ギター基礎練習 ピッキング編 01

サウンドハウスでコラムを書くようになって、やっぱりちゃんと楽器弾けるようにならんとダメだと思い始める。 早くも、来年の目標としてアコギをそこそこ弾けるようにしたい。打ち込みはそれなりにやるつもりだけど、対極とも言えるシンプル生楽器をやっておくと、心のバランスが保たれるような気がしなくもない。

練習方法

まず基礎をしっかり身に着けることにした。教則本だと一言で終わるようなところをネチネチと掘り下げてみたい。 1年前に教則本を使って、割と毎日のように弾いていたけど、どうも、やらされている感があると続かないようだ。 今回は独自にカリキュラムを作ってみる。教則本もあるので部分的に活用はしたい。 特にテクニックを細分化して、それぞれを練習していくことにする。 今思いつく強化すべき基礎テクニックは以下の4つ。
  • フラットピッキング
  • ハマーオン
  • プリングオフ
  • スライド


フラットピッキング

方針としてはアコギでフラットピッキングのみというスタイルで、指とか特殊奏法は使わない。 弾き語りみたいのはやらないので、ギターだけ、もしくはDTMにギターを取り込むような感じで、単音弾きが結構重要になってくる。 10年ぐらい前にバッハとかちょっと弾いたけど、あれの延長線上でオリジナルでもやろうかと。

今回取り組む基礎テクニックの中で間違いなく一番厄介なのが、このピッキングで、とりあえず年内は、これに集中しようと思う。 曲を弾くとか、そういう楽しいやつは無しで、ストイックにピッキングを矯正してみる。 1ヶ月程度では、変化はあまりないかもしれないけど、そういう練習をしてこなかったので、やってみる価値はありそう。

イメージとしては和音弾きと単音弾きを切り替えないフォームにしようと思っている。 基本的にはストロークの延長線上で単音弾きもしていまうような感じ。

課題1 ノイズの軽減

録音すると気になるのだけど、右手がギターのどこかに触れているとピッキングのたびにノイズが発生する。 今まで単音を弾くときは微妙に弦に触れていたけど、やはり擦れる音が少し出てしまう。 これが嫌なので、完全に手を浮かせることにした。 肘はボディに置いているのでそれほど不安定ではない。 それでも細かいピッキングをしっかりするには練習が必要。 低音弦がミュート出来ていないので、共鳴ノイズは出るけど、アコースティックの場合、大きな問題ではないと思っている。むしろ空気感が出るかな? クラシックギターも割と、この手の共鳴は奨励していると思ったが、どうだったかな? まぁ共鳴させたくないときはミュートすればいいだけの話。

課題2 トレモロ

去年の教則本練習で一番厄介だったのがトレモロ。スピードが全然追い付かない。1本の弦をくり返し弾くという基本中の基本がまったくダメなのが明らかになった。

課題3 フォーム

ピックの持ち方だが、これは今のところ変えようとは思っていないので、課題ではないけど、達人がどういう持ち方をしているのかは知っておきたい。 現状フォームがあまりにもデメリットが大きければ変えるかもしれないけど。 個人的なフォームは親指の腹と人差し指の腹を合わせたところにピックを挟んでいる感じ。ピックをふらふらに持っている。 ピックはHeavyを使っていて、現在1mm前後のピックであれば、何でもいいという感じになっている。 薄いピックは表情がつけられないので絶対だめ。 逆に1.5mmとかを超えだすと、アコギの弦が強く張られていることもあって、複数弦をいっぺんに弾くと、カチカチと鳴ってしまう。だから使わない。

多くのギタリストは割と人差し指の側面寄りで持っている。これがスタンダードなフォームのようだ。知らなかったよ。 改めて自分と同じ持ち方をしている人は、すごく少数派のようだ。スティーヴ・モーズが近かったぐらい。

課題4 バランス

ピッキングは腕、手首(横振、回転)、指の屈伸。これら3つの動きを組み合わせて行う。動きは最小限が望ましい。

プロギタリストのピッキング

プロのピッキングをYouTubeでチェック。真似しやすいお手本があれば、それに近づけるのが早道。片っ端から好きなギタリストのピッキングに注目してみる。

そもそもアコギでフラットピッキングするのはカントリーと弾き語りぐらいのようだ。カントリーはブルーグラス系がフラットピッキング。このジャンルは音量が重要なので、かなり強いピッキングをしている。個人的にはここが好みじゃなかった。もう少し柔らかく弾くのがいい。 それでも昨年亡くなってしまったトニー・ライスは上品なピッキングでいいかも。ひとつの理想形としておこう。

弾き語り系の単音弾きはアルペジオぐらいなので、ちょっとスタイルが違うという感じ。

続いてフラットピッキングといえばエレキ。確かに参考になりそうなピッキングが多そう。 好きなギタリストはたくさんいるけど、個人的に目指しているピッキングスタイルの人はいなかった。

エレキはボディに手を置いている人が多い。やっぱりボディに指が擦れてもノイズにならないから。単音弾きでも完全に浮かして弾くのがデフォルトの人は皆無かな・・・ 一時的はいるけどね・・・低音弦にわずかに触れるようにして共鳴ノイズをカットしている弾き方が多そう。エレキで歪ませると特に問題になってくるところなので。

個人的にエレキらしいプレイで大好きなのはロベン・フォード大先生。ピッキングは変幻自在すぎて参考にならないわ。この映像では、ベースに大好きなジミー・アールもいて、なかなか神がかった演奏を繰り広げてくれる。

好きなギタリストをいろいろ観ていると、指屈伸主体のギタリストも結構いることに気づいた。 大好きなアラン・ホールズワースも屈伸率が高い。ただ、この人は超レガートなので、いろいろ例外というか別世界。たまたまギターを弾いている宇宙人なので参考にしようとか思ってはいけない。映像ではジミー・ジョンソン大先生も美しいソロを弾いている。ベーシストの中で一番のお気に入りなのだけど、あまり有名ではないね。

トレモロといえばマンドリン。ということでマンドリン奏者をYouTubeで検索して演奏を拝見。うーんトレモロのイメージがあったマンドリンだけど、肝心のトレモロがあまりきれいと思えなかった。エレキの人の方がうまいと思えたぐらい。うまい人はいるのだろうけど見つからなかった。

そのまま真似すればよいという、お手本は見つからなかったけど、 トニー・ライスはアコギということもあり、一番ストレート。参考にすべきお手本であることは間違いない。 エレキ系の達人からはヒントがいろいろもらえそうだ。ただ、うますぎる人の演奏は融合が行き過ぎていて理解できないということもよくあるので、見る側の分析力も重要。

総じて手首回転をうまく利用している人の音は結構きれいという印象。ただ指の屈伸が少ないとコントロールしきれていないようにも見える。 明らかなのは手首回転と指屈伸の連携がポイントということ。 きれいな音を出す人は、間違いなく、きれいな動きをしている。ここから先は独自に開発するしかなさそうだ。