VSTi Speedrum lite ドラムサンプラー

Surgeシンセで作った複数の打音を1トラックで鳴らすためのサンプラーとして使ってみた。 シンプルで使い勝手が良かったので紹介しておきたい。 もちろんフリーである。

Speedrum  https://apisoniclabs.com/

これを使う前、TX16Wxという本格的サンプラーも試したのだが、やりたいことに対して高機能すぎたというオチ。 その後に見つけたのが、この2020年に発表されたSpeedrum liteというMPCスタイルのドラム、パーカッション用のサンプラー。

MPCとはRoger Linnという人が開発したAKAIの初期のサンプラーの名称で、4x4パッドのインターフェイスを持つ。 この4x4パッドは、広く受け入れられ、その後いろいろな機器に採用されている。 この手のインターフェイスを採用しているサンプラーはMPCスタイルと呼ばれている。

Speedrum liteは、とにかくシンプルで迷いがない

まず見た感じも、操作性もシンプルでありながら、必要な機能はちゃんとあるという、設計コンセプトがしっかりしているという印象。何が重要で、どうあるべきかをしっかり理解していないと、意外とこういうシンプルなプロダクトの設計は難しいのだ。 主な特徴は以下の通り。
  • VST3対応
  • 16個のパーカッションパッド(サンプル名を表示)
  • ドラッグ&ドロップまたはパッドのコンテキストメニューからのサンプルロード
  • ドラムキットの保存と読み込みに対応
  • 各パッドは16の出力のうちの1つに設定可能
  • WAV、AIF、FLAC、MP3、OGGファイル形式サポート
  • サイズ変更可能なGUI
  • ロードしたサンプルの波形表示
  • サンプルの開始と終了時間を調整可能
  • AHDエンベロープ(アタック-ホールド-ディケイ)
  • 現在のフォルダ内のすべてのサンプルを循環させるための矢印ボタン
  • ボリューム、パン、ピッチ
  • ローパス、ハイパスフィルター
  • ベロシティ対応
衝撃的だったのは、改めて解説する必要がないVSTiは初めてということ。 普通使っていて、分かりにくい部分などがあって、備忘録として記事にすることはあるのだが、そういう必要がないのだ・・・ こういうのを完成度が高いと言うのだろう。 サンプラーの概要が分かっていて、上記の機能リストを見れば、後は使うだけ。 学習コストが0なんです・・・

あえて良いところとして強調したいのは、パットごとに出力を振り分けられるところだろうか。音色ごとにエフェクトの設定は変えたいことが多いと思うので。

解説がない代わりにサンプルでもアップしておく。 作った音が、昔のCMを連想させたので雰囲気だけ弾いてみた。単純なSpeedrumのループにメロを乗っけただけ。


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