VSTi u-he ZEBRA2 Ring

リング変調。

これはメイングリッドに表示されるだけで、ジェネレータラックにはパネルが表示されない。

Generators rackでは2個使えるが、FXグリッドにも1個同じものが存在するので、Zebraとしては最大3個使える。下はFXグリッド版Ring。同じくパネルはない。


リング変調はアナログシンセ全盛期からある古典的な変調方法で、能動的な倍音を与えたいときに使われてきた。 原理的には2つの信号を掛けることで、和と差の周波数を出力することができる。 入力信号に高次倍音が多く含まれるほど音程感があいまいになっていく傾向にある。

例えばOSC1がAの440Hzのサイン波を出して、OSC2がEの659Hzのサイン波を出す場合は以下のような計算になる。ポイントは、元々の440Hzと659Hzが消失しているところ。

440+659=1099Hz
659-440=219Hz

実際にスペクトルを見ても1099Hzと219Hzが出力しているのが分かる。

OSC1とOSC2の周波数を入れ替えても、結果は同じになる。結果的に和と差であるが、やっていることは掛け算なので、入れ替えても同じということ。

数理処理ソフトを使って確認。 青い方が和と差を足した波形で、赤い方が掛けた波形。 振幅の調整とかしてみたけど、まぁ間違ってない。位相は分かりやすいので反転させている。


使いどころ

古典的な使い方としては、以下のように片方のOSCの周波数をLFOなどで操作することで、ゲームチックな音などが作れる。とりあえず波形はサイン波を使っている。

下はウィンドチャイム的な金属チックな音。この手の音はFM音源が得意とするところなのだけど、リングでも出来ますよというサンプル。