VSTi u-he ZEBRA2 XMF

XMF(Cross-Modulation Filter)
2つのフィルタをステレオで組み合わせることができ、そこにFM変調と歪機能が追加されている。 基本的に歪を重視したフィルタであり、アナログシンセ的な音を作る際に有効。 はじめ、この構成に疑問があったのだが、u-he Podolskiを触ったら納得できた。Podolskiのフィルタには、ClickもAudoFMもあって独特なサウンドを作り出していた。 Zebraはある意味u-heの全部入りシンセなので、XMFにPodolski風フィルタも入れてみたというのが真相のような気がする。 Podolskiはピークがガンガン上がってしまう安全装置無しという感じだが、Zebraでは安全装置付きなので安心して使える。

Generators rackでは2個使えるが、FXグリッドにも1個同じものが存在するので、Zebraとしては最大3個使える。下はFXグリッド版XMF。


接続は以下のようにSideChainが使えるモジュールで、こちらから入った信号はFMモジュレータとして利用できる。 XMFを読み込んだ状態では以下のようにSideChainもInputと同じモジュールから取っている。

下記のようにSideChainを別モジュールからとってきてもよい。



Type1

1個目を15種類のフィルタから選択。

  • LP4, LP3, LP2, LP1 ローパス24、18、12、6dB
  • HP3, HP2, HP1 ハイパス
  • BP4, BP2 バンドパス
  • BR2 バンドリジェクト(2極)
  • AP3 オールパス(3極)
  • HP3LP, HP2LP 3極または2極のハイパス+2極のローパスの組み合わせ
  • BR2LP 2極バンドリジェクト+2極ローパスの組み合わせ
  • AP3LP 3ポールオールパス+2ポールローパスの組み合わせ


Routing (R)

このモジュールを理解するために一番重要な部分。

何よりも、このルーティング図が重要。どう接続されているかがイメージできていないと、意図した音作りはできない。

  • single 2つのフィルターのカットオフ値はステレオ分割可能なので、パンニングが効果的。
  • serial Type1のフィルターがType2のフィルターに供給される。
  • parallel Type1とType2のフィルターが別々に出力される。
  • diffed 差分信号(Type1からType2を引いたもの)。2つのタイプが同じで、オフセットがゼロの場合は、キャンセルとなる。


Type2

2個目のフィルタを選択。 基本的にType1と同じ構成となっている。同じでよければsameを選択する。



Driver (D)

Res/Overの特性を5つのオプションから選択できる。

  • XMF 標準的歪。
  • analogue クラシックなラダー・フィルター・オーバードライブ。
  • biased ダイオードのような非対称の歪みで、より多くの偶数番目のハーモニクスを実現。
  • eco アナログ系歪でCPUに優しいバージョン。
  • folded クリップするピークは折り返されていく歪。


Cutoff

フィルターのカットオフ周波数。Zebra2 のすべての周波数パラメータと同様に、カットオフは半音単位で表示される。 カットオフ値は、標準的なMIDIノート番号から12(1オクターブ)を引いた値に対応しているので、81.00はモジュレーションの前のミドルA(440Hz)を意味する。

Res (resonance)

カットオフ周波数を強調した内部フィードバックループ。レゾナンスを最大に設定すると、フィルターが自己発振する。

KeyF(KeyFollow)

MIDIノート/キーボードからのカットオフモジュレーションの深さ。100%にすると、半音に完全に追従。ここでのブレークポイント(変化しない鍵盤)はE2。

Offset

2つのチャンネルのカットオフ値を半音(+/-48)で分割。

FM

SideChainからの信号をモジュレータとして、Input信号にFM変調を掛ける。

Over (overload)

ディストーション効果と音量を得る。

Click

各音の開始時、フィルターに短いインパルスを与える。

試してみる

イメージとしてはエレキベースにオクターバーを通した水っぽい感じを狙ってみる。 具体的にはOSC1個のシンプルな矩形波をXMFでいじっているだけ。


下はpodolskiのようにコツコツした音を出すセッティング。OSCは普通のノコギリ波を使用。他は何もしていない。