-NO-LXというソフトシンセもリリースしているのだけど、こっちは完全再現らしい。開発者はJuno-60に相当思い入れがあるっぽい。

Roland Juno-60について

実機を軽く調べてみた。1982年発売の1オシレータのアナログシンセ。定価は238,000円。 ポリシンセとしては、当時はこれでも安い方。 すでにデジタルの波は押し寄せていて、このモデルもオシレータはデジタルとなっている。 ただ波形をデジタルで保持しているわけではなく、波形を作るスイッチにデジタルを使っているらしい。のこぎり波などはコンデンサを使ったりしているので、個体差はあるだろう。 この後にYAMAHAからDX7が発売され、一気にデジタルシンセの時代に突入する。 実機があるメリットとしては、マニュアルがあることや、情報が結構あったりする。Juno-60に関してはサービスノートも入手可能で、内部の回路図まで眺められる。


サービスノートのブロック・ダイアグラム


ブロック・ダイアグラム

サービスノートを参考に、U-NO-62の区分けでブロック・ダイアグラムを描いてみた。 音声信号と制御信号の流れを把握することは重要なこと。ブロック図を頭に入れてからパラメータをいじらないと、何をしているのか分からなくなるので。

まずは音声信号がどこで作られ、どう処理されて、出て行くのかを理解する必要がある。 アナログシンセの基本はほとんど同じで、 DCO(VCO)で作られた波形が、VCFというフィルターで音色が加工され、VCAというアンプで時間的に音量調整がされるという具合。 またLFOは低周波の揺れを作り、ENVは時間に対してのレベル(音量、周波数)を作って、DCO、VCF、VCAに送って 音声信号に変化を与える。 HPFとCHORUSはエフェクトなので、シンセの本質部分とは違う。続いて各ブロックの役割を左上から順に見てみる。


CONTROL


独自部分。ベロシティの調整と、VOICESを1~6に設定できる。ベロシティでフィルターのカットオフ周波数がコントロール出来る。そのときはVCFのKYBDも調整が必要。

PANICボタンは、現在鳴っている音を強制的に止めるボタン。音が止まらなくなった場合の非常ボタンとして使う。今のところそういう非常事態になったことはなく、安定している。


CHORUS


BBD素子を利用した独特なステレオコーラスのシミュレート。ⅠとIIがあり順に効果が深くなる。同時押しすると回転スピーカーのような効果が得られる。 回路的には、コーラス手前までがモノラル処理で、コーラスのところでステレオ化する。 TALには、この部分だけを抜き出したVSTe(エフェクト)もある。派手にかかるコーラスは結構気持ちいい。下にサンプルを作ってみた。有名な曲の冒頭。

ドライサウンド

コーラスI

コーラスII

コーラスI+II



PITCH / WHEEL / TUNE / VOLUME / スライドスイッチ(オクターブトランスポーズ)


PITCH/WHEEL:キーボードのホイールの感度調整

TUNE:音程の微調整を行う。

VOLUME:最終的な音量をここで調整する。

スライドスイッチ:オクターブトランスポーズ。3点あり、左から低(DOWN)、中(NORMAL)、高(UP)の順になっている。

ML/G-MLボタン:これは多分MIDI Learn。その手の機器を持ち合わせていないので、未確認。


LFO(Low Frequency Oscillator)


低周波を作り出す部分。

RATE:揺れ時間の調整。

DELAY TIME:どれぐらい遅れてから揺らすかを設定する。

TRIG MODE:Autoにすると、音の鳴り始めが常に初期状態から始まり、OFFにすると、音の鳴り初めに関係なく音が揺れる。下サンプルは始めはAutoで、その後OFFにしている。


WAVE:独自機能で、sin、tri、saw、rec、noiseから選べる。下は矩形波にLFOを適用して順に鳴らしたもの。LFOの深さは最大の2オクターブにしている。最後のノイズだけは、RATEを速くしている。


WAVE TEMPO:独自機能でシーケンサーのテンポに合わせて揺れを決定することができる。


DCO(Digital Controlled Oscillator)


Juno-60はアナログオシレーターではなくデジタルなので、よく見かけるVCO(Voltage Controlled Oscillator)や、OSC(Oscillator)ではなく、デジタルを強調したDCO(Digital Controlled Oscillator)という名前になっている。ただ今風のデジタル波形をDACで変換するという構成ではなく、アナログ信号をデジタルスイッチで制御しているというオシレータ。これはアナログシンセと言い切ってもいいと思えてしまうが、当時はデジタルが売りになったのだろう。現在ではアナログが売りになるのだから面白い。

LFO:深さを調整。すべての波形に適用される。最大の深さにすると音程的には弾いている音に対して±1オクターブで、2オクターブの揺れになるようだ。

PWM(Pulse Width Modulation): このスライダーは横のスイッチによって動作が異なる。

OFFの場合は、下のようにパルスウィズが変化する。サンプルは下から上へスライドした時の音。



始めの波形50%


最後の波形はこんなかたち。

LFOの場合は下図のように矩形波のパルスウィズがLFOの影響を受けて変化する。


ENVの場合は下図のように矩形波のパルスウィズがENVの影響を受けて変化する。


中央の3つのボタンは波形のON/OFF
矩形波、調整不可のノコギリ波、サブのオクターブ下の矩形波となっている。 Juno-60は1オシレータなので、メイン矩形波以外は、バリエーションと考えてよさそう。

ノコギリ波とサブは、メインの矩形波から作られているので、各パラメータの影響を受けている。 ノコギリ波はON/OFFだけ、サブはレベルのみ調整可能。下サンプルはノコギリ波。


NOISE:ホワイトノイズのレベル調整。ON/OFFはない。 LFOとVCFなどの設定は適用される。ほかのOSCと同じ設定になってしまうので、細かな調整はできない。 下サンプルはノイズ。ホワイトではあるが、ハイが緩やかに削られた感じ。



HPF(High Pass Filter)


ハイパスフィルタで低音をカットする。 カットオフ周波数を設定できる。 シンセではあまり見かけないフィルタ。


VCF(Voltage Controlled Filter)


FREQ:カットオフ周波数の決定を行う。レゾナンスとのコンビで、アナログシンセにとって一番おいしい部分。基本的にはLPF(ローパスフィルター)の原理で、高音域を遮断する周波数を決めるところ。切った部分の周波数は盛り上がりやすく、特徴的な音色になる。その調整は下のレゾナンスで行う。

下サンプルはカットオフ周波数をいじっている。


RES:レゾナンス。カットオフ周波数付近を強調する。ジュワーとかビヨーンとか、アナログらしい音を作ることができる。


VCF ENV POLARITY:上下のレバーでNORMAL(上)とINBERTED(下)が選べる。下にするとENVが逆さまになる。

通常はノーマルで使うが、効果音的音や、ちょっと不思議な音を作るときはインバートする。Juno-60のプリセットでは、いくつか該当する音がある。下サンプルはSpace Sound1の音。あるアニメ映画の冒頭の音ぽかったので、真似てみた。故キース・エマーソン。



ENV:ENVの感度を調整。カットオフ周波数のポイントがENVに沿って変化する。

LFO:LFOの感度を調整。カットオフ周波数のポイントがLFOの周期に沿って変化する。

KYBD:キーボードの感度を調整。音の高さによって倍音成分が変化するのを防ぐ。トリッキーな使い方としてRESを全開にしてオシレータなしで、共鳴音だけで音階を出すことができる。Juno60のホイッスルの下サンプルなどがそれ。音が伸びると下がっていくし、パラメーターの位置で音程は変化するし、きれいな音階にもなりにくい。扱いにくいが面白い。



VCA(Voltage Controlled Amplifier)


時間的な音量を調整するアンプ部。

E/Gスイッチ:ENVかGATEを選択できる。 ENVにするとエンベロープの設定に従って音量が時間的に変化する。 GATEは時間的に音量は変化せず、鍵盤のON/OFFに反応するだけのモード。

LEVEL:音量の調整。


ENV(Envelope Generator)


ADSR(Attack、Decay、Sustain、Release) 多くのシンセで未だに使われているパラメータ。音の時間的に変化するダイナミクスや、フィルターのカットオフ周波数を調整したりする。Sは時間ではなく鍵盤を押して安定した状態のレベルを表し、音量、カットオフ周波数などに変化を与える。

下サンプルはVCAにENVを適用した例で、はじめにENVなしのビープ音で、次にENVをかけたもの。ENVのパラメータはADSRすべて4にした。

波形を見るとよくわかる。


下サンプルはVFCのカットオフ周波数にENVを適用した例。はじめにENVなしのビープ音で、次にENVをかけたもの。 ただのビープ音が、ビョワーンという音になっている。最後の方の音は元のビープ音になっているのが分かると思う。



音作り

Roland Juno-60のマニュアルにあるプリセットを参考にいじってみる。 初期状態から、音を出しながら、パラメータをいじっていくと、どう変化していくのかよくわかる。 各パラメータの役目が明らかになるので、理解がスムーズになる。 始めVCFのポラリティー・スイッチがどう機能するのか分からなかったが、プリセットのオルガンの作り方をなぞってみたら、なるほどと思えた。シンプルな操作系だが、意外と奥が深そう。

Juno-60のマニュアルを見ながらプリセットを作ってみた。実機の動画を参考に、音をそれっぽく近づけてみた。パラメータの調整次第で、結構近い音が出る。fxbファイルにまとめた。U-NO-62のプリセットの後にJuno60のプリセットが入っている。
juno60_preset.fxb


Cakewalkでの問題

プリセットがうまく保存できない。多くのVSTはプリセットを独自にしているけど、これはVSTの標準的な方法に委ねているぽいので、それが問題のようだ。読み込みは問題ない。 仕方ないので、音作りではSAVIHostを使った。これは問題なくプリセットの読み書きができる。 ここで基本的な音を作ったら、cakewalk側から自作したバンクを読み込んで使用するという、ちょっと面倒なことをしている。



まとめ

感心するのは、共鳴までシミュレートしている点。オシレータを鳴らさなくても、レゾナンスの設定次第で、音が出たりするのは面白く、本物を扱っている気にさせてくれる。トリッキーな使い方もいろいろあるっぽい。

アナログシンセは音の変化がイメージしやすい(口で言いやすい)ので扱いやすい。FM音源とはえらい違い。 なので弾きながらでも音を変化させられる。アナログシンセは、そういう使い方をすることが多いのもうなずける。結果的に音作りの時間がFM音源よりも短くなる。あと限界も見えやすいので、これ以上は無理と判断できたりもする。アナログシンセは人間にやさしいようだ。

ソフトシンセ全般に言えることだが、プリセットだけ選んで使うならまだしも、音を自由に作れるようになるには、ある程度中身から理解が必要。そうなると、あれもこれも使うわけにはいかず、どれかに絞り込んで使いこなすことになる。 ハードであれば、設置の問題から、自ずと絞り込むことになるが、ソフトでは際限がなく性質が悪い。 個人的にはソフトシンセはdexedだけで十分で、U-NO-62はアナログの操作性(パラメータ変化)がほしいときに使うぐらいになりそう。ただ、今となっては古典的なシンセなので音作りの自由度は、あまり高いとはいえない。それでも独特な愛嬌がある音なので結構気に入っている。



2018/11/11

ダイレクトボックス自作
(アクティブ - Bass&Guitar兼用)

トランスの入手が困難なため、先週末に考えたアコギター専用DIと製作したベース専用DIを一体化することにした。改造ではなく作り直してみた。

個人的にギターとベースのDIが同時に必要になることはないので、切り替えて使えれば問題ない。ベースは増幅が約1倍で、ギターは約8倍とした。 ファンタム電源を利用したFET1石(東芝2SK30A)で、トランスにより、バランス出力している。 念のためスルーアウトプットも付けてみた。 回路図は以下の通り。

切り替えは内部基板上の1本のジャンパーを差し替えることで行っている。本当はスイッチにしたかったのだけど、手持ちで使えそうなものがないため諦めた。 PIN1にジャンパーを差すとRD1とRD2が並列になり、約5kオームになる。この状態がベース用となる。 PIN2に差すとRSがキャンセルされ、ギター用となる。


完成

ここんとこ毎週末DIの設計やら製作をしていたので、今回はかなり要領よく作ることができた。

早く出来、仕上げがきれいで、動作も一発で完璧だった。当たり前だが、似たようなことを何度もやると上達するね。以下が完成したダイレクトボックス。

スペース的にゆとりがあったので、回路図をそのまま投影したような基板レイアウトにした。 何事もわかりやすいのは、よいと思うのだ。 上写真はスルーアウトは未接続状態。

音も不思議とよくなっている気がする。多分気のせいではないと思う。ノイズも減っているので、おそらくアースの取り方がよかったのだろう。


まずエレキベースのサンプル。珍しいコントラバスの曲、サン・サーンスの「ザ・エレファント」をフルで弾いてみた。 ピアノはdexedで作ったFMエレピ風。

個人的には不満ない音。回路的には先々週作ったDIと同じなので、音も当然同じはずなのだが、丁寧に作ったおかげでノイズは減っている。 また、ピックで弾くベースは高音域が出すぎになるが、弾き方やEQで調整すれば問題ない。くもった音ではどうしようもないが、フラットで鮮明な音であれば、何とでもなる。 上記は無加工な音だが、弾き方をちょっと工夫して高域を調整している。トランスだけの時は、適当に弾いても気にならなかったが、このDIだと全部音に反映されるので、弾き方も気を付けないとダメね。うまくなれば表現力も上げられる。

次はFishmanパッシブピックアップを付けたアコースティックギター。 先週末考えた8倍増幅で、今回初めて製作したが、インターフェイスの入力レベルを、それほど上げる必要もなく、使い勝手がよくなった。音はギターの高音域がきっちり拾えている。 Fishmanのような出力レベルの低いピックアップは、プリアンプが必須。 サンプルは後程。


まとめ

とりあえずDIはこれで落ち着いた。 トランスレスのDIも回路設計してしまったので、本当は作ってみたいのだが、必要性はないね・・・


2018/11/04

ダイレクトボックス自作
(アクティブ - アコギ専用)

先週末はベース専用のDIを作ったので、今週末はアコギに付けたFishmanピックアップ専用のDIを設計。 ただ、トランスを入手してないので設計だけ。 基本的にはベース専用DIの8倍増幅バージョンで、ファンタム電源を使うアクティブDI。 本来DIは増幅させないのだが、 fishmanのピックアップはエレキの1/10程度の出力しかないので、増幅しないと使いにくい。 回路図は以下のようになった。

ベース用がそれなりに使えるので、これも使えるとは思う。 しかし、トランスの入手が困難になりつつあるようだ。メーカーに在庫もなく、生産の目処も立っていないとか。 そうなると、トランスはやめて、トランジスタのエミッタフォロワか、FETのソースフォロワを出力にしてもいいかもしれない。そっちのバージョンは暇を見つけて設計してみようと思う。


つづき
アクティブ - Bass&Guitar兼用

2018/10/28

ダイレクトボックス自作(アクティブBASS専用)

先週作ったDIはアコギ用だったので、ベースにはいろいろ使いにくかった。そこで本日ベース専用に改造してしまった。 アコギ用は後日作り直す予定。


改造内容

まず、ベース用は利得1でいい。6倍もあると、入力レベルが大きすぎてしまう。 DIの場合マイク端子に接続するので、マイクプリで増幅することを前提としている。 そもそもベースの場合はコンデンサーマイク並みにレベルが高いので、DIで増幅は不要。

電池を消耗するのは気分的にエコっぽくないので、ファンタム電源で駆動するようにした。

以上の内容を盛り込んだ回路がこれ。ゼロバイアスのソース接地増幅回路となっている。出力は前回と同じくトランスでバランス出力にしている。

トランスのセンタータップを使うことで、ファンタム電源を利用している。 降圧もせず、そのまま使っているところがポイント。 電池との兼用を考えていないので、実現できたシンプルさ。

ファンタム電源の電圧は48Vだが電源側に6.4kオームの抵抗が2個それぞれ入っていて、並列で3.4kオームの負荷がすでにある状態。 この抵抗はおそらくショートさせないための安全対策だろう。 ただ、これによって回路の消費する電流値で電圧が変動してしまう。 実際に作って電圧を測ったところ、45.5Vとなった。 FETには0.69mA程度流れるので、計算的にも合っている。

手持ちパーツで作ることを前提としているので、抵抗などの定数は理想というわけではない。 C-OUTは2.2uFでカットオフ周波数34Hz。直接音質を左右するパーツなので、容量よりも種類の選定の方が重要かも。

増幅作用はほとんどないが、実際は1.2倍程度となっている。 入力インピーダンスは1Mオーム。 出力インピーダンスはトランス前で2.3kオーム。トランス後に1/17になるので、135オーム程度だろうか? シミュレーションも、測定もできないので、ちょっとあやしいけど。

FETに流れる電流値は0.69mA程度なので、省エネかつ、FETの特性から音質も悪くはないと思われる。

基板もケースもそのまま利用。


録音して 先週作ったDIと比較すると、 低音が若干軽くなっている。C-OUTの関係かと思われる。それ以外の音の傾向などは変わらない。



ポップノイズ対策 181103

ファンタム電源を入れる時にボッというポップノイズが、すごいレベルで入り不安を感じたので対策を考えてみた。 いろいろ試した結果、パスコンが効果的だった。上回路図にも反映。 パスコンは常時入ってくるノイズ対策用かと思っていたけど、こういう突入電流にも有効なのね。 初めて知った。 ポップノイズは市販のコンデンサマイクと同レベルになった。これぐらいなら許せる範囲でしょう。 コンデンサ容量は50Vに耐えられる手持ちのものという条件なので、22uFとなった。本来はちゃんと計算すべきなのだろうけど、よくわからない。


つづき
ダイレクトボックス自作(アクティブ - アコギ専用)

2018/10/21

ダイレクトボックス自作(アクティブ)

以前作ったトランスだけのダイレクトボックスは、出力の小さいアコースティックギターにはパワー不足となってしまったため、ギター用のダイレクトボックスを作ることにした。 仕様的には数倍の増幅率があるダイレクトボックスを作ってみようと思う。 今回の製作コンセプトは、手持ちの材料だけで作り、1日以内で完成すること。つまり1円もかけない。


使用ギター

アコースティックギターには、FishmanのNEO-D Humbucking を装着している。またミニギターには先日NEO-D Single Coilを無理やりつけたところ。

Fishmanのこのシリーズのピックアップは、音はナチュラルでアコースティックギターらしいのだが、どうにも出力が低め。テスタで出力電圧を測ると、コードを弾いても1mAあるかないかという感じ。エレキなら10mA程度、ベースなら20mAぐらい出るので、10倍近く増幅したいところ。シングルピックアップの方はさらに出力は低く、手持ちの機材では測定不可能というレベル。


回路設計

なるべく少ない部品点数で作りたいので、前回作ったトランスを流用し、前段にFETを利用した増幅回路をつけようと思う。トランジスタではなくFETにしたのは、入力インピーダンスを高くできるから。ギターのようにハイインピーダンスで小さい信号を受けるにはFETが都合がよい。 手持ちのFETは東芝2SK30Aしかないので、これを利用する。ちょっと考えたのが以下のゼロバイアスのソース接地増幅回路。 電源は9V乾電池。

製作時はOUTPUTにトランス(SANSUI ST-75)が追加される。 FETのデータシートを見るとドレイン電流はIDSSまでしか書かれていないが、実際にはもう少し伸びる。入力信号が小さければ、0Vを超えてもまだ使える。この特性を利用してバイアス回路を不要にしている。

LTspiceでシミュレーションすると、9Vで6倍程度の増幅率となる。理想からすると、やや不足気味だが許容範囲だろう。7Vでは4倍程度となる。5.5Vになると1倍で増幅作用はなくなる。実際使ってみて増幅率がもっと欲しくなれば、その時点で改造すればいい。

使うアンペアは手持ちのFET IDSS=2mA(実測値)から2mA程度だと思われる。ただ音が出ていない時も常時使われる。

電源スイッチはON/OFFスイッチだと、切り忘れそうだから、 プラグの抜き差しで電源が自動で入るようにした。 ステレオジャックを使って、電池のマイナスをリングにつなぎ、プラグが差されたときGNDと接続する仕組み。

省電力&電圧下がっても結構使えるので乾電池も長持ちしそうだ。増幅度が何倍までOKとするかで駆動時間は違ってくるが、1倍の5.5Vまでとするとかなり使える。 ちなみにパナソニックが公式で出している6LR61Y(アルカリ9V)放電実験のデータから推測すると、2mAなら、連続7200時間以上、日数にすると300日以上持つと思われる。

入力インピーダンスは手持ちの抵抗器の関係から1Mオームにした。出力インピーダンスは2.2kオームで、さらにトランスで下げられ、おそらく130オームぐらいになっているはず。これならマイク入力に接続しても不満はないと思われる。


製作

まず回路はブレッドボード上で確認をした。乾電池前提で作っているが、試しに手持ちのACアダプタも使ってみた。するとハムノイズやら電源系のノイズがひどい。パスコンを入れても完全には消えないね。 ブレッドボード上ではジーというノイズも結構入ってしまうが、大抵ちゃんと組めば消える。 今回も基板上に組んだら、見事に消えた。 部品点数も少ないので、1Hほどで完成。

問題はケース。手頃な箱がないので、アルミ板を切って作ることにした。手作業なので、簡単な構造の箱を作るのも一苦労。精度もかなり怪しい。それでも見た目にはそれなりにまとまった。ケース製作作業に数時間かかってしまった。

中身はこんな感じ。無理のない範囲で、なるべくコンパクトにしてみた。 サイズは110x70x25mm。 コンデンサだけは、音質調整のため抜き差しで交換可能にした。とりあえず大きめの47uFにしているが、ギターの場合は、もう少し小さくてもいいかもしれない。

足は適当なゴムをねじで固定して、簡単にはがれないようにしてみた。ちゃんとした足パーツがあったら良かったのだが、あるものを使うが今回のコンセプトなので。



テスト

新品の9V乾電池がなく、電圧は7.5Vしかなかったが、それなりに増幅できている。おそらく構想に近い値は出ているのではないかな?  電流を測ったら2.07mAでFETのIDSSそのもの。音を出しても全く変化なし。プラグを差したら常時この電流が流れる。 音も変な癖はないように思われる。トランスだけのときよりも、明らかに高域はちゃんと出ているが、音の傾向はかなり近いように思う。やはりトランスの影響は大きいのかもしれない。

サンプル(アコースティックギター)

久々に弾いたら、全然弾けなくなっていた・・・ まぁ音のサンプルなので。
ジーというノイズはそれなりにあるが、音を出してしまえば気にならないレベル。ただFishmanのシングルは結構盛大にノイズが発生する。これはギターを弦アースにすることで、手が弦に触れていればノイズが消えるという方法で対処。それでも明らかにあるし、ギターの向きでノイズが大小する。シングルピックアップの宿命だね。

サンプル(エレクトリックベース)

ベースの音。しまってあったベースをDIを試すために超久々に引っ張り出してきた。YMOの東風イントロを耳コピして10分ぐらい練習。さて、音はパッシブに比べ、やはり高域がよく出ているが、音の傾向は同じという感じ。弦がフレットに当たるバズ音が結構目立つ。

まとめ

とりあえず使えそう。 ほぼ予定通りの作業時間、想像通りの出来になった。理論と実際が一致していることは重要なこと。 「よくわからないけど、うまく行った」とか気持ち悪くて仕方ない。 もっとダメなのは、「正しいはずなのに、全然うまく行かない」というもの。こういうのは大抵勉強不足が原因。
今回FET1個だけのシンプルすぎる回路なので、設計的には物足りない。今後時間を作って、凝ったものも作ってみたい。


ノイズ対策 181027

先週作ったDIをベースで試したらノイズがひどかったという話。アコギのFishmanピックアップは元々対策されているようで、大きなノイズは入らないが、ベースはそれに比較するとひどかった。 上のベースサンプルは、その状態で録音したものだが、結構ノイズが乗っている。まぁアンサンブルにしてしまえば、気にするほどでもないが、消せるなら消したい。

持っているベースはヤマハエントリーモデルのRBX-270で、ノイズ対策はされてないに等しい。 以前のトランスだけのDIだと高域特性が悪かったので、ノイズもさほど気にならなかったのだが、このDIをつなぐと高域まで伸びるようになり、同時にノイズも鮮明になってしまった。

意外な対策。 部屋には昔ながらのTV用のアンテナ端子があったので、そのGNDをアースとしてつないでみた。DIのケースをアース線でつないだだけなのだが、見事にノイズが消えた。

下サンプルはノイズだけの録音で、かなりレベルを上げてノイズがよく聞こえるようにしたもの。アースをつなぐ前とつないだ後の音。ジーという音が消えてるのが分かる。よくよく聞くと多少はあるのだが、録音しても気になるレベルではない。これでベースでも問題ない実用的なDIになった。

ベースの音を録音してみた。録音したまんまで、フェードインアウトは一切なし。 音が出る前後にノイズはほとんど感じられないと思う。 先週のベースサンプルと比較してもノイズレベルが明らかに低い。



つづき
ダイレクトボックス自作(アクティブBASS専用)

2018/10/07

チェーン交換

最近漕ぐときゴリゴリしたので、よく見たらチェーンが伸びていた。 下の写真のようにチェーンリングとチェーンが噛み合っていない。チェーンが浮いたような状態。漕ぐたびにチェーンが食い込み、ゴリゴリしていたわけだ。チェーンリングも削れて最悪の状態。

チェーンは消耗品で使っていると伸びてくる。10年ぐらい使用したので当然という感じだが、今年の異常に暑い夏の長距離移動で一気にダメになったような気がする。地面の表面近くは50度以上あったからね。

新しいチェーンは安いシマノCN-HG53(1540円 Amazon)にした。シマノのチェーンはKMC(台湾)のOEMだが、シマノブランドの方が安いね。 118リンクだったので、BD-1の元々のリンク数114に合わせて切った。

新しいものに交換した写真。チェーンリングとチェーンがちゃんと噛み合っている。 これが正常な状態。

交換後試乗してみたところ、ゴリゴリは解消された。