Cakewalk by Bandlab TTS-1 Drumsの個人的設定

数か月前からTTS-1を使うようになって、しょぼい昔の音源で、どれぐらいのことができるか試しているところ。音に関しては使い方次第で割となんとかなると思っているが、使い勝手という意味では課題があった。特にドラムの扱いが厄介だった。


課題1 ピアノロールが扱いにくい

MIDIトラックからTTS-1を扱うとピアノロール画面でひし形マークになってしまう。これの厄介なのは小さくて視認性が悪いことと、3連系の打ち込みが面倒になること。

通常のノートであれば、3つ適当にノートを作って、Ctrl+マウスドラッグで強制的に3連にできる。この技が使えなくなってしまう。リズム楽器は想像以上に3連を使いまくるので作業効率が求められる。

これを避ける簡易的な方法としては、MIDIチャンネルのBank:15360-Preset Rhythmを使わない方法。しかしそれではドラムセットを選択できないため、インストゥルメントトラックで、直接的に打ち込む必要があり、何ともスマートでない感じ。実際今まではこの方法で作っていた。ドラム以外のチャンネルは、別のMIDIトラックから使っていた。しかし次の問題は解決できない。

課題2

TTS-1はマルチアウトで4つまで扱えるがチャンネルごとのため、スネアだけ別に出力したいということが基本的にできない。チャンネルごとにスネアとかバスドラ、ハイハットと分ければできるが、MIDIトラックが別になるためデータ作成が煩雑になる。ドラムのMIDIデータは一つのトラックに収まっていてほしい。

こんな感じで、そろそろドラム専用音源を導入しようかと思っていたが、上記課題をすべて解決する方法を思いついた。忘れないうちにメモっておく。

上記課題をドラムマップ利用で克服 その概要

TTS-1は古い音源で現在のPCからすれば、20~30個ぐらいTTS-1を起動していても負荷的には何の問題もない。そこでドラムセット専用TTS-1を用意することにした。

ドラムマップは鍵盤と音色を対応させるためのものだが、TTS-1のチャンネルも変更することができる。これを使うことで、音色ごとにTTS-1のチャンネルを切り替え、チャンネルごとに出力を分けることによって上記の課題を克服。

手順

ざっくり以下のような流れを実現している。


TTS-1を用意

普通にインストゥルメントとして作る。

デフォルトでは10chがリズム用となっているため、これを基準のセットとする。 個人的にバスドラ、スネア、ハイハットだけは別の出力にしたいので以下のようなチャンネル分けをするのだが、後述のドラムマップで設定するので、TTS側で設定する必要はない。
1ch バスドラ用
2ch スネア用
3ch ハイハット用
10ch その他ドラム用


TTS-1 OPTIONS 出力設定

TTS-1で行う設定は出力設定のみ。

また2~4の出力を受け止めるオーディオトラックを新規に作る。バスドラ、スネア、ハイハットの出力を分ける。エフェクトは各オーディオトラックでかけれるようにする。


ドラムマップの設定

一番重要なところで、これを設定することで、出力を切り替えることができる。

環境設定からドラムマップマネージャを開くと下のような画面になる。新規作成を行い、プリセットからドラムマップを選択する。

TTS-1の場合、GM2のドラムマップなので、cakewalkにあらかじめ用意されいる。下図はGM Level 2 Standard Setを指定。これを編集し保存する。下記に保存される。
C:\Users\user\AppData\Roaming\Cakewalk\Cakewalk Core\Drum Maps

初期設定では全ての音色は10チャンネルになっているので、バスドラ、スネア、ハイハットだけ任意のチャンネルにする。またドラムセットを何にするかもここで指定できる。

各音色を好きなセットから選べるので、JazzのスネアにStandardのハイハットという組み合わせも簡単にできる。

ドラム用MIDIトラックを用意

TTS-1のインストゥルメントトラックには基本MIDIデータは打ち込まない。後々ミュートしたりするときに問題になるため。

そして上で設定したドラムマップを適用する。ここでGM Level 2 Standard Setを指定して、環境設定のドラムマップマネージャで修正する方法でもOK。


ピアノロール、ドラムグリッド(ノートマップ)の切り替え

ドラムマップがうまく適用されていれば、下のように、ピアノロールの上あたりをマウスでドラッグすると、ドラムグリッドが隠れている。

マップの切り替えにより、ドラムグリッドと通常のピアノロールの両方を扱えるようになる。ノートの表示はマップに応じてどちらかに表示される。



作業は基本的にドラムグリッドを使う。ドラムグリッドの利点は名称表示以上に、各ノートのミュートやソロができるところだろう。

個人的には3連やノートをいじくる作業はピアノロールが使いやすいと思っている。ドラムグリッドのように複数チャンネルを扱えないが、各チャンネルは選べるので、1音色のエディット作業には大きな問題はない。


下は試しに作ってみたドラムパターン。JazzとStandardのハイブリッドになっている。スネアとハイハットには各種エフェクトを少し掛けて、バスドラにはプロチャンネルでコンプとEQを掛けている。まだまだ使えるじゃんという印象。

スネアロールなどはOrchestraのスネアが抜群なので、いろいろ試してみようと思う。