2018/04/08

cakewalk by Bandlab お試し

Win10環境に切り替える中、Audacityのレイテンシーばらつき問題が深刻なため、無償化されたSONARであるcakewalk by Bandlabを試してみる。使っているオーディオインターフェイスTASCAM UH-7000もCakewalkもASIO対応で、Win10のひどいサウンド関連をスルーでき、レイテンシーばらつき問題が起きないことを期待したい。ただ、やりたいことは多重録音ぐらいなので、DAWを使ったMIDIやらの機能はあまり興味なかったりする。個人的にはオーバースペックすぎるのだが、とりあえず使ってみて判断したい。


ダウンロードとインストール

シンガポールのbandlab社のサイトからインストーラーをダウンロードする。
https://cakewalk.bandlab.com/
インストール方法は多くのサイトで紹介されているので割愛するが、実は1回でうまくインストールできなかった。ADSL回線を使用しているので遅すぎて、インストールが終わったと勘違いしたのが原因のようだ。ちなみにDLするファイルサイズは以下の通り。

結構でかくてADSL回線では1時間はかかる。

cakewalkのインストーラーはcakewalk.exe(本体)とinstruments.exeの2ファイルあり、本体がインストールされてから、instrumensのインストールとなるのだが、途中で終わったと思って、何か操作してしまうと、インストールが中途半端になるようだ。自分の例ではpluginの音源が1個しか入っていなかった。その場合、instruments.exeを直接起動し、再インストールすることで、何とかすべてのインストールを行うことができた。


音源

苦労して入れた音源は以下の通り。

実際使うのはドラムぐらいだろうか。電子ピアノとMIDIでつなげば、ほかの音源も使うかもしれない。音はサンプリングなので、あまり好みではないが、ドラムはよい音していると思う。VSTiのDEXEDは入れておこうかと思う。

あらかじめパターンも組まれているので、使えそうなパターンを並べるだけで、おおよそのドラムトラックは完成してしまう。なんて便利なんだ。



エフェクト

入っていたエフェクトは以下の通り。Sonitusシリーズで基本的なものはあるみたい。

少しいじってみた印象としては悪くないと思えた。実際使ってみて不満があれば、新たにVSTエフェクトも読み込めるし、オーディオデータだけAudacityで編集するなど、方法はいろいろある。

プロチャンネルというところにあるエフェクト群は、名機をモデリングしていて、CPU負荷は高そうだが、かなり優秀そう。


リバーブのBREVERB2だけいじってみたが、プロクオリティだった。フリーでまともなリバーブは、なかなかないのだが、これはイタリアのoverloud社が販売しているBREVERB2(単体で28000円)のcakewalk版(簡易版)ということらしい。 いじれるパラメーターは減っているが、クオリティは維持されているようだ。 lexiconのようなウォームで、きめ細かな音がする。 このBREVERB2だけでも、Cakewalkを使う価値があると思わせる。よくoverloud社がOKしたと思う。 ちなみに多くのリバーブは、ややキンキンとした金属的な癖のある音がしてしまう。

共通パラメーターは下の2個
DRY -infinity-12dB
入力音の音量

WET -infinity-12dB
リバーブの音量

アルゴリズムはHALL、PLATE、ROOM、INVERSEの4種類があり、それぞれパラメータが微妙に異なる。 下は、各アルゴリズムのパラメータの簡単な説明。

HALL
Time 600ms-20.0s
残響音の長さ。下記size値と密接に関係

Size 0-100%
大きいsizeで小さいtimeを使うと映画間のような空間。 反対にすると教会のようになる。

Diffusion 0-100%
初期残響の密度を設定

Shape 0-100%
下記Spreadと併せてリバーブ成分のレベルエンベロープを調整。 最小にするとリバーブ成分は爆発のように立ち上がり、急激に減衰する。 大きくすると緩やかになる。 エンベロープの持続時間はSpreadによって決定される。

Spread 0-100%
リバーブ成分にレベルエンベロープが適応されるまでの長さを設定。 値が小さいと即座にエンベロープが適用され持続時間は小さいか、もしくはなくなる。 値を大きくなると、開始が遅くなり持続時間も長くなる。

High 0.250-4.00x
リバーブ成分全体の高域周波数のリバーブタイムを設定。 0.6000xにすると高域周波数におけるリバーブタイムが0.6倍になる。

PLATE
Time
Size
Difusion
Shape
Damping 3-16kHz
高域成分を抑えて空間をシミュレーションするための設定。閾値だと思われる。

Predelay 0-500ms
入力信号とリバーブ成分の時間差 空間の大きさを演出。

ROOM
Time
Size
Difusion
Decay 0-100%
残響音と初期反射音のバランス設定 最小にすると初期反射のみ。大きくすると残響のレベルが増える

Predelay 0-500ms
Damping 1.5-16kHz

INVERSE
Time
Size
Predelay 0-500ms
High 720Hz-18kHz
Low 30Hz-720Hz


他のエフェクトも期待できるクオリティだ。

レイテンシ

さすがASIOでWin10のサウンドを使わないので全く問題なさそう。初期設定のまま使えるレベル。ズレも再現性も安定している。 またASIOで、もう一つよかったのは、マルチトラックで受けられるので、入力のある1トラックだけを録音することができる点。Audacityの場合は、ステレオの2トラックセットで録音することになるので、入力信号がないトラックは、録音後に削除する必要があった。cakewalkでは、そういう煩わしい作業が必要なくなる。


ASIOの影響

cakewalkは基本的にASIOで利用することになるのだが、そうすると他のアプリから音を出せなくなる。またYouTubeなどは動画が再生されなくなる。 cakewalkを終了すれば、サウンドが回復されるわけではなく、影響が残り続けるのが厄介なところ。 PCを再起動すれば、問題なく回復するのだが、それも面倒な話。 いろいろやってみた結果、タスクバーのサウンドアイコンのトラブルシューティングで回復できることが判明。再起動するよりは手軽かな・・・ もう少しスマートな方法があるかもしれないが、よくわからない。


意外と軽快に動く

マシンがCore2Duoで4GBと非力なので、フルスペックのDAWは重過ぎるかと思ったが、数トラック多重録音する程度なら、問題なさそう。起動を含めて意外とサクサク動くので、しばらくAudacityの代わりに録音用ソフトとして使ってみることにした。


さすが元有料ソフト

とりあえず、大きなトラブルなく、安定しているように思う。さすが元有料ソフトだけのことはある。 ただ高機能すぎて、どうしたら、どうなるのかさっぱり分からないので、使用する箇所から地道に習得することにする。


フリーズ

録音したトラックにエフェクトをかけても、再生の際にリアルタイムでエフェクトを適用するので波形は変わらない。ただAudacityなどに慣れていると、エフェクトをかけて、波形がどう変化したかをチェックしたいときがある。 実は便利な機能がCakewalkにはあった。トラックにある*マークボタンがそれ。実は雪の結晶マークらしい。フリーズという。これを押すと、エフェクトが適応された波形が生成される。ボタンを解除すると、また元の波形に戻るという、結構便利な機能。オーディオトラックだけでなく、MIDIトラックでも利用可能で、押せば一時的にオーディオトラックになってしまう。

MIDIトラックに適用した例。上記がフリーズ前で、下記がフリーズ後。MIDIトラックも波形として確認できる。

本来フリーズボタンは、リアルタイム処理が重すぎた場合に、PCの負荷を減らすために使うようだが、波形をチェックしたいときも有効。