VSTi u-he ZEBRA2 SB

SB (Sideband)
サイドバンドモジュールは、ステレオ周波数シフターで、原理的にリング変調と同じように、2つの信号を乗算して2つの「サイドバンド」を生成する。本来は通信用技術。
リングとの違いは、入力に対して定数の周波数でシフトされるところ。リング変調と同じように入力信号に金属的な特性を与えることもできる。

Generators rackでは2個使えるが、FXグリッドにも1個同じものが存在するので、Zebraとしては最大3個使える。下はFXグリッド版SB。


RANGE

3種類の周波数が選べる。Freqで調整するが、いずれも中央が0Hzで最大周波数がRANGEの表記となる。

  • 10Hz ゆっくりとした変化に適している。
  • 200Hz 低音域のエフェクト効果に適している。
  • 4kHz 高音域のエフェクト効果に適している。

Freq

ゼロは0Hzでプラスマイナス最大にするとレンジで決めた周波数になる。 プラス値は、上側のサイドバンドを大きくし、マイナス値は逆になる。
実験。下はRANGE=200Hzで440Hzのサイン波を入力した状態で、 Freqは+100に設定。 スペクトルでピークを見ると計算値通りで、
440-200=240Hz
440+200=640Hz

正の値は440Hzに対して上側のサイドバンドが大きいことを確認。
続いて、Freqを-100にしてみる。

不の値は逆に小さくなった。

Offset

左右チャンネル間のオフセット。ステレオのロータリーエフェクトに最適。 オフセットは、左チャンネルでは継続的に上昇し、右チャンネルでは継続的に下降する特殊なフェージングに使用することができる。

Mix

元の信号と周波数シフトされた信号の間のバイポーラ・クロスフェード。 +50がデフォルトで、フェーシング効果が最大となっている。 負の値は処理された信号を反転させる。

どう使ってよいものやら

これの用途が、なかなか思いつかない。
やってみたのは、すごく渋い使い方。 ホワイトノイズの減衰をSBに通して、質感を与えるというもの。 単なるホワイトノイズとは違った独特な質感が生まれる。


これもホワイトノイズを使って砂粒ぽくしてみた。


ちょっと変わった使い方で、オシレータ1個とSBの組み合わせでハモンドオルガンぽいパーカッションを真似てみた。オシレータはドローバー的に倍音で作ってみた。SBはアタック時に両サイドから弾いている音に瞬時に収束させている。