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Cakewalk Sonitus fx delay

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音作りではリバーブと共に欠かせないディレイ。 cakewalkを使うようになってから、ずっとSonitus fx delayを使っていたが、最近有料ディレイに乗り換えた。 こだわり始めると役不足になってしまうのは仕方ないこと。 各種機能 今どきのディレイとしては普通過ぎて、あまり宣伝になるような機能はない。 あえて特徴をあげるなら、以下のような点だろうか。 左右チャンネルの連動、もしくは独立操作が可能。位相の実験とかそういうときには、とても便利で使いやすい。 ディレイタイムはDAWのテンポとシンクロ可能。 また時間設定では0.1ms~4secまで扱える。0.1msはかなり短いと思う。サンプリング周波数48kHzの場合4.8サンプル分となる。 Wet音にLPF、HPFを掛けられる。またDiffusionでリバーブのような拡散効果も与えられるが、必要最低限という印象。 Crossfeedがあり、左右チャンネルの信号を混ぜることが可能。これにより、やや複雑な反射を作り出すことが可能。 不満点 Wetの音色があまりいじれない。 ディレイはWet音色の存在がすごく重要で、これで最終的なサウンドが激変する。 結局Sonitus fx delayだけでは無理なので、出力音を加工する必要があり、何かと面倒。 ピンポンディレイができない。音が左右に飛び交うよくある飛び道具的なディレイの使い方。 cakewalkに入っているディレイでピンポンが可能なエフェクトもあるのだが、どうも見た目も操作性も気に入らない。 ボールがバウンドするようなディレイもしくは、マルチタップ系のディレイが欲しい。 これを実現するディレイは、ほとんどないので、不満というよりは要望。 大きなところは上記の項目だろうか。 他を探す ディレイは古典的なエフェクタで、プログラムもそれほど厄介ではないので、フリーでよいディレイがあると思って探してみるが、意外と使えそうなディレイが見当たらない。自作してもよいのだが、やっぱり面倒なので、好みのディレイを購入する方向で検討。 Cakewalk

Cakewalk Sonitus fx phase

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ステレオ空間の広がりを位相操作によって調整するエフェクト。 注意点としてはステレオトラック専用のエフェクトで、モノラルトラックに掛けても何も変わらない。 Filter フィルターは以下の2種類が選べる。個人的には高音質を目指すエフェクトというわけでもないのでIIRで十分だと思っている。FIRは計算量も多く、より高性能ともいえるが、タップ数の関係からか、低音域での動作がよろしくない。 IIR(無限インパルス応答):おそらくオールパスフィルタを利用していると思われる。 FIR(有限インパルス応答):低音域では右チャンネルの音量が下がる傾向にある。 Mode ステレオ信号の他にサラウンドも扱えるが、サラウンド環境がないため未確認。 MS処理も話がややこしくなるので、ここでは割愛。 LR Phase:左右の位相差を調整するモード。左チャンネルに対して右チャンネルがPhaseの設定値分だけ遅れる。 MS Phase:MS処理で位相差を調整するモード。 CS Encode:サラウンド用。センターを左、サラウンドを右でエンコードするとき使用。 SC Encode:サラウンド用。CSと逆。 Phase 左右チャンネルの位相差を角度単位で調整する。プラス方向は左チャンネルに対して右チャンネルを遅らせ、マイナス方向は右チャンネルが位相反転する。 下はサイン波に適用した例で、上段が左チャンネル、下段が右チャンネルとなっている。 オレンジ波形がプラス90度で、緑がマイナス90度。マイナスはプラスの波形をそのまま反転しているのが確認できる。 Width 100%がデフォルトで、0にすると位相差が0になり、モノラルと同じになる。100%と0%の間で広がりの調整を行う。 下図はサイン波にエフェクトを適用した例。緑が100%で赤に近づくほど20%減となり、最小0%となっている。 100%以上だと、レベルと位相差が微妙に近づくことで、レベルが上がる方向になる。 下図はサイン波にエフェクトを適用した例。緑が100%で赤に近づくほど20%増となり、最大200%となっている。 Meter 位相を扱う場合メーターは重要。特にヘッドフォンで作業していると、位相的に危うくても気づかないことがあるので、このメ

タロット RIDER-WAITE-SMITH

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以前から絵画的、歴史的、その影響力という意味でタロットカードに興味があったので購入してみた。 タロットのルーツは1400年代のイタリアまでさかのぼれるらしい。またタロットはtarotと書くが語源は不明とある。 調べてみるとタロットカードは大きく別けて以下の3種類があるようだ。 Marseille版: 1600年代にマルセイユで作られていたタロットカードが元となっているようだ。当時は木版刷りということもあり絵柄はトランプ的。 Rider版(Waite版): マルセイユ版を見直し様々な思想を取り入れ、1909年に発売されたカードで、タロットカードとしては最も普及しているようだ。 いろいろな呼ばれ方がされるカードだが、経緯としては 黄金の夜明け団 のArthur Edward WaiteがPamela Colman Smithに絵を依頼し、William Rider & Son, Ltd. という出版社から1909年に発売された。 そのためライダー版、ウェイト版、ライダーウェイト版、ウェイトスミス版、RWSなどと呼ばれている。 また1900年にもなると、現在の印刷技術に近くなっていて、オフセット印刷もこのころ実用化されている。当時のカードがプロセスカラーなのか特色なのかは、よくわからなかった。 Arthur Edward Waite(1857-1942) Pamela Colman Smith(1878-1951) THOTH版: カードとしては1969年に発売。比較的新しいが、1944年には考案者である黄金の夜明け団のAleister Crowleyによる「トートの書」という本が出版されていて、現在でも普通に日本語版が入手可能。魔術タロットとして使えるようにシンボルが描きこまれている。Frieda Harrisによる絵が特徴的で、描かれた時代を考えると、かなり斬新な印象を受ける。アールデコ調と言われることが多いようだが、Sagrada Famíliaの受難のファサードを担当した彫刻家Josep Maria Subirachsの作風に近い印象を受ける。幾何学的な要素が強く、CG的な雰囲気がしなくもない。遊戯王カードの中に入っていても違和感がないかもしれない。 原画はB4サイズぐらいで描かれており、現在ロンドン大学のコートール

Cakewalk Sonitus fx modulator

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積極的に音を加工するときに使うSonitus fx modulator。 いくつものエフェクトを一つにしているので操作は簡単ではない。 プリセットは少ないのでパラメータを理解して思い通りに使った方が、このエフェクトのポテンシャルを生かせると思う。 Sonitus modulatorは、内部構造をある程度理解した上でパラメータをいじる必要がある。コーラス、フランジャー、フェーザーを知っていても、その中身を知らない使いこなせないようになっているので、このエフェクトは厄介なのだ。 前提知識 概要をカセットテープで説明すると、まず下図のように2つの再生ヘッドがある。DrySoundという再生ヘッドは通常の音を再生する。もうひとつのDelayTimeの再生ヘッドはDrySoundよりも少し遅れて再生する。このヘッドが-1~1の間を滑らかに行ったり来たりする。パラメータは、その移動スピード、LFO波形、振幅値が移動距離になる。ステレオであれば、これが2トラックあると考えればよい。 この再生ヘッドの移動で、音はどう変化するのだろうか。テープの進行方向にDelayTime再生ヘッドが移動するときはテープ本来のスピードよりも、ゆっくりになるので、音程は下がる。逆方向に移動するときはスピードが速くなるので、音程が上がる。Dry音と同じピッチは+1と、-1のときで、サイン波を微分して0の位置になったとき。つまり再生ヘッドが一時的に停止した状態のとき。こういう仕掛けで、音程が微妙に上がったり下がったりする。このDelayTime再生ヘッドが3つあって、それぞれがDelayTime位置を0として、0、2pi/3、4pi/3ラジアンの位置からスタートする。グラフにすると以下のようになる。Xが時間で、Yが再生ヘッドの移動量。LFO制御による移動再生ヘッド3つとドライ音を合成すると、微妙なピッチのズレが発生するので、多重演奏的な効果が得られ、コーラスと呼ばれるエフェクトになる。 さらに出力を入力に戻すことをフィードバックというが、それを追加するとフランジャーになる。 フェーザーは、オールパスフィルターを使って、特定の周波数の位相を反転させるもの。人は位相の違いには鈍感だが、オリジナルの音声信号と50%で合成することで打ち消し合って下のようになり、特徴

Cakewalk Sonitus fx Gate

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ノイズゲートというエフェクトで、入力信号がスレッショルド以下になったら、ゲートを閉じて出力を小さくする。昔からあるノイズ対策用エフェクトだが応用範囲は広い。 ゲートが開いているときは音が通り、ゲートが閉じると音が通れないというイメージで説明されることが多い。 Sonitus Gateは、さらにサイドチェインでの利用も可能。 またトランジェントの調整も可能なので、積極的な音作りにも利用できる。 個人的には地味ながら結構気に入っているプラグイン。 Helpもあるのだが、説明が分かりにくい部分もあるので、補足程度に書いておくことにした。 Threshold -60~0dB 入力信号に対してゲートが閉じ始めるスレッショルドを決定する。この値を基準にゲートが作動することになる。 環境ノイズ対策などであれば、スレッショルドは低く設定する。 Depth -Inf.、-40~0dB ゲートが閉じているときに入力信号にかかるアッテネートの量。 -infdBだと無音になり、0dBだと全く作動しない状態。 不要なノイズでも無音にすると不自然になる場合もあるため、用途に合わせて調整する。 Low Cut(Off、20~20000Hz)High Cut(20~20000Hz、Off) 入力信号の帯域を選択できる。特定の周波数だけに反応するようなことができる。 両方OFFにすれば、すべての帯域で作動する。 Attack 0~999.9ms スレッショルドを超えてからの反応速度。 Hold 0~2500ms 信号がスレッショルド以下になったときゲートが開き続ける時間を決定する。 たとえ一瞬しかスレッショルドを超えなくても、このHoldで設定した時間はゲートが開いている。 Release 5~4000ms 信号がスレッショルド以下になり、ホールド時間が切れてからのゲートが閉じるレイト。 Lookahead 0~40ms 公式説明では分かりにくいパラメータだが、先読み機能で取りこぼしを防止するために使うパラメータ。 0msでアタックが削れているように感じられたら、値を増やして調整する。 動かす範囲は、ゲートを適用したい素材によって大きく変わるので注意。 グレー色の線が再生位置だと思えばよい。 白線が実

Cakewalk TH3(OVERLOUD社)ギターアンプシミュレーター

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たま~に適当に使っていたCakewalk付属の機能限定版TH3。本物のエレキギターは持っていないので、TTS-1のエレキを通したことぐらいしかない。そもそもTH3の中に何があるかも把握していない。先頭にあるプリセットをちょいといじっていただけの経験値。ということで何が入っているかぐらいは把握しようと思って記事にしてみた。 改めて見ると、機能限定とか、お試し版という印象は全くなく、有り余るほどの内容になっていた。製品版との違いはちゃんとチェックしていないが、この機能限定版で満足してしまう人多いのではないかな?  OVERLOUD社のサイトを見ると、最新版はTH-U(製品版3万円)のようだ。 かなりの数のアンプ、キャビネット、エフェクタがあることが分かる。さらにセッティングの自由度もあるので、ある程度エレキギターを弾いてきた人でないと何を選んでよいのか分からないと思う。 ここでは機能限定版TH3に入っているコンポーネントの公式説明訳とメモを書いておく。 Amp かなりの数があるのね。15モデル。Bass用もあるね。 Bassface '59 (US) Bassface '59は、アメリカのクラシックなオールチューブアンプをモデルにしています。このアンプは元々ベースプレイヤーのために設計されましたが、すぐに世界中のギタープレイヤーに使われるようになりました。ブルースやカントリーのトーンに最適です。元々オーバードライブ・トーンを意識して設計されたわけではありませんが、オーバードライブペダルとの組み合わせは素晴らしいものになるでしょう。Bassface 59'は自然なわずかなゲインを持ちます。全てのサンプルは4x10 OB Tweed '59キャビネットを使用して録音されています。 Fender Bassman。写真は色が違うけど。 Darkface '65 (US) Darkface '65は、スーパークリーンなクラシックアメリカンチューブアンプです。このアンプは、ギター本来の音色を維持する能力があるため、様々な音楽スタイルで使用されるようになりました。このアンプでアルペジオのクリーンコードを演奏してみると、なぜこのアンプが多くのレコードに使用されてきたのか