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1月, 2019の投稿を表示しています

Cakewalk Sonitus fx Compressor, Multiband

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Sonitusプラグインはcakewalk社がUltrafunk社を会社ごと買収して得たプラグインで、DirectX Audio Effects (DX)となっている。 cakewalkに入っているSonitusシリーズのオーディオエフェクトは、どれも古臭いUIだが、機能的には真面目な作りで正確に機能する。機能に忠実なパラメータが並んでいるので、基礎を学ぶ意味でもよいエフェクトだと思う。 Sonitus fx Compressorは、Cakewalk標準コンプ。他にバリエーションとして帯域ごとにコンプを掛けられるMultiband版もある。 コンプに必要なパラメータは一通り揃っていて設定した通りに動作する。 サイドチェインで利用することも可能。サイドチェインとは、別のトラックのレベルに応じてコンプを掛けることができるというもの。 基本的に色付けしないので、原音を変化させたくないときによいと思う。 正統派デジタルコンプという感じで、そこがつまらないと言えばつまらないのだが、実用的ではある。 デジタルの利点を最大限利用していて、先読みバッファによる、アタックタイムを完全に0にできるなど、あらゆるソースに対応できるようになっている。 このコンプは、パラメータも多く、いろいろな使い方ができるので、知識がないと使いこなせないだろう。 プロチャンネルにある実機をモデリングしたコンプは操作つまみが少なく、なんとなくでも使えるが、このコンプはそれを許さない。 Threshold 0~-60dB 幅広いスレッショルド調整が可能。 Ratio 0.4~1~30,無限大 無限大はデジタルらしく、スレッショルドでスパッと切ってしまえる。 面白いのは1以下があるということ。コンプとしては普通ない領域で1よりも小さいと、スレッショルド以上の音を更に増加させることになる。コンプの音量を整えるのとは逆の作用となる。 Knee 30~1,Hard Ratioを極端に設定しても、この調整を行えば、角ができず歪を緩和でき自然な感じにできる。 パラメータ値はスレッショルドの上下dBとなっている。 リミッター的にピークを切る場合は、Hardなどに設定する。 このコンプは全体的に優秀だが、初っ端の波形だけは、ご多分に漏れず崩れてし

Cakewalk by Bandlab PC4K S-Type(VCAコンプ)

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CakewalkプロチャンネルにあるコンプPC4K S-Typeについて。 PC4K S-TypeはSSL(Solid State Logic社)のSL4000シリーズのモデリング これもPC76と同じように実機があるコンプ。 SL4000シリーズは、世界中のスタジオで70年代後半から使われていたコンソール。 PC4K S-Typeは、そのコンソールのコンプ部分を切り出したものとなる。 特徴 動作原理はVCA(Voltage Controled Amplifier)コンプ。 VCAチップによるフィードフォワード方式。 音声信号の電圧から音量をコントロールし、その反応速度も速い。 名前からしてもシンセサイザーのVCAと無関係ではなさそう。 音は割とナチュラルなかかり方をするので、マスターバスに使われる。 高価なコンソールなので、操作性で妙な癖はないと思ったら、そうでもなかった。 これもPC76と同じようにスレッショルドの値が当てにならない。PC76よりもさらに混乱を招くぐらいパラメーター数値と実際のスレッショルドが一致しない。Ratioごとにスレッショルドが変わるのだ。 Ratioが3個しかないからと、なめてかかると、とんでもないことになる。 以下の絵は、Ratio2,4,10の場合で、音量が-無限大~0dBに変化する波形に対して、スレッショルドをすべて-12dBに設定して適用したもの。 Ratio2 肩が緩すぎて、どこがスレッショルドなのか不明だが、12dBよりも深いことは明らか。もしくはKneeのレベルが高い。 こういうカーブは自然な感じになる。 Ratio4 カーブを見ると普通のコンプ的なかかり方。 -9dBよりも浅いところから圧縮されている。つまり実際のスレッショルドは、設定値よりも3dB浅くなる。スレッショルドを変えてもその差は3dBのようだ。 Ratio10 このカーブはリミッティング的な使い方に適している。ピークを削るという感じ。 実際のスレッショルドは-5dBぐらい。設定値よりも8dB浅くなるようだ。これもスレッショルドを変化させても、およそ8dB差となった。 上記のスレッショルドの設定と実際の差を理解してしまえば迷うことはなくなる。これを知

Cakewalk by Bandlab PC76 U-Type(FETコンプ)

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Cakewalkのエフェクトを少しずつチェックしてみる。 まずは、使用頻度が高めのコンプレッサーから。 Cakewalkにはプロチャンネルに2個、fxに2個の合計4個のコンプレッサーが標準で搭載されている。 今回はプロチャンネルにあるPC76 U-Typeというコンプレッサーを試してみた。 PC76 U-TypeはUNIVERSAL AUDIO Urei 1176のモデリング Urei 1176という実機が存在していて、それをモデリングしたプラグイン。 実機は、かなり癖があるのだが、1976年発売で、今でも売られ続けている超ロングセラーのスタジオの定番コンプ。お値段は285,000円。 このコンプがもてはやされているのは、 FETコンプなので、アタックタイムを短く設定できるなどの、機能的な面もあるとは思うが、 それ以上に、通しただけでアナログならではの色付けがされるところが最大の魅力だろう。 デジタルのクリアですっきりしたサウンドとは真逆の部分の需要ということね。 制御方式がFETによるフィードバック方式なので、粘りのある音になる。 PC76も充分実機のニュアンスが感じられる。 原音をなるべく変化させず、クリアな音を求める場合は、Cakewalkの場合、fxSonitus compressor、fxSonitus Multiband、もしくはPC4K S-Typeのコンプを使ったほうがよいかと思う。 Ratioとスレッショルドの関係 圧縮比であるRatioは4つのボタンで選択。4、8、12、20があり、実機だとさらに全部のボタンを押したりすることができる。PC76では無限大ボタンがそれに相当する。 このコンプの独特なところはスレッショルドの調整ノブがないということ。内部的にはスレッショルド固定で、Inputレベルを調整して、スレッショルドを決める仕様となっている。開発当初は使いやすいと思ったのだろうけど、入力と出力をセットで調整する必要があるので、ちょっと面倒。 当然PC76も、これを継承している。スレッショルドが分からないというのは、使う上で結構厳しいので、実際どういう動きをしているのかチェックしてみた。 音量が最小から最大にリニアに変化する以下のような波形を作り、これにコンプを適用すると、スレッ

ピアノの練習をしようと思ったら
へバーデン結節だわさ

ピアノの練習は昨年夏前で途絶えていた。昨年夏が異常に暑くて、ピアノが弾ける環境ではなかったから。そのままズルズルと涼しくなっても弾かないまま半年以上経過。 最近ピアノを録音する環境を整えたので、再びピアノの練習を始めようと思って、弾き始めたら、左手小指に違和感を感じる。 痛みが走るので腱鞘炎か? 練習してないのに腱鞘炎はないだろう。小指の第一関節が見た目にも少しおかしい。これは以前から気にはなっていた。でも痛みはなかったので放置していた。 今回は明らかに痛みがあるので放置はできない。痛いままピアノを弾くというのは、体が悲鳴をあげているということなので、絶対やめた方がいい。ギターもちょっと触ってみたが、まだギターの方が痛みは感じにくい。 どうやらピアノはギター以上に手を酷使するようだ。オクターブを左手で弾くような場合、結構手を広げて、各指に負荷がかかる。そうすると痛い。特に第一関節を反らせようとすると痛い。実際には関節の柔軟性が失われていて反らせられなかった。 ほかの指はどうかチェックしたら、右手の薬指もあまり反らない。ただ見た目は普通。 症状を観察していくと、へバーデン結節が濃厚だ。この病気は40代以降の女性に多いらしい。原因不明で、手をよく使う人がなりやすいという話。指の第一関節が変形したり、炎症を起こし、関節がいびつになって、曲がりぱなしになってしまったりするらしい。痛みは、そのうちなくなるという話もある。そして治療法はないという。 へバーデン結節の情報を調べていくと、仮説が成り立つ。原因不明というのは、ちゃんと分かっていないだけで、原因は素人目にも結構明らかである。そして治療法というか進行を抑えることも可能。だから今何をすべきかも明らか。単に古い情報に流されているような気がしてならない。 女性に多いというのも、患者に女性が多かっただけかもしれない。見た目を気にしない男性は病院にも行かなかったということもあり得る。どちらにしても更年期による体質の変化が影響している。 手先を使う人がなりやすいというのは、手を酷使するからに他ならない。逆に手に負担をかけなければ、この病気になっていても気付かないかもしれない。というか病気ではなく、誰もに、そういう時期があって、それに気付くかどうかの差のように思う。もちろん個人差はある

Audacity ASIO対応にしてみる

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AudacityをWin10で使うようにしてから、レイテンシーが毎回大きく変化してしまう。これでは多重録音ができない。 そこで、AudacityをASIO対応にすれば、改善されるはず。 ただし、ライセンスの関係から自分でコンパイルする必要がある。コンパイルにはマイクロソフトの巨大な開発環境であるVisualStudioが必須で、数G単位でHDDを食ってしまう。ということで放置状態が続いていた。 そこで代わりにCakewalkを使おうかと先週セッティングしたところ。 そんな中、たまたまAudaictyのASIO対応コンパイル手順が書かれたサイトを見つけてしまった。 AudacityをASIO対応でコンパイルする VisualStudioの設定なんて自力ではできそうもないけど、ここまで日本語で丁寧に書かれていたら、何も知らなくても出来そうに思えてくる。ということでAudacityのASIO対応をやってみることにした。 結果は、開発環境さえ整ってしまえば簡単であった。 上記サイトとは若干違う方法を取ったので、以下に手順をメモっておく。 コンパイル手順 通常の最新版 Audacity2.3.0 をWindows10にインストール。すでに最新版がインストールされていれば、そのままにしておく。 下記ソフトウェアをダウンロード 1 Git (43.5MB これを使ってwxWidgetsとAudacityのソースファイルをダウンロードする) 2 ASIO SDK (4.70 MB) 3 Microsoft Visual Studio 2017 Community (C++ 1GB以上) GITをインストール(NEXTをクリックしていくだけ) コマンドプロンプトからGITを使ってwxWidgets(クロスプラットフォーム環境)とaudacityのソースをCドライブ直下にダウンロード。 CD C:\ git clone --recurse-submodules https://github.com/audacity/wxWidgets/ git clone https://github.com/audacity/audacity/ 環境変数を登録 ASIOSDK_

cakewalk by Bandlab 電子ピアノをMIDI録音&オーディオ録音

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電子ピアノ練習用にCakewalkを使うことにした 今まで、お気に入りのAudacityで録音していたが、Win10の影響で、レイテンシ(遅延)が毎回大きく違うという大問題が発生。ピアノ単独の録音であれば、レイテンシはあろうとなかろうと関係ないのだが、多重録音となると、まったく使えないレベルになってしまった。Audacityを再コンパイルしてASIO対応にするのもよいが、巨大開発環境の構築が必要など、いろいろ厄介なので保留状態。そこで、あまり使っていないCakewalkの出番となる。 MIDI録音&オーディオ録音するためのセッティング ここでは電子ピアノから出る音を扱い、ソフト音源を使わない。これによりレイテンシの問題を最小限にしようと考えている。 電子ピアノCLP-100をMIDI-USBでPCに接続。 電子ピアノのラインアウトをオーディオインターフェイスに接続。 オーディオインターフェイスとPCをUSB接続。 ヘッドフォンはオーディオインターフェイスに接続。 電子ピアノの音はインターフェイスからダイレクトモニターしているので、ヘッドフォンから出る音はタイムラグがなく、レイテンシはない。 しかしcakewalkのメトロノームを使う場合、レイテンシを考える必要が出てくる。 メトロノームが鳴ったときにジャストでピアノを弾いても、cakewalkにジャストで録音されるとは限らないからだ。もし、ここが曖昧だと、練習のチェックができなくなってしまう。 MIDI録音かオーディオ録音か 電子ピアノを録音する場合、電子ピアノの音をそのまま録音するオーディオ録音と、電子ピアノの演奏データだけを記録するMIDI録音の2通りがある。 Cakewalkを使う場合は、どちらでも可能だが、練習のチェックのしやすさ、後から修正、音源差し替え、データが小さいなど、何かとMIDI録音が都合がよいので、普段はMIDI録音して、オーディオにしたいときは、そのMIDIデータを使ってオーディオ化することにした。 レイテンシはどれぐらいが問題となるか? PCを使ったオーディオ処理をする場合はレイテンシが問題となってくる。 一番深刻なのはリアルタイム処理したい場合だろう。たとえば、ソフト音源を外部のM