Cakewalk by Bandlab お試し

Win10環境に切り替える中、Audacityのレイテンシーばらつき問題が深刻なため、無償化されたSONARであるcakewalk by Bandlabを試してみる。使っているオーディオインターフェイスTASCAM UH-7000もCakewalkもASIO対応で、Win10のひどいサウンド関連をスルーでき、レイテンシーばらつき問題が起きないことを期待したい。ただ、やりたいことは多重録音ぐらいなので、DAWをフル活用したMIDIやらの機能はあまり興味なかったりする。個人的にはオーバースペックすぎるのだが、とりあえず使ってみて判断したい。


ダウンロードとインストール

シンガポールのbandlab社のサイトからインストーラーをダウンロードする。
https://cakewalk.bandlab.com/
インストール方法は多くのサイトで紹介されているので割愛するが、実は1回でうまくインストールできなかった。ADSL回線を使用しているので遅すぎて、インストールが終わったと勘違いしたのが原因のようだ。ちなみにDLするファイルサイズは以下の通り。本体よりも音源の方がでかいのだ。これだからサンプリング音源は好きになれない・・・

ADSL回線では1時間はかかった。

cakewalkのインストーラーはcakewalk.exe(本体)とinstruments.exeの2ファイルあり、本体がインストールされてから、instrumensのインストールとなるのだが、途中で終わったと思って、何か操作してしまうと、インストールが中途半端になるようだ。自分の例ではpluginの音源が1個しか入っていなかった。その場合、instruments.exeを直接起動し、再インストールすることで、何とかすべてのインストールを行うことができた。


音源

苦労して入れた音源は以下の通り。

実際付属音源で使うのはマルチティンバーのTTS-1ぐらいだろうか。あとはVSTiのDEXEDなどを入れておこうかと思う。

ドラム音源のSI-Drum Kitをいじってみた。あらかじめパターンも組まれているので、使えそうなパターンを並べるだけで、おおよそのドラムトラックは完成してしまう。なんて便利なんだ。



エフェクト Audio FX

生録で重要な音を加工するエフェクト。入っていたのは以下の通り。Sonitusシリーズは、Ultrafunk社をcakewalk社が買収して得たプラグイン。加工に必要な基本的なものは揃っている。パラメータは基本に忠実な感じで、エフェクターの原理を知っていれば、結構細かく調整できるが、原理を知らない人にとっては、エフェクトひとつとっても相当学習しないと使いこなすのは容易ではないね。
Sonitusシリーズ以外ではリミッターのBoost11やギターアンプシミュレーターのTH3などがある。TH3は結構評判よいみたい。

少しいじってみた印象としては悪くないと思えた。実際使ってみて不満があれば、新たにVSTエフェクトも読み込めるし、オーディオデータだけAudacityで編集するなど、方法はいろいろある。


エフェクト プロチャンネル

プロチャンネルというところにあるエフェクト群は、名機をモデリングしていて優秀そう。


リバーブのBREVERB2だけいじってみたが、プロクオリティだった。 フリーでまともなリバーブはほとんどなく、キンキンとした金属的な癖のある音がしてしまうものがほとんど。 しかし、これは違う。イタリアのoverloud社が販売しているBREVERB2(単体で28000円)のcakewalk版(簡易版)ということらしい。 いじれるパラメーターは減っているが、クオリティは維持されているようだ。 lexiconのようなウォームで、きめ細かな音がする。 このBREVERB2だけでも、Cakewalkを使う価値があると思わせる。よくoverloud社がOKしたと思う。

こっちにレビュー書きました。

他のエフェクトも期待できるクオリティだ。


レイテンシー

さすがASIO。全く問題なさそう。初期設定のまま使えるレベル。ズレも再現性も安定している。 またASIOで、もう一つよかったのは、マルチトラックで受けられるので、入力のある1トラックだけを録音することができる点。Audacityの場合は、ステレオの2トラックセットで録音することになるので、入力信号がないトラックは、録音後に削除する必要があった。cakewalkでは、そういう煩わしい作業が必要なくなる。


意外と軽快に動く

公式推奨環境は以下の通り。
OS : Windows 7以降(64ビットのみ)
CPU : IntelまたはAMDのマルチコア
RAM : 4GB
空きディスク容量 : 3GB
画面解像度 : 1280x800
ハードウェア : ASIO互換推奨
使っているマシンがCore2Duoで4GBと非力だが、数トラック多重録音する程度なら、問題なさそう。起動を含めて意外とサクサク動くので、しばらくAudacityの代わりに録音用ソフトとして使ってみることにした。


さすが元有料ソフト

とりあえず、大きなトラブルなく、安定しているように思う。さすが元有料ソフトだけのことはある。 ただ高機能すぎて、何をどうしたら、どうなるのかさっぱり分からないので、使用する箇所から地道に習得することにする。


フリーズ

録音したトラックにエフェクトをかけても、再生の際にリアルタイムでエフェクトを適用するので波形は変わらない。ただAudacityなどに慣れていると、エフェクトをかけて、波形がどう変化したかをチェックしたいときがある。 実は便利な機能がCakewalkにはあった。トラックにある*マーク(雪の結晶)ボタンがそれ。フリーズという。これを押すと、エフェクトが適応された波形が生成される。ボタンを解除すると、また元の波形に戻るという、結構便利な機能。オーディオトラックだけでなく、MIDIトラックでも利用可能で、押せば一時的にオーディオトラックになってしまう。

MIDIトラックに適用した例。上記がフリーズ前で、下記がフリーズ後。MIDIトラックも波形として確認できる。

本来フリーズボタンは、リアルタイム処理が重すぎた場合に、PCの負荷を減らすために使うようだが、波形をチェックしたいときも有効。