VSTi u-he ZEBRA2 OSC Waveform

OSCのWaveform
LOWER BARのOSCタブを選択するとLOWER PANEに以下のような画面が表示される。 OSCの波形管理及び編集をする部分。 対応するOSCモジュールの一部であり、切り離すことはできない。


Wavetable

OSC1のみ以下のような機能がある。

OSC2~4は以下のようにPresetボタンのみとなっている。

OSC1の場合、上の方、OSC2~4はPreset下の黒ボタンをクリックすると以下のような別ウィンドウが開き、波形をインポートできる。

また右クリックすると以下のコンテキストメニューが表示される。ここでウェーブテーブルの保存ができる。


それ以外の部分は、Zebraのウェーブテーブルを他のシンセ、Hive2やXfer Serumにエキスポートするための機能。 詳細はマニュアル参照のこと。


Waveform


編集モードは4タイプあるが、大きく分けると波形編集と周波数スペクトル編集の2種類となり、編集方法として曲線か垂直バーを選択できる。いずれもDCカットが自動で行われるようで、適当な波形を描いても大きな問題は起きなさそう。

厄介なのは、それぞれが独立しているため、表示だけが切り替わっているわけではないということ。 しかし、ふたつのMorphモードのデータは共通しているので、一方を動かすと、もう一方も変化してしまう。Blendでも同じことがいえる。つまりモードを切り替えると音が変わってしまう。 いろいろ混乱を招く仕様だ・・・ そのため途中でモード切り替えはお勧めできない。

また波形左にあるEDITORというボタンを押すと拡大表示できる。


GeoMorph
1周期分の波形を曲線で編集。

波形もそれっぽくなっているが、サインやコサインをここで書くのは諦めた方がいい。そういうのはSpectroBlendを使った方が確実。

波形編集に関してはこちらのページに詳細を書いた。

GeoBlend
1周期分の波形を128本の垂直バーで編集。マウスでちまちまと描けるのだけど、キーを兼用するときれいに早く描ける。
ctrl+ドラッグ:複数線のレベルを直線で揃えて一度に描ける
alt+ドラッグ:複数線を一度に消せる

ちゃんとノコギリ波が再現されている。

コンテキストメニュー

  • blur
    カラム間の遷移を和らげる。
  • sharpen
    カラム間の遷移を強調。エッジが立ってくる。
  • maximize
    最高の列を最大にし、それに応じて残りの列をスケーリング。ノーマライズ。
  • copy / paste
    オシレーター間もしくは、プリセット間でウェーブセットをコピペ。


SpectroMorph
10オクターブ分の倍音を曲線で編集。一番左が基音で、右に行くほど高次倍音となる。 レベル0は中心ではなく底辺のようだ。つまり位相の操作はできない。インターフェイスがGeoMorphと共通のためか中心が0ぽいのはよろしくない。混乱を招くと思われる。

10オクターブ分の整数倍音をレベル一定で重ねたもの。実際の出力レベルとは違うようだ。物理的よりも音楽的に扱いやすくチューニングされている。

周波数スペクトルを見てもナイキスト周波数の20kHzまで出ている。ここに入らない倍音は内部的にカットされているようだ。折り返したりはしない。


SpectroBlend
6オクターブ分の倍音を128本の垂直バーで編集。1本1本は倍音となっていて一番左が基音となる。つまり128倍音まで扱える。0レベルは中心で位相の操作もできる。

128倍音までレベルを変えずに加算したもの。これも実際の出力レベルとは違うようだ。きれいなノコギリ波が出来るところをみると、倍音の最大レベルは、基音レベル/倍音ということになりそうだ。

周波数スペクトルを見ると16kHzぐらいまでで、SpectroMorphみたいに高域が出ていないことがわかる。


ちなみにサイン波を書きたい場合は、左端に1本だけ描く。

きれなサイン波が出ているのがわかる。

フーリエ変換を知っている人ならば分かると思うが、整数倍音をひとつひとつ描画出来るということなので、描く根気さえあれば、変化のない持続音であればどんな音でも再現できるということ。手動加算式シンセとも言える。


Renderer


  • soft 通常はこちらを利用。
  • crisp スパイクが必要な場合で、エイリアシングが気にならない場合のみ利用。


Norm(normalization)(0.00~100.00)

ノーマライズ。100の場合0dBまでブーストされる。RMSのため、鋭いピークが多い存在する場合はクリップする。そのときは低めに設定する。

Resolution(1.00~9.00)
ウェーブテーブルの波形間の解像度を設定。 通常は5.00が適当。 数値を上げると解像度が上がりCPUの負荷が上がる。 逆に下げると負荷は減るが音に影響が出る場合もある。

ウェーブテーブル1番三角波と、2番ノコギリ波をMSEGを使って行き来している音サンプルを作って音を確認してみる。
下アニメが設定したMSEGで、下が三角波で、上がノコギリ波となる。

テンポを速くすると解像度の違いがわかりやすかったので、200に設定。 アニメは4/4の1小節分だが、短すぎるので2小節に。 音声は解像度の高い順で、9.00、5.00、1.00となっている。

9.00では、階段状に変化しているような音になって、滑らかさに欠けているような印象だが、より正確にトラッキングしているようだ。

5.00は、滑らかさと正確さをバランスよく持ち合わせているように感じる。基本的には問題を感じない限り5.00でよいかと思う。

1.00では、このスピードになると、やや変化がアバウトという印象だ。遷移する次が離れていると、正確な補間ができないようだ。ただ滑らかな印象はある。急激な変化を必要としない場合は、低くても問題ないと思われる。


KeyS(Key Scale)


E2を中心とした、MIDIノートとオシレーターのピッチ。 通常は完全な半音の場合で100.00に設定する。 0に設定すると、すべてのMIDIノートがE2(国際式E3)になる。 FM音源用に使う場合など、任意の周波数で固定したいときは、SpectroBlendなどで倍音を指定すればよい。



KEY SCALE / GAIN

鍵盤とオシレータの音量バランスをグラフィカルに調整できる。

VELOCITY / SCALE

ベロシティからOSCへのスケーリング。 横軸がMIDIベロシティ、縦軸がオシレータゲインとなっている。普通のベロシティカーブ。